カナダで開催されている、女子ワールドカップ。
我らがなでしこジャパンが、2年連続で決勝に進出しました。
準備期間は、内容も結果も、あまり良くありませんでした。
ボールはつながらず、ゴールも守り切れない。
「連覇を目指せるのは我々だけだ!」
監督や選手たちの発する声が、どこまで届いていましたか?
ワールドカップ開催前には、連覇を期待されていなかったのではないでしょうか。
正直、組み合わせに恵まれたことは、否定できない。
ドイツ、米国、フランスとは、決勝戦まで対戦しない。
一番の強国だと思われたブラジルは、勝手にこけてくれた。
イングランドも、オーストラリアも、良いチームでした。
が、反対の山に入っていたら、決勝に進出できていない可能性もあったのではないでしょうか。
まるで、決勝進出を後押ししてくれるかのような組み合わせでした。
決勝トーナメントに入っては、先発メンバーが固定されています。
この中でも、私が注目したのは、二つ。
GKとセントラルMFです。
GK海堀
シュートストップに、抜群の能力を見せています。
ポジションを取って、最後まで我慢する。
読みで、先に動かず、ボールを見極める。
さらに、抜群の反射神経がセービングを助けてくれている。
ハイボールへの飛び出しは少ないですが、安定したセービング。
ゴールの番人として、守備陣を支えています。
この海堀選手のスタイルが、なでしこ全体の守備スタイルを左右している。
それは、飛び出してボールを守備する範囲の狭さです。
DFラインの裏に蹴りこまれたボール。
5番目のDFの選手として、スイーパーのようにボールを処理する。
そう、ノイヤーのようなプレーは、少ないのです。
そして、クロスボールに対する飛び出し。
飛び出すと決めたら、必ずボールに触る。
GKとしての鉄則は、きっちり守れている。
ところが「触れる」かどうかの判断が、範囲が狭い。
クロスボールに対する飛び出せない。
クロスを合わされたボールに対するシュートストップに力を注いでいるように見えます。
この守備範囲の狭さのせいで、DFラインが低い。
ロングボールやクロスを蹴りこまれても、後ろは安心だ。
といった脳みそには、なれていないのが、今大会のDFライン。
DFラインが低い。
結果として、ボールを奪う位置が低い。
これは、ボールを奪った後の、攻めるゴールが遠いことを意味します。
このDFラインの低さが、今のところは、守備の安定をもたらしている。
裏に蹴りこまれて、走力勝負になると、なでしこジャパンは不利です。
DFラインが低いと、そもそもこのようなシーンが少なくなる。
ただ、レベルの高いチームとなるとどうでしょうか?
相手を押し込んだら、サイドから攻めてくるでしょう。
すると、クロスを上げられる本数が増えます。
ピンポイントのクロス、それに合わせる技術が揃ったチームと、まだ対戦していない。
高精度のクロスが上がってくる米国との対戦が、正直怖いです。
セントラルMF(宇津木、阪口)
中盤の中央に、位置する二人。
宮間選手でもなく、澤選手でもなく、宇津木・阪口選手に固定されました。
彼女たちは、サイズがあります。
空中戦、球際の強さ。
対峙する選手に対して、ガチッと当れる。
泥臭い作業ではありますが、対戦相手に嫌がられる存在になっています。
体を張って、バイタルエリアを守ってくれています。
二人の存在が、DFラインの負担を軽減しています。
その一方で、失っているものがあります。
攻撃時の仕事。
それは、中盤の中央で方向を変える、リズムを変える、プレー。
ボールをポゼッションする核であり、組み立てに要であり、ラストパスの出し手。
ここから、いいボールが配球されれば、間違いなく主導権を握れる。
長年、澤選手が担っていた役割です。
今大会は、中盤で相手を上回るシーンが少ない。
一番気になるのは、ボールを受けるシーンです。
ボールを受けて、方向を変えれない。
少しでもプレッシャーを感じると、ボールを戻してしまう。
ボールを失わないことは大切ですので、悪くはないのです。
以下のようなシーンが本当に少ない。
・相手のプレッシャーを逆手にとって、くるっとターンする。
・キュッとマークを外してボールを受け、前を向く。
・相手との距離が近くても、半身でボールを受け、前を向く。
これらのプレーがないため、中盤で攻撃方向を変えることが出来ない。
監督の決断が、決勝まで導いたといえるでしょう。
澤選手を外し、山根選手を外しました。
おそらく、ロングボール・クロスボール対策として、山根選手を使いたかったはずです。
そうでなければ、大事な初戦で、先発では起用しません。
残念ながら、ボール処理の不安定さ、肩の故障などが原因でポジションを失いました。
中盤の守備力を向上させるために、宇津木・阪口選手を起用しました。
ただ、中盤で方向が変えれないため、相手としては守りやすい。
守備力を得た一方で、パスという武器を失っている。
佐々木監督は、決勝では、どのような決断を下すのでしょうか?
最高の結果を信じて、見守りたいと思います。
粘り強く、決勝まで勝ち進みました。
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