FCバルセロナをどのチームが止めるのか?!
特にチャンピオンリーグでの、本気を出したバルサを止める術など無いのではないか。
ボールを散々回され、ボールを追いかけて疲れ果てる。
後ろに引いてスペースを消したつもりでも、こじ開けられる。
ドリブル、パス、シュート。
常にたくさんの選択肢を持ち続けるバルサ。
試合を観ていると、彼ら独自のルールに、無理やり合わさざるを得ない対戦相手。
バルサペースで試合が常に進んでいく。
結果は、試合の途中で見えてしまっている・・・。
チャンピオンズリーグ準々決勝、バルサ対ミランの2NDレグ。
結果だけを見ると、3−1で、バルサの完勝です。
内容を見ていくと、そこまでバルサの思い通りの展開ではなかったようです。
得点も2本もPKと、こぼれ球がラッキーにもイニエスタの前に転がってきたもの。
崩してゴールを奪ったわけではない。
それどころか、ミランの同点ゴール後の数分間は、バルサ敗退の危機すらあったのです。
そのポイントは、メッシが気持ちよくプレーを出来なかった。
ミランが、メッシのドリブルを止めるための必死の対応が見えました。
メッシのドリブルは、本当に素晴らしい。
まるで、ラグビー選手がボールを手に持って、自由に走っているかのようです。
あの、手に持ったような感覚で、スピード・方向を変化させる。
ボールをコントロールするだけでなく、自分の体も自由にコントロールできている。
その2つが高いレベルで揃っていることが、彼のドリブルの大きな武器ではないでしょうか。
そのメッシのドリブルをいかにして止めるのか?
もちろん、彼にボールを持たせずに、孤立させるのが最も有効な方法でしょう。
ただし、バルサのようにあれだけポゼッションしていれば、それも難しい。
仮にマンツーマンでメッシをマークしても、ボールを受けるのが上手いメッシ。
タイトなマークをものともせず、気がつけば、ボールを足元におさめてしまっている。
ふらふら歩く、止まってボーっとしている(本当にボーっとしているわけではないですが・・)
逆にフェイクを入れて相手から離れる。
様々な工夫を凝らして、メッシはボールを受けているのです。
パスだけでなく、メッシのドリブル、ドリブルからの決定的なプレー。
それがあるからこそ、バルサの強さが群を抜いているのです。
ミランは、メッシのドリブルを止めるために、細心の注意を払っていました。
特に、ミランが取った方法で特徴的なものは、生け贄の牛を捧げることです。
メッシと正対したDFが、距離を詰めて、奪おうとします。
正面からスライディングタックルを仕掛けることもありました。
深く、体を触れるくらい近くまで、距離を詰めていきます。
その最初の仕掛けで奪えることもありましたが、それは本来の意図ではありません。
メッシは高い確率で、最初のDFの仕掛けを外します。
ただし、イタリアの守備職人たちの仕掛けは、深く、強烈です。
メッシと言えども、抜く瞬間に、足からボールが離れてしまう。
しかも、ミランの守備陣の用意は周到です。
自分たちのカバーリングが分厚い方向に、メッシのドリブルを誘導します。
たとえば、左側から強く寄せます。
するとメッシは相手の動きを見えているので、その逆の右側に抜いてきます。
ところがこれは、ミラン守備陣の罠なのです。
右側のカバーリングが分厚いから、あえてそちら側に抜かれたのです。
ドリブルが大きくなった瞬間、カバーリングの選手がボールを奪うチャンスが出てきます。
ボールを奪えないまでも、メッシのプレーの方向を限定することは成功しています。
最初のDFは、ボールを奪うことよりも、ボールを足元から離させるのが目的。
そのために、深く、厳しく、メッシの体に寄せていきます。
ブラジルでは、アマゾン川があります。
ピラニアが多数生息していて、毎年多くの牛が、食べられてしまっている。
牛を連れて、アマゾンを渡ろうとすると、ピラニアに襲われて全滅してしまう。
そこで、牛を一頭だけ、川に入れると、ピラニアがそこに集中する。
その隙を逃さず、他の牛を連れて川を渡らせるのです。
一頭は、まるで生け贄のように犠牲になってしまうのですが、集団は助かる。
強力なドリブラーに対処する方法として、一頭の牛を犠牲にする。
今回のミランが行ったようにです。
ブラジルなどの南米諸国では、よく取られる方法である。
以前テレビで、アデマール・マリーニョさんが紹介していました。
粘り強く相手のドリブルに応対する。
簡単に相手に向かって飛び込んでいかない。
これが、守備の鉄則の一つです。
ところが、どれだけ粘り強く応対しようとしても、その上を行くドリブラーがいる。
それでも、「足を出すな!」「もっと粘り強く!」と求め続けるのか。
生け贄の牛を差し出す方法を知っていれば、止めれる局面もあるでしょう。
もちろん基本は大切ですが、フットボールの世界には様々な応用もあるのです。
2012年04月06日
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