2007年01月01日

ONとOFF

「ピッチの中での声やコミュニケーションが少なく、静かに感じました。」
先日から報告しています、指導者講習会での一幕。
講習会の締めとなる、ホールでの講義がありました。
そこでの質疑応答の時間、私がトレセンコーチに質問した内容です。

私はさらに、質問を続けました。
「コーチの皆さんは、選手に積極的に働きかけていました。
 ただ、それが空回りしているかとも思えるくらい、選手の反 応が悪く、静かでした。」
「その、一番の原因は、何だとお考えですか?」
トレセンコーチ達は、お互いに顔を見合わせます。
静まり返ったホールに、私の声だけが響きました。

私の質問の答えの前に、幾つかのエピソードを紹介してくださいました。
・高校年代、中学年代の男子は、さらに静かなこと。
・さらに、JFAアカデミーの授業に、オシム監督が来た時。
男子が最後まで静かだったのに対して、女子が積極的だったこと。
女子のゴールキーパーの選手が、オシム監督に質問しました。
「日本人は世界では背が低いと言われています。
 どのように戦っていけば良いのでしょうか?」
オシム監督は、ジョークを交えて、激励しました。
「君を見ていたら、ここが日本だというのを忘れてしまうよ。」
「このまま、トレーニングに励んでください。」
そんな彼女の身長は、中2にして、183センチだそうです。

 さて、JFAは若い選手のコミュニケーション不足に対して、どのように取り組んでいるのか?
まず前提として、今の選手達は、日常生活はどうなのか。普段から、意見を発したり、コミュニケーションをとることを求められていないようである。
そんな選手達に、いきなりピッチの中で声を出せと言っても難しい。
もちろん、トレーニングやゲームの中で、コミュニケーションを取ることは継続的に求めてはいくが・・・。
JFAも苦労している姿が、浮かび上がってきました。

まずは、ピッチの外(OFF THE PITCH)で、自分の意見を発する環境を作っているそうです。
例えば、グループワーク。
何人かのグループを作って、課題をクリアしていく。
その中で、自然と意見を出しあったり、コミュニケーションをとるのが当たり前になっていく。
それを、家庭にもお願いして、続けていく。

フットボールの時だけ(ON THE PITCH)声を出させても、うまく行かない。
それならば、まずはピッチの外から意識を変えていく。
遠回りに見えても、一番大切なことではないか?
確かに、ピッチの外で、自分の考えを整理できない人間。
自分の意見を発することが出来ない人間。
そんな人間がプレーヤーになった時だけ、いいコミュニケーションを取れるわけがないですよね。

結局は、人間性が問われるのです。
それは、実際の現場だけで作れるものではありません。
そこに至るまでの過程。
その人間の背景。
知らず知らずのうちに、それら全てが、問われるのです。

トレセンコーチは、さらに、もう一つ大切な考え方を示唆していただきました。
そのコーチは、何十年も高校の教師をされていたそうです。
「学校の授業はどうでしょうか?」
「生徒の自主性を促すような授業はあるのでしょうか」
「YesかNoしか答えることの出来ない授業がほとんど。
 自分たちで答えを作りだすような授業はなかなかないですよね」
「そこで育った選手達に、自分たちで意見を出せと言われても習慣にないことは難しいですよね。」

年の最後に、私にも取り組むべき課題が生まれました。
新しい年には、この課題に取り組んでいきたい!
私の決意表明に変えて、紹介させていただきました。
拙い文章ですが、今年もよろしくお願いします。
posted by プロコーチ at 02:14| Comment(0) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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