野球の世界では、物凄く強調されていることがあります。
「道具を大切にすること。」
それは、我々フットボールの世界では、それほど強調されていない。
もちろん種目の違いはあるでしょう。
ボール一つあれば、成り立ってしまうフットボール。
一方、ボールに加えて、バットにグローブ。
他にも多くの道具がないと成り立たないスポーツであることもあるのかもしれない。
イチローは、道具を大切にしている。
グローブ、スパイク、そしてバット。
三振したり、フォアボールを選んだ後、バットを地面に、そっと置く。
「作ってくれた人の気持ちを考えると、投げたりたたきつけることは出来ない」とのこと。
「プロとして道具を大切に扱うのは、当然のこと」だそうです。
上手くなりたいなら、これが一番とも言っています。
ゴジラと呼ばれた松井。
彼も、道具を大切にしていた。
ニューヨークヤンキースの監督は、「彼ほど道具に対して敬意をはらっている選手はいない」
とも言っています。
野球教室で上達の秘訣を聞かれたら。
「道具を大切にすること、道具の手入れを自分ですること」と答えています。
さて、我々はどうでしょうか?
道具を、大切に扱って、自分で丁寧に手入れをしているでしょうか?
そして、それをトッププレーヤーが、子供たちに強く伝えてようとしているでしょうか。
少なからずあるでしょうが、野球界ほどの強いインパクトを与えてはいない。
よく使いこまれたけど、ピカピカに磨かれているスパイク。
そんな子供や選手を見ると、嬉しくなります。
そして、「この選手は信頼できる。」そう思えます。
元日本代表の北澤氏。
彼が、子供たちの前で、次のようなエピソードを紹介したようです。
ロシアワールドカップ。
代表の練習を見にいったのですが、
練習後に必ずスパイクの裏まで洗ってきれいにしていた選手がひとりだけいました。
それはセレッソの山口蛍選手です。
Jリーガーになると、各クラブに用具係がいます。
その用具係に使用後のスパイクを渡す選手が大半です。
それでもスパイクを磨いていたので、彼に『どうして?』と聞いた。
『選手として一番大事なものはスパイクだと思いますし、ボールが接触する場所。そこに思いを込めることがすごく大事だと思います』
と教えてくれました。
いいプレーが出来るように。
ケガをしないように。
そういう思いを込めて、スパイクを手入れしていく。
それでもダメな時もあるけど、気持ちを入れていくことは大事なことだと思う。
そういうことは見習っていったほうがいいと思いますよ。
湘南の梅崎選手も、シューズの手入れの重要性を語っていました。
30年前になりますが、ホペイロ(用具係)の存在、その意義、導入を訴えていた選手がいました。
ラモスと三浦カズ選手です。
ブラジルは、自分で洗濯や、用具の手入れはしない。
ホペイロと呼ばれる、プロの用具係がいる。
日本も、見習うべきだ。
ホペイロと言う言葉は、当時の私には新鮮でした。
ラモスがスパイクの手入れをしていて手をケガをして、試合に出れなかったことが。
やはり、ホペイロは必要なのではないか。
今も、ブラジルにはホペイロがいます。
育成施設にも、ホペイロがいて、用具管理を受け持っています。
彼らは、プライドを持って、用具の管理をしています。
クラブにとって、自分の仕事は、必要なのだ。
口にはしませんが、そのような強いプライドをいつも感じます。
ホペイロや親に任せず、スパイクなどのシューズの手入れをする。
物を大切に使うという意識が育ちます。
人間として成長する、一つの要素になると言えます。
フットボール的に考えても、メリットがあります。
家に帰って手入れをする。
何度もしていると、それほど難しい作業ではありません。
すると、他のことを考える余裕が生まれます。
その日のプレーを思い出すでしょう。
あのプレーは良かった、あれはもっと違う方法、などなど。
1人反省会、1人祝勝会を開くことが出来ますよね。
前回着たユニフォームを洗わずに、汚れたままで、もう一度使う。
汗をかいたままのインナーをもう一度着用する。
中々、見ない光景です。
そんなことはなくても、汚れたままのシューズでプレーしている選手はたくさん見ます。
でも、シャツやパンツは、キレイなのにね。
上達したいなら、自分でシューズの手入れをすること。
道具に感謝し、自分の体に触れるものにもっと関心を持つこと。
こんなことを言う私は、古い人間なのでしょうね。
【関連する記事】

