今年も、高校選手権が開催されています。
箱根駅伝と並び、お正月の風物詩ですよね。
昔から、サッカーのトップリーグは埋まらなくても、選手権は観客が詰め掛ける。
アマチュアの大会に、これだけの人が注目するのは、独特の文化と言えるでしょう。
そして、いまだに多くの人材を、プロへその多方面に輩出している。
選手権や箱根駅伝の果たしている役割は、大きなものがありますね。
今回の選手権の1回戦、2回戦で、聖和学園が注目されました。
2014年の第一回全日本ユースU18のフットサル大会の優勝チームでもあります。
狭い局面を苦にしない。
それどころか、あえて狭いエリアで勝負する。
ボールをハンドリングする能力の高さは、チームこだわりなのでしょう。
曲芸のようなボールコントロールを見せてくれる動画も、有名です。
1回戦の野洲高校を7対1で撃破。
2回戦は、青森山田高校に大差をつけられ、0対5で敗戦。
それでも、2試合とも、試合会場の三ツ沢が溢れかえるくらいの、人気のチームでした。
なぜ、そこまで注目され、人気になったのでしょうか?
日本人が「技術がある」と思うプレーを、たくさん見せてくれるからではないでしょうか。
日本人が、「上手い」「技術がある」という際に多くは、ドリブルとリフティング。
様々なタッチやフェイント、リフティングの回数に技。
最近では「ジンガ」と呼ばれ、連続したボールタッチを操ることも、ここに入ってきます。
(ちなみにこれは、本来のジンガではありません。)
(日本においてだけ使われる言葉で、ブラジルのGINGAとは、まるっきり別物)
実戦で、ここまで堂々と、ボールを操れるのは、積み重ねの賜物。
相当の努力をしたことが、目に浮かびます。
そして、会場では、「オー」「上手い!」など歓声が聞こえます。
ブラジルで10年を過ごした同僚は、彼らについて、こう、評しました。
「相手をなめた足技ばかりしている。」
「もしブラジルのチームと対戦したら、数名壊されて没収試合だね(笑)。」
南米の試合では、ボールを持った選手を、自由にさせてくれません。
相手を浮き球で抜く、またを通す、足裏でこねる。
このようなプレーをすると、観客が湧きます。
ただし、無事には終わらないケースも多々あります。
次の瞬間、真後ろからになったとしても、やられたDFは削りに、潰しに行くでしょう。
ドリブルやフェイントの対応に慣れた南米のDFを抜くのは、簡単ではありません。
粘り強く対応され、体をぶつけられ、最後は削りに来られます。
それが、彼らの文化です。
だから、ブラジルでプロとして何シーズンも活躍した同僚は、違和感を感じたようです。
それは、客席の反応を含めてです。
私もまた、違和感を感じました。
少し違う部分です。
それは、聖和学園のボールハンドリングが、技術のトップであるかのような評価です。
決して、彼らのボール扱いを低く見ているわけではありません。
あのレベルに達するまでの努力には、並大抵ではありません。
彼らには、本当に敬意を払いたいと思います。
でも、ボール運びや、フェイントだけが技術ではないですよね。
ストリートや舞台で見せる、大道芸。
フットボールのピッチで見せる、技術。
一番の違いは、相手がいて、味方がいて、ゴールがある中で、技術を発揮するかどうか。
もちろん、判断も伴いますし、状況の変化にも対応しなくてはなりません。
自分がこのプレーをしたいから、というのでは、フットボールからは遠ざかってしまう。
野洲高校が優勝した2006年。
幸運にも、決勝戦をスタンドで観戦していました。
鹿児島実業から奪った決勝点は、フットボールそのものの要素が詰まっていました。
低い位置でボールを奪って、カウンターアタック。
ショートパスを数本つないで、40〜50Mの低い弾道でサイドチェンジ。
ボールを次のプレーに向かって、コントロール。(乾選手)
そのままボールを運びながら、クロスオーバーランした選手にヒールパス。
さらにつないで、中にグラウンダーで折り返して、中央で合わせる。
延長の後半に、止める、蹴る、運ぶ、全ての精度の高さ。
そして、全てが走りながら、動きながら行われている。
このゴールは、まさに、「技術が高い」と呼ぶに相応しいものではないでしょうか。
今回の選手権にも、彼らを凌駕する技術を持った選手が、何人もいたからです。
例えば、市立船橋のセンターバックの4番が、グサッと入れる低い縦パス。
同じくイチフナの11番のセットプレーのキックの精度。
キックの精度で言えば、東福岡の10番のキックも素晴らしい。
応援席からは、「レーザービーム」という掛け声が掛かっていましたが、その通りの素晴らしさ。
大津高校の9番、東福岡の9番。
9番がふさわしい、背中で相手を背負ったままでも、ボールを収める能力。
桐光学園の9番は、ターゲットマンであり、ストライカーでもありました。
サイドからのクロスには、様々な種類の入り方、合わせ方が出来ています。
高校年代で、これだけ多くの種類を高いレベルで、自分の形を持っている。
かなりのレベルの高さを感じさせてくれました。
攻撃の面だけを見ても、これだけの素晴らしい技術の持ち主がいました。
私が見落としているだけで、まだまだ、素晴らしい技術の持ち主もたくさん活躍していたのでしょう。
ボールを蹴る、止める、シュート、ヘディング。
これらも、間違いなくフットボールの技術ですよね。
これらを身につけるためにも、たくさんの積み重ねがあったことでしょう。
本当に、高い技術を持った選手。
試合で使える技術、つまり自分の武器を持った選手が、何人もいました。
ここを、見落としてはならないはずです。
2016年01月06日
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