2012年07月06日

典型的なセンターフォワード

 ユーロ2012は、終わってみれば、スペインの優勝でした。

ユーロの連覇は無いだろう。

ユーロ、ワールドカップ、ユーロの3大会連続制覇は無いだろう。

プジョル、ビジャの不在を懸念をする声も大きかった。

ドイツ、フランスなど、違う国を優勝候補に挙げた人も多かったはずです。

彼らの攻撃的なスタイルが、一つの流行のようになって行くのでしょうか。

4年間以上も、世界のトップに立ち続けているのですから、自然の流れかもしれません。







 今回の、スペイン代表の大きな特徴の一つ。

典型的なセンターフォワードを配置しない。

0トップとも呼ばれる形で戦ったことが、挙げられます。

ビジャがおらず、トーレスが不調だったためなのか。

それとも、元々、セスクをあの位置にすえて、0トップで戦う予定だったのか。

その真相は、監督の胸に聞いてみなければ分かりません。









 最前線で体を張って基点になり、味方の押上げを助ける。

組み立てはポストプレーで関わり、後はゴール前でラストパスを待つ。

最大の仕事場は、ペナルティボックスの中!

まるで、殺し屋のように、一撃必殺で、相手を冷静に仕留める。

ボックス内でシュートを決めるには異才を発揮する。

でも、ドリブルやパスはアマチュアレベル。

例えば、ゲルトミュラー、インザーギのような選手。










 一番多かった形が、0トップであったのは事実です。

まるで、バルサでメッシをあのポジションに置いているかのようです。

バルサのメッシも、スペインのセスクも、典型的なセンターフォワードではありません。

セスクやメッシの仕事は、もっと広範囲で行われている。

中盤に下がってきてボールを受ける。

そこから、ドリブルやパスで、積極的に組み立てに関わる。

ボールをキープする能力を活かして、組み立ての中核を担うほどです。

周りの選手も、それを信じて動き出します。

サイドに流れて、ボールを受ける。

時には、DFラインの背後を狙って、飛び出そうとする。

流動的なポジショニングを取っているので、どのポジションの選手なのか見分けがつかない。

ジョレンテ、トーレス、ネグレドの典型的なセンターフォワード。

チームにおける、彼らのプライオリティが低かった。

スペインのレベルの高い選手が、中盤に偏っているのか。

それを、上手く逆手にとって、チームの戦略を立てたとも言えます。









 これは、日本代表も、参考になる形かもしれません。

決定力不足、国際的なストライカーが生まれない。

釜本さん以降、日本には、点取り屋が出てきていない。

大きな大会が終わり、敗退するたびに言われ続けていることです。

だったら、その考え方を変えるのも一つです。

DFが守り、MFが組み立て、FWが点を取る。

その考えを辞め、皆で組み立て、誰かが点を取る。

0トップと言うのは、表現の一つにしか過ぎないのですが、考え方は面白い。








 実行するには、大きな問題点が2つ。

1つは、ポゼッションで、常に相手を上回らなくては、成り立たない。

ボールをポゼッション出来ているから、様々な選手が、得点に絡むチャンスが増える。

ボールを動かしながら、相手の穴を見つけて、ボールと人とを送り込む。

ボールが回らなくなったら、機能しなくなる。

スペインも、クロアチア戦では苦労してしまいました。








 そしてもう1つは、ゴールが生まれるその瞬間に、ゴール前に誰かが入らなくてはならない。

実は、これは、スペインも出来ていない部分。

特に、サイドからのボールに対して、ニアに飛び込む選手がいないことが、多々あります。

生粋のFWなら、必ず狙うポイントなのですが、そうでないと嫌がるのでしょうか。

チャンス!その瞬間に、ゴール前に入ることが出来るかどうか。

中盤の選手は、パスをさばいて満足する傾向があります。

パス&ムーブで、ゴール前の相手にとって危険なスペースに飛び込むことが出来るか?!






 この2つの問題さえクリアすれば、日本代表が取り組むのもありかもしれません。

典型的なセンターフォワード。

我慢強く、育て、抜擢しようとするのか。

それとも、あきらめて、いないものを前提としてチーム作りをするのか。
posted by プロコーチ at 16:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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