どれくらいの長さするのか?
何に重きを置くのか?
限られた時間の中で、取捨選択。
この取捨選択こそが、監督の腕の見せ所。
実際には、現場に監督は出てこずに、コーチが担当していますが。
例えば、ブラジルは、あまりピッチでたっぷりするイメージはありません。
スタジアム内にある、室内のスペースで体を動かしておく。
狭くても、そのスペースでボールを使うメニューも実施します。
「試合に向けて真面目やってるの?」と思うかもしれませんが、実はこっそりと。
例えば、21時キックオフなら、選手たちが出てくるのが、20時15分。
大体、どのチームもキックオフの45分前くらいですね。
それより前に出てくるのが、GKチーム。
GKコーチと、3人のGKが一番にピッチに入場します。
ペナルティエリア内を、ジョッグ。
腕を回したり、サイドステップ、バックステップなど、体をほぐします。
その後、何を始めるのか?
ここで、2タイプに分かれます。
昔ながらのやり方は、軽いキャッチボール。
正しい構えから、キャッチング。
投げてもらったボールをキャッチ。
軽く蹴ってもらったボールをキャッチ。
キックするボールを徐々に強くしていく。。
そして、コースも狙ってシュートストップ、クロスボールの対応など。
GKとしてのスペシャルなトレーニングを続けていく。
もう一つのやり方は、足でのプレーから始める。
対面で短いボールをコントロール、パス。
浮き球を足で処理する。
胸でコントロールして、パス。
など、手を使わずにボールを処理するトレーニングから始めるチームも増えてきています。
そして、その時間も、少しずつ長くなっている印象があります。
イングランドのGKのアップ。
彼らが足でのトレーニングに割く時間が、一番長かったです。
イングランドは、長いボールを蹴飛ばす印象があるかと思いますが、それは一昔前。
GKコーチと、2人の控えGKが、トレーニングパートナーです。
彼らが取り組んでいたのが、コントロールして角度を変える。
そして、正確なパス。
10Mほどの距離から、少しずつ距離を伸ばしていきます。
最後は50Mまで距離を伸ばしました。
距離が長くなると、パスもブレていきます。
何度も繰り返すうちに、キックの精度が上がり、コントロールが正確になっていきます。
この時間で、彼らが上達しているのではありません。
元々持っているものを、チューニングして使える状態に持っていっているイメージ。
試合でも、GKも活用しながら、後方からビルドアップ。
GK、3人のセンターバック、アンカーの1人。
5人が、ユニットを組んで、パスを回して、組み立てます。
そして特徴的なのが、センターバックがボールを保持した時に、センターバック同士が斜め後ろに入らないこと。
ほぼ、横一直線に並んだままで、組み立てます。
相手FWが前からプレッシャーをかけてきたら、危ないようにも感じます。
でも、ここで積極的にGKを使います。
後ろで待つGKをボールサーバーの様に使うのです。
センターバック同士の中途半端な横パスを奪われると、一気に失点の大ピンチ。
そうならないように、お互い斜め後ろに入って、助け合うのが、旧来のやり方。
でも彼らは、斜め後ろに入って助けようとしない。
後ろはGKに完全に任せる。
その分、一つ前で出て行ったり、サイドに開く。
前進するための、積極的なポジションを取るのです。
試合でも、5人でのユニットが、機能していました。
その最後方でカギとなるのが、GKピックフォードでした。
相手をドリブルでかわすようなトリッキーなプレーをするわけではありません。
彼が、正確にコントロール、そして精度の高いキックを繰り返す。
この約束を遂行するための、イングランドGK陣のアップだったのです。
試合でも、何度もパス&サポート。
様々な正確なパスを、手堅く通していきます。
センターバックも、何度も後ろにパス。
彼らのピックフォードへの信頼を感じます。
GKを活用することで、数的有利を作る。
現代のGKに求められている、大切なプレーの一つですよね。
私がブラジルで観たリーグ戦でも、同じ光景がありました。
クルゼイロのGKのW-UP。
とことん、足を使ったプレーを繰り返していました。
グラウンダーだけでなく、浮き球の処理も、確認。
本当に長い時間を、足でのプレーにあてていました。
アップに費やした時間は、手を使ったプレーよりも、足でのプレーの方が長かったのです。
パスをつないで試合を作るスタイルのクルゼイロ。
GKも、もちろんフィールドプレーヤーレベルの足元が求められる。
このように、何を、どのように、どれだけ時間を使っているのか?
それは、フィールドプレーヤーはもちろん、GKもです。
チームとして、何をしていきたいのか?
各プレーヤーに、どのような役割を持たせるのか?
我々は、試合前のミーティングを聞くことが出来ません。
でも、アップに大きなヒントがあります。
試合1時間前から始まっている戦いにも、注目してください。
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