公認B級コーチ養成講習会の共通科目では、多くの科目を勉強しました。
普段、フットボールのコーチをしている人間は、あまり触れていない部分が多かったかもしれない。
スポーツ医学、スポーツ心理学、スポーツ社会学、トレーニング科学。
体育大学や、専門学校で、トレーニング科学を修めているコーチは、自信満々で臨んでました。
スポーツ社会学や、スポーツ心理学の授業は、興味深い内容でした。
一方、医学は、聞いたことの無い単語、普段使わない漢字に苦しめられました。
全員が、全ての科目を、楽しく受講できたわけでは、正直無いはずです。
今回、これら共通科目を受講することで、何を得たのでしょう。
知らないよりも、知っていたほうが良い知識や、考え方を教わりました。
これら全ての知識が、普段の指導やクラブ運営の役に立つか?
と聞かれれば、素直に「はい」とは言いがたい。
今回得た知識の中で、頭のフォルダから出て来る機会がないものも、あるでしょう。
特に、テストの前日の深夜に、必死でテスト対策していた時は、疑問も浮かびました。
この勉強は、何かの役に立つのだろうか・・・。
5泊6日の集合講習を終え、今は、こう考えています。
「フットボールという像を、今までとは違う角度から観る視点をもらった」
例えば医学。
貧血の中でも、スポーツ貧血というものがある。
症状として、動悸、息切れ、めまいなど。
ところが、運動時にも症状が表れる。
最後の一踏ん張りがきかず、最後の余力がない。
スタミナ不足や、早くバテる。
このような症状が起こるのだそうです。
バテている選手を目にした時に、通常どう考えるか。
「コンディションが悪い、走り込みが足りない、無駄走りが多い」
このような考えを持つコーチや、選手が多いのではないでしょうか?!
なかなか、鉄分を多く含んだ食事を、ビタミンCと共にとらせる指示は出てこない。
そもそも、発想に無かった。
(コーヒーや紅茶に含まれるタンニンが吸収を阻害することも学びました。)
キレイ事や、優等生発言でなく、新しい視点を得れたのです。
他にも、スポーツ心理学のところでも、様々な視点をもらいました。
「人は心で相手を見てしまう。」
私たちが見えているものや事柄は、そのままではないのです。
事象がゆがんで見えることは、よくあるそうです。
私の心に、グサッと刺さったフレーズがあります。
「人は自分が納得するように、見てしまう」
だから、ゆがんで物事を見てしまうのでしょう。
関心や願望、思い込みや価値観が、見え方に影響を与えている。
自分では正しい!と思っていても実際はずれている、見えていない。
それを実証するようなゲームも体験しました。
映像を観ながら、指示に従うゲームです。
例えば、人間8人(白4人・黒4人)が入り乱れて、ハンドパスをしている。
そのパスの本数を数えるゲームです。
講師に、黒チームのパスの本数を数えろと指示され、必死で本数を数えます。
入り乱れているので、ボールの動きに集中し、本数を数えます。
終わって、講師が我々に問いかけます。
「何本ですか?」
皆、本数は数えれてました。
ところが、このゲームには仕掛けがあるのでした。
続けて質問されました、「何かが通ったのですが、見えましたか?」
首をかしげます。
もう一度、その部分を再生されると、驚きの映像が目に飛び込んできました。
ムーンウォークする熊が、何秒もはっきりと映っているのです。
60人ものコーチがいて、誰一人、熊に気づけなかった・・・。
ボールの動きに注意を向けて、フィルターが掛かってしまっていたのです。
まさに、関心が見え方に影響を与え、偏った見方をしてしまった。
まんまと、わなに掛かってしまったのでした。
このゲームは、休憩明けのウォーミングアップのように、楽しく取り組ませてもらったものです。
その奥にあるのは、遊びではありませんでした。
普段、我々の心に、妙なフィルターが掛かっていないか!?
自分が納得するように、自分の都合がいいように、選手を見ていないか?!
背筋が寒くなる瞬間でした。
このような新たな視点、気づきは、トレーニング科学でも、社会学でもありました。
機会があれば、また紹介したいと思います。
講習を受けた、その領域の全てを学んだわけでは、もちろんありません。
学びを深めるきっかけをもらったというのが、正しい表現なのでしょう。
入り口に立っただけですが、そこからの視点は新鮮なものでした。
少しでも、コーチとしての幅が広がればいいのですが。
後は、実践あるのみです。
2011年11月01日
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