何度もお伝えしている、ユーロ2016。
今回の大会の特徴として、リアクション型チームの台頭が挙げられます。
優勝したポルトガルを始め、ウェールズ、アイスランドの躍進、イタリアの意地。
これら全て、リアクション型。
堅い守備から、カウンターアタックを武器としたチーム。
元々、このような戦いをしたいわけではないのかもしれない。
自分たちのチーム力と、対戦相手とのチーム力とを比べる。
結論が導き出されたのでしょう。
「自分たちがボールを持ちながら、試合を進めていくことは出来ない。」
そのように守備を固めるために、どのような方法を選ぶのか?
モウリーニョ監督がインテルでチャンピオンズリーグを掴んだ、あの方法。
ゴール前に2台バスを停めた!と例えられました。
低い位置にフラットなDFラインを、4人で形成。
その前に、同じく4人でMFラインを引く。
8人で、ゴール前のスペースを圧縮させ、相手の侵入を許さない。
その系譜は、アイスランドや、アルバニアに受け継がれています。
今回特徴的だったのは、ウェールズやイタリアに見られた方法です。
3人のセンターバックで、中央を固める。
さらに、両サイドのウイングバックを最終ラインに落として、5バックに。
その5人の前に、中盤のセンターの選手が門番のように待ち構える。
7人、8人で低い位置にブロックを形成します。
攻撃は、ある程度割り切って、守備を優先しています。
中央も、サイドも、バイタルエリアも、スペースを先に埋めてしまう。
さらには、前線の3人も、最終ライン近くまで守備に戻ることをいとわない。
相手のサイドバックがオーバーラップを仕掛けてきた時などは、躊躇なく後ろまで下がります。
ここまで、スペースを埋められて、人数を掛けられると、簡単には崩せませんよね。
そしてボールを奪ったら、前線の3人を起点に、カウンターアタック!
カウンターアタックがはまらなくても、何とかロースコアの展開に持ち込み、チャンスをうかがうのです。
先日、帰国後すぐに、社会人リーグの公式戦がありました。
対戦相手は、リーグの強豪として名高い、何度も1部で優勝を重ねているチームです。
私は、仲間たちに、3バックの導入を提案しました。
「ボールを持てるチーム、パスをつないでくるチームには有効だ!」
仲間たちは、突然の提案でしたが、納得し、取り組んでくれました。
15年以上、4バックで戦っている我々です。
さて、どうなるのでしょうか?
学生時代には3バック全盛時代でしたので、自分自身馴染みありました。
長所も、短所も、身に染みてわかっています。
そして、何より、3バックの成功例を見てきたばかりですので、自信はありました。
3バックの欠点と言われるのは、3センターバックの両脇のスペース。
ここをどのように、管理するのか?
そして、ウイングバックの選手に、どの高さでプレーさせるのか?
この2つが、試合を進めていく上での、大きなポイント。
・ビルドアップの能力が高いかどうか。
・ウイングバックの体力はどこまであるのか。
この条件を当てはめていくと、ウイングバックの高さが調節できます。
我々が選んだのは、こうです。
ボールサイドのウイングバックは、相手のサイドハーフにプレッシャーをかける。
逆サイドのウイングバックは、ストッパーの位置までは下がらない。
出来るだけ5バックにならずに、3バックで対応する。
では、3バックの両脇のスペースは、誰が管理するのか?
ボールサイドは、スイーパーに入る選手(私)が、全部カバーに行く。
ウイングバックの背後も、ストッパーの背後も、全部スイーパーがカバーします。
逆サイドのスペースは、ウイングバックが対応。
でも、そこは、ボールが入って、初めて落ちるように。
対戦相手は、本当に強かったです。
ボールは動かせる。
一人一人が、判断しながら、ポジションを取りながら、攻撃を進めていく。
中央も、サイドも、広く使いながら、丁寧に組み立ててきます。
こちらの薄い場所を見つけ出し、フリーランニング、そしてパス。
唯一、ドリブルで仕掛けてくる選手が少なかったのが、欠点でしょうか。
チャンピオンチームにふさわしい、堂々たる試合を展開していきました。
でも、これら全て、織り込み済みです。
粘り強く、対応。
普段よりも、多く声を掛け合いながら、組織を作りました。
マークの受け渡しや、ポジショニングを確認をこまめに。
そして最後は、体を張って、相手の侵入を許さない。
対戦相手も、中に入ってこれなくなりました。
少し力任せに、サイドからクロスを入れて、合わせる回数が増えてきました。
でも、単純にクロスを入れてくるだけではありません。
ファーサイドまでクロスを入れて、折り返して、走り込んできます。
我々のマークをずらしたいのでしょうね。
暑い中で、熱い試合が続きました。
ロースコアの展開。
結果は、見事2対1で勝利!!
今まで、勝ったことがない相手でしたが、狙いがズバリ。
ロースコアの展開に持ち込み、カウンター2発で逆転勝利。
最後まで、全員が体を張って、ボールを奪い、ゴールを守りました。
時間の経過と共に、イライラする対戦相手。
こんなはずではなかった?!
我々にとっては、当初のプラン通り。
美しい試合ではないかもしれませんが、気持ちの入った試合だったのではないでしょうか。
まるで、私が観戦してきた、ウェールズ対ベルギーのような熱戦。
3バックが機能し、相手の自由を奪い続けたのです。
我々のチームに、1つオプションが増えたかもしれません。
2016年07月24日
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