前回記述したとおり、
日本の守備陣形はヒディングの策略によって、ボロボロになっていました。
もう一度、同じ図を使って、解説します。
両サイドは広げさせられ、
孤立してカバーリングし合うことが難しくなっていました。
逆サイドにボールがあるときにまで、きっちりとマークについてしまえば、
次の図のような状況になってしまします。
×ボール ×
14● 3●
「ギャップ」 「ギャップ」
× ×
22● 5● 19●
14・22間、19・3間は離れています。
カバーリングはお互いに難しいですよね。
さらに図で説明します。
相手が前線の枚数を増やして来たので、こういった形になってしまいました。
中盤は後ろに下げさせられ、中盤を相手に自由に使われてしまっています。
与えてはならない「バイタルエリア」
ここへの侵入を許しやすくなっています。
10●
× ×
14● 「バイタルエリア」 3●
× ×
7● 15●
× ×
22● 5● 19●
これに対する解決策としては、オフサイドトラップを積極的に活用。
相手FWを置き去りにする。
下の図だと、×で表した攻撃4人をオフサイドポジションに置き去りにしました。
こういったやり方が無いわけではありません。
ただ、トレーニングと試合を繰り返して初めて可能になる方法です。
ぶっつけ本番で出来るものではありません。
トルシエ監督時代も、何年もかかって、ようやく形になってきましたよね。
10● 3●
× 7● ×
14● 15●
22● 5● 19●
× ×
× ×
しかも、オフサイドのルールが、攻撃側有利に変更され続けている今。
あまり賢い方法とは、言えないのではないでしょうか。
最後に、もう一つ図をご覧下さい。
現実的かつ有効な解決させる方法は、こうなります。
横幅を圧縮させて、横隣りとのプレーヤー間の距離を縮めるのです。
コンパクトな状態を保つことです。
具体的には、両サイドが、きっちりマークついてしまわないことです。
10●
×ボール
14●
15● ×
×
7● ×
3●
× ×
22● 5● 19●
15番・3番のポジションの変化に注目ください。
こうすることで、ボールサイドでは問題が解消されています。
マークも出来、選手間の距離も詰まって、
危険なスペース(バイタルエリア)も出来ていません。
もちろん、逆サイドのプレーヤー(×の2人)は、危険です。
ボールに対してしっかり寄せて、
一本のパスでのサイドチェンジをさせないこと。
仮にサイドチェンジをされても、すぐにピンチが来るわけではありません。
守備陣系を全体を素早く!左から右ににスライドさせて、
ポジションを修正すること。
このようにリスクはあります。
ただし、この2つが出来れば、多くの問題は解決するでしょう。
相手の戦略に引っ張りまわされて、後手に回る。
どっちのリスクのほうが大きいと考えますか?
選手交代も、一応簡単に触れておきます。
オーストラリア戦での日本守備陣は、後手後手に回る展開になっていました。
ただし、崩された、シュートを打たれた。
そこだけを見れば、DF陣の問題になってしまいがちです。
現代サッカーにおいては、FWが1人で点を取るのが難しくなっています。
中盤での崩し、最終ラインからの展開があって、
FWが点を取るチャンスが生まれるのです。
DFも全く同じことが言えます。
最終ラインで、相手との競り合いで有利に立つためには、中盤の守備を改善させる。
中盤で自由に持たせないためには、前線からの追い込みを徹底させる。
こうして初めて、守備陣形が整っていくのです。
振り返ってみて、オーストラリア戦。
日差しが強く、気温の高い日でした。
しかも、ワールドカップ初戦。
心身共に、普段の何倍も疲労が溜まっていったのでしょう。
後半の始めに坪井選手が両足をつって、途中交代となりました。
普段なら考えられない光景です。
疲労もあって、監督や後ろからの指示だけでは、修正できない状態になっていました。
そこで、選手交代のカードの切り方が問題になってくるのです。
前線に、玉田選手や巻選手といった、しっかりとボールを追って行く選手。
中盤には、稲本選手や遠藤選手といった(本当は今野選手が・・。)守備が出来る選手。
こういった交代をみせることで、全体のバランスを再び整えることが出来たのでは?!
失った勝ち点は取り返せません。
せめて、次につながる準備に役立てて欲しいものです。
蛇足ですが。
ベルリンにて、ブラジル対クロアチアの試合を観戦してきました。
試合の報告は、明日にさせていただきます。
ベルリンで何人ものブラジル人と話しかけられました。
私が着ていた、キンゼ=デ=ジャウーのTシャツが大人気でした。
「キンゼ=デ=ジャウー!?!(日本人のお前が?)」
「見てくれ、こいつキンゼ=デ=ジャウーだぞ」
(ブラジルはサンパウロ州にある田舎のクラブチーム)
私が、「カズーがプレーしていたからだ」と答えると、
「そっかカズーか、
俺たちも日本を応援している
ブラジルと日本とで、上に行きたいね」
「もし、クロアチアとオーストラリアに勝ったら、
日本戦は負けてもいいよ」
何人ものブラジル人が同じことを言ってきました。
少しは、心の安定剤になりましたか?
2006年06月14日
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6.14コラム 試合後、初のレギュラー組の練習
Excerpt: 福岡からドイツへ ワールドカップの情報をドイツからお伝えします!
Weblog: ワールドカップブログ
Tracked: 2006-06-15 10:52


オーストラリアの両サイドがおもいきり開いて意図的に中央にスペースを空け、そこを利用された、というレポート、なるほどと思いました。
ところで、日本の攻撃はどうだったでしょうか。
テレビを見ていてですが、後半、守勢な時間が多いなか、やっとマイボールになった時、中盤が前ばかり向いて、前線に難しいパスを狙う、それがカットされ繋がらず、ボールを失い、また守勢になり苦しくなる連続...というふうに感じました。
少なくとも1-0で勝っていた時点では、慌てて前に放り込まなくても、もう少し後ろで回して相手を走らせて、前に出すふりして後ろに戻す --> 相手は負けてるからボールをとりに来る --> そうしたら開いているスペースを攻める、と、相手を焦らしながら攻めてもよかったのではないでしょうか。
ジーコはハーフタイムに「1-0で勝っているサッカーをしよう」と言ったそうです。(私も今回のジーコの交代の遅さ・不適切さには失望したので、擁護するつもりはまったくないのですが) ジーコとしては、前半、幸運にもリードできたのだから、そういうふうに、キープしながら、リードしていることでより優位に試合を進める展開に持ち込むことができる、と思ったのではないでしょうか。
ただ、実際にはなんでそれができなかったんでしょうか。
単に日本の選手が近視眼的に攻め急いでしまい、そういう経験や戦術眼が不足していたのでしょうか? それとも、もう、後ろに戻してパス回しをしている余裕はなく、放り込むしかないくらいプレスがきつかった・体力が残っていなかったのでしょうか? (テレビでも、福西、サントス、中村あたりは歩いているのが見えました)
「リードしているのに勝っている気がしない」「リードしているのに攻められっぱなしで、守備が耐えて耐えてがんばってるけど、最後にやられてしまう」 というのは、「中盤の豊富なタレント」とか言ってみても、結局はオフト監督とか加茂監督時代と変わらない代表を見ているようでした。
(あ、蛇足ですが、こう書くと誤解されそうですが、私はトルシエは嫌いです)
後半は中盤がゆるゆるに見えましたが、そういう背景があったのですね。
後半から相手はヴィドゥカ以外のプレーヤーもエリアのすぐ外でポストプレーを始めました。これでとたんにピンチが増えました。バイタルエリアにスペースを与えたことが原因でしたか。
1-0でリードしていたにもかかわらず、落ち着きのないボール廻しでしたね。急ぎすぎて必要ないところでワンタッチパスを出してはボールを奪われているのが目立ちました。
多少なりともポストプレーができる柳沢を下げて小野というのも納得できませんでした。巻を入れてポストに当てて、できるだけ自陣からボールを遠ざけておくという選択肢もあったのではないでしょうか?今さら老いの繰言ですが・・・
ところでサッカー教室を経営されていらっしゃるとのことですが,W杯の期間中ずっとドイツに滞在されていて教室の経営は大丈夫なのですか?
日本に残された生徒さんたちに不満はないのでしょうか?
他人事ながら心配になってしまいます。
詳細な解説、参考になりました。
(本当は今野選手が・・。)のところは私もブログで書きましたが、ため息しか出ません。
オシムさんの言った「水を運ぶ選手」の重要性を痛感した試合、というより大会になりそうです。