2011年11月01日

多面的に観る。

 公認B級コーチ養成講習会の共通科目では、多くの科目を勉強しました。

普段、フットボールのコーチをしている人間は、あまり触れていない部分が多かったかもしれない。

スポーツ医学、スポーツ心理学、スポーツ社会学、トレーニング科学。

体育大学や、専門学校で、トレーニング科学を修めているコーチは、自信満々で臨んでました。

スポーツ社会学や、スポーツ心理学の授業は、興味深い内容でした。

一方、医学は、聞いたことの無い単語、普段使わない漢字に苦しめられました。

全員が、全ての科目を、楽しく受講できたわけでは、正直無いはずです。









 今回、これら共通科目を受講することで、何を得たのでしょう。

知らないよりも、知っていたほうが良い知識や、考え方を教わりました。

これら全ての知識が、普段の指導やクラブ運営の役に立つか?

と聞かれれば、素直に「はい」とは言いがたい。

今回得た知識の中で、頭のフォルダから出て来る機会がないものも、あるでしょう。

特に、テストの前日の深夜に、必死でテスト対策していた時は、疑問も浮かびました。

この勉強は、何かの役に立つのだろうか・・・。











 5泊6日の集合講習を終え、今は、こう考えています。

「フットボールという像を、今までとは違う角度から観る視点をもらった」

例えば医学。

貧血の中でも、スポーツ貧血というものがある。

症状として、動悸、息切れ、めまいなど。

ところが、運動時にも症状が表れる。

最後の一踏ん張りがきかず、最後の余力がない。

スタミナ不足や、早くバテる。

このような症状が起こるのだそうです。



バテている選手を目にした時に、通常どう考えるか。

「コンディションが悪い、走り込みが足りない、無駄走りが多い」

このような考えを持つコーチや、選手が多いのではないでしょうか?!

なかなか、鉄分を多く含んだ食事を、ビタミンCと共にとらせる指示は出てこない。

そもそも、発想に無かった。

(コーヒーや紅茶に含まれるタンニンが吸収を阻害することも学びました。)
 
キレイ事や、優等生発言でなく、新しい視点を得れたのです。










 他にも、スポーツ心理学のところでも、様々な視点をもらいました。

「人は心で相手を見てしまう。」

私たちが見えているものや事柄は、そのままではないのです。

事象がゆがんで見えることは、よくあるそうです。

私の心に、グサッと刺さったフレーズがあります。

「人は自分が納得するように、見てしまう」

だから、ゆがんで物事を見てしまうのでしょう。

関心や願望、思い込みや価値観が、見え方に影響を与えている。

自分では正しい!と思っていても実際はずれている、見えていない。



 それを実証するようなゲームも体験しました。

映像を観ながら、指示に従うゲームです。

例えば、人間8人(白4人・黒4人)が入り乱れて、ハンドパスをしている。

そのパスの本数を数えるゲームです。

講師に、黒チームのパスの本数を数えろと指示され、必死で本数を数えます。

入り乱れているので、ボールの動きに集中し、本数を数えます。

終わって、講師が我々に問いかけます。

「何本ですか?」

皆、本数は数えれてました。



ところが、このゲームには仕掛けがあるのでした。

続けて質問されました、「何かが通ったのですが、見えましたか?」

首をかしげます。

もう一度、その部分を再生されると、驚きの映像が目に飛び込んできました。

ムーンウォークする熊が、何秒もはっきりと映っているのです。

60人ものコーチがいて、誰一人、熊に気づけなかった・・・。

ボールの動きに注意を向けて、フィルターが掛かってしまっていたのです。

まさに、関心が見え方に影響を与え、偏った見方をしてしまった。

まんまと、わなに掛かってしまったのでした。






 このゲームは、休憩明けのウォーミングアップのように、楽しく取り組ませてもらったものです。

その奥にあるのは、遊びではありませんでした。

普段、我々の心に、妙なフィルターが掛かっていないか!?

自分が納得するように、自分の都合がいいように、選手を見ていないか?!

背筋が寒くなる瞬間でした。









 このような新たな視点、気づきは、トレーニング科学でも、社会学でもありました。

機会があれば、また紹介したいと思います。

講習を受けた、その領域の全てを学んだわけでは、もちろんありません。

学びを深めるきっかけをもらったというのが、正しい表現なのでしょう。

入り口に立っただけですが、そこからの視点は新鮮なものでした。

少しでも、コーチとしての幅が広がればいいのですが。

後は、実践あるのみです。
posted by プロコーチ at 12:51| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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