子供の試合でも、大人の試合でも、しばしば耳にします。
どのような声を求めているのでしょうか?
元気な声?盛り上げる声なども含まれているのでしょうか?
それとも、コーチングの声なのでしょうか?
ボールを要求する声なのか。
コーチも、選手も、ピッチサイドからも発しています。
「声を出せ!」
私は、いつも疑問に思っています。
この「声を出せ」というコーチングにどこまで意味があるのでしょうか?
ブラインドサッカーを観戦した時のことです。
ブラジルの戦いに魅了されました。
圧倒的な個人技レベル。
選手1人1人の、相手に対する強さ、感受性の強さ。
群を抜いていました。
試合を見ていると、あることに気がつきました。
あるシステムを組んで、戦っているのです。
GK1-DF1その前に、逆三角形。
常に、この形になろうとします。
そして、ぺネトレイトからのシュートが、彼らの鉄板の攻撃方法でした。
ブラジルの対戦相手は、自陣ゴール前に引きこもります。
ブラジルの攻撃力を恐れて、守備を固めるのです。
ブラジル側は、それを少しでも引き剥がそうと、幅を作ります。
ボールを持った選手を中心に、左右に広がり、逆三角形を形成。
相手がこの動きに釣られて、ブロックを崩したら、ドリブルでペネトレイション。
かなりの高確率で、シュートまで持ち込みました。
簡単にはゴールできませんが、会場全体が盛り上がります。
相手DFのブロックが、崩れないかな?
そう感じるやいなや、ベンチの監督から声が飛びます。
「ヘイ!(名前!)右!」
次の瞬間、中央の選手が、右斜め前に向かって、強烈なグラウンダーのパス。
ドンピシャのパスが、右斜め前のアタッカーに届きます。
最初は、偶然かな?
大まかに出したボールが幸運にも、ドンピシャに入ったのかな。
その予想は、簡単に外れます。
何度も何度も、ドンピシャのボールが斜め前に届けられます。
両翼からカットイン、そしてシュートも、彼らのパターンでした。
たまたま、私の友人がスタンドで観戦してました。
再会を喜んでいると、意外な事実を教えてもらいました。
日系人の彼は、ブラジル代表にスタッフとしてお手伝いをしていたのです。
様々な事情を教えてくれます。
・世界NO.1選手が、二人もチームにいること。
・彼らは、プロ選手として生計を立てていること。
・ブラジル代表が、年に何十回も活動をしていること。
繰り返し繰り返し、トレーニングや試合を積むことが、彼らの強さの源であるとのことでした。
彼らは、お互いに分かっているのです。
「右!」
ただ単に、右方向にプレーをしろという意味ではありません。
「右」という言葉は、何を意味するのかを全員理解し、実行している。
そのプレーをするためには、受け手がどこに立ち、出し手はどこに出すのかを。
今までのトレーニングが、試合の予行演習になっているのでしょう。
試合を想定したトレーニングがなされている証拠です。
私は、改めて声の重要性に気づかされました。
声をキッカケに、選手が動き出す。
そして、相手を置き去りにしてしまうのです。
ただし、トレーニングで共通理解を作り上げなくてはならない。
深い共通理解を持つことが出来ていればいるほど、声を出す意味が大きくなる。
プレーを決めつけろ、というのではありません。
一つのフレーズを発するだけで、全員が同じ絵を思い浮かべることが出来る。
それが、ブラジル代表でした。
彼らは、堂々と世界一に輝きました。
いい準備が実った瞬間です。
「声を出せ!」と求めるならば、その準備をトレーニングで終わらせておかなければなりませんね。
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身体のどの部分を切ってもサッカーが出て来るサッカー歴34年(の割にヘタッピですが 笑)の晴眼者ですがブラインドサッカー経験者です。
あのジャンルのサッカーは1度経験してみる価値は多いにあります。
どれほど目を背けようが『声を出せ 』の意味がイヤになるほど理解出来ます。
1度拝見なさったのであればコーチングにルールとしての制限が存在するのはご存じだと思います。
聴覚のみで状況判断しなければならないので選手同士、それぞれの役割りに於いてのコーチングの『質』が重要になります。
11vs11、フットサル、ソサイチ、ビーチサッカーであれば『○○!!右!!』の一声で○○選手は状況を把握し判断しますが、本当に真っ暗闇の中でのプレーでは『○○!!右!!』だけでは○○選手は『右になに?どうしろって?』となり『○○!!もっと右に動け!!』『もっと前!!』ではそれこそ選手は困惑します。
『もっと』の基準が人それぞれですし具体的に何メートルと指示しても聴覚を遮られた中での感覚的な具体的距離すら人それぞれ、歩数で伝えても同様でした。
選手同士、役割りに於いてのコーチングも同じ内容でも誰に対しての物かに寄っては中身を変えなければなりませんでした。
1メートル移動させたい時に『もっと』で勝手に1メートル移動出来る○○選手も居れば歩数を言うと1メートル移動出来る□□選手。中には『2メートル』と言うと1メートル移動する選手もいたり。
コーチングをすることはもちろん重要ですが、コーチングの内容が相手に正解に伝わることの方が大事だと再認識させられました。
お陰で『右』に何なのか?を具体的にコーチングするクセと言うか、スキルが身に付きましたしブラインドサッカーから身を引いた今は常に見える状態なので『○○!!右!!』どころか、コーチングする相手の視界に入り込む作業だけをして『ここ!!』『あっち!!』で済ませることも出来る様にもなりました。
そしてもう1つ。見えない、声だけが頼りではなく視覚では捉えてない部分を頭の中でイメージするだけではなく自分のイメージの他に、相手のイメージもイメージする能力も身に付きました。
ブラインドサッカーは経験してみると本当に目が開けます。プレー中は開けませんが(笑)
他の障がい者スポーツ同様に障がい者のための福祉の一環として始まった競技ですし、その様な側面もまだまだ色濃く存在するので1度触れて体験してみるにはデリケートな部分も少なくはありませんが、体験してみる価値と得る物は多大です。
また、わたくしはフィールドとキーパーを掛け持ちでプレーしてます。ブラインドサッカーの影響でキーパーでプレーした時にはコーチングだけではなく守備範囲も大幅に広がり、ビルドアップ能力も上がりました。
一例ですがキーパーとして参加してるチームではわたくしのハーフラインからのロングシュートの溢れを押し込む、またはハーフラインから直接蹴り込んでゴール。と、言う戦術すら可能となりました。
北は札幌、南は福岡にまでチームは存在しますし首都圏にも何チームか存在しているのでブラインドサッカー協会を通して体験してみては如何でしょうか?