私が母に教わったことがあります。
「いいものをたくさん見ること、そうすれば自分の中に基準が出来る」
何度かご紹介した私の母は、40年以上、和食器を中心とした民芸品のお店を開いています。
全国から自分の目利きで仕入れをする。
若手の職人さんに、アドバイスをしながら、育成をする。
先日は長年の貢献が認められ、民芸館の大きな賞を頂いたようです。
その母の教えです。
「何がいいかを難しく考えなくてもいい、(基準があれば)自分の好きだと思うものを選ぶこと」
いいものをたくさん見続けることで、目が養われていくとのことです。
さて話は変わりますが、昨日、テレビでバイオリンの特集をしていました。
千住真理子さんという、著名な演奏家の方が出ていました。
彼女の愛器は1716年製ストラディヴァリウスで、「デュランティ」という名前。
しかも、幻の名器らしく、その価値は数億円だそうです。
番組の中で、彼女が2台のヴァイオリンで演奏してくれました。
一方は10万円のヴァイオリン。
もう一つは、数億円の愛器。
同じ曲を演奏するのですが、私にはどちらがよくて、どちらが悪いのかが分かりません。
違うことは分かるのですが、どちらがいいのか?!
10万円の方が、実は数億円のものだった!と言われても、正直区別がつかない。
恥ずかしながら、私の耳は貧しいものですね、、。
和食器においては、私の中に、ある程度の基準があります。
安物だな、工業製品だな、職人さんが丁寧に作っているな。
その違いは、ひと目で分かります。
生まれた時から、私は母の選んだ多くの食器に囲まれていました。
民芸館や博物館に他店など、様々な見る機会を与えてもらっていました。
プロの目利きとは言えませんが、自分の好みは言えるレベルになることが出来ました。
でも、ヴァイオリンの好き・嫌い、良い・悪いは分からない。
自分の中に基準が無いのです。
それはもちろん、いいものを繰り返し聴いていないからです。
フットボールの世界においても、同じことが言えるはずです。
例えば、テクニックを習得させるために。
世界のトップ選手が、どのように行っているのか?
トップオブトップの選手を何人も見る。
一人一人が持つ技術は、もちろんそれぞれ異なっています。
でも、彼らの中に、共通する特長があるのです。
良いものをたくさん見て、テクニックにおいての基準が出来る。
指導の際には、それを抜き出して、言語化する。
何度も何度も見て、彼らに共通する何かを見つける。
では、目の前の指導対象はどのように、プレーを実行しているか?
自分の中にある基準と比較してみる。
すると、何を伝えればいいのかが、浮かび上がってくる。
そのポイントを伝えれば、選手が変わるきっかけを手に入れることも!
この基準が、自分の経験則でのみ、築き上げたものなのか。
自分の経験は、もちろん大事。
その基準は、汎用性のあるもの?
まずは、お手本となるべく、いいものをたくさん見て研究すること。
それが、自分の中の基準になっていく。
2013年02月01日
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