母が、40数年前に立ち上げ、今に至ります。
私も、小さい頃から、お店をちょろちょろしていました。
母の仕入れに付いていって、全国を回っていました。
母の店が大好きで、店番や接客などのお手伝いもさせてもらいました。
母は、私に、色々な経験をさせてくれました。
博物館、美術館、仲間のお店、仕入先さん。
とにかく、たくさんの器を見る機会をくれました。
そして、物心もつかないうちから、食器を使わせてくれていました。
落として割ってしまうことも、あったと思います。
それでも、プラスチック製ではなく、本物の器を持たせてくれていました。
「いいものを、たくさん見なさい。」
「いいものを、使いなさい。」
これが母の口癖でした。
最近、あるテレビ番組を観ていました。
一般の方が、自慢の品を持ち込み、専門家が評価額をつける。
もう何年も続いている、有名なあれです。
すると、すこし汚れた壺が出てきました。
由来は、隣の農家の物置で眠っていたのを、タダで譲り受けた。
その壺を掃除したら、気になる文様が出てきた。
家族でちょっと旅行に行く費用くらいになればな〜、と。
「どう思う?」
一緒にテレビを観ていた、仲間が聞いてきました。
その仲間は、私の実家のことを知っています。
私は、『高いかどうかは分からないけど、好きな感じ。」と答えました。
すると、なんと!250万円の鑑定が。
古い信楽焼らしく、驚きの価格がつけられました。
続いて、自信満々のおじさんが、持ち込みました。
古い織部焼で、珍しい黒い釉薬を使っている。
骨董品の蒐集が趣味で、家にあふれるくらいの骨董品があるらしいのです。
骨董市で手に入れたもので、その時は、身震いがするほどだったそうです。
そのおじさんが、自分の器につけた値段は、800万円!
再び、仲間が聞いてきました。
「さっきは当たったけど、これは?」
私は、外しにくくて、嫌だなぁと思いながらも、器を見てみました。
『高いものなのかもしれないけど、俺は、好きではない。欲しいとも思わない。』
そう、答えました。
鑑定の結果は?残念ながら3000円、、、。
「すごいね!」
実は内心は、ホッとしながら、このやり取りを終えました。
母の教えの通りでした。
「いいものを、たくさん見なさい。」
この教えには続きがあります。
「そうすると、自分の中で価値観が定まってくる。
自分が好きだと思ったもの、それがいいものですよ。」
UEFAチャンピオンズリーグが今年も開幕しています。
これが、世界の最高峰です。
各国のリーグも、盛り上がってきています。
もちろん、Jリーグ。
優勝争いが、佳境を迎えていますね。
こういった試合を、たくさん、たくさん観ること。
フットボールがよく分からないという前に。
まずは、「いいものを、たくさん観る」
自分の中で、価値が定まり、知らず知らずに審美眼が身に付くはず。
その道50年の大ベテランの教えです。
【関連する記事】

