選手育成に力を注ぐクラブ、クルゼイロECです。
彼らとのお付き合いも、早くも6年。
多くの事を学ばせてもらっています。
ブラジルが一番すごい。
日本が遅れている。
そんなことを言うつもりは、全くありません。
日本と違う価値観を持ち、日本よりもシビアな競争の世界で生きている国。
サッカーの国と、自分たちを呼ぶ国。
それがブラジルです。
何十年も、選手を育てようと取り組んでいます。
10年に1人、いや世界でもトップの素晴らしいタレントを見つけ、その良さを伸ばす育成があります。
優れた選手を、プロで戦えるレベルまで引き上げる育成もあります。
ブラジルの育成と言っても、一つではありません。
クラブの置かれている状況や、クラブの持つ哲学、トップクラブとの関係。
それらによって、大きく違います。
ですから、ブラジルの育成とはこれだ!と言い切ることは、少なくとも私には出来ません。
例えば、ブラジルや南米は、利き足にこだわった指導をしている!
このような意見を聞いたことはありませんか?
それは、その意見を語る方が、そのように感じたのでしょうね。
でも、それには賛同できません。
利き足だけに頼らない指導をしている南米のクラブを目の前で、いくつも目にしているからです。
一つ言えることは、ブラジルも大きく変わっているということ。
特にブラジルワールドカップでの、惨敗は、彼らに大きなものを突き付けたのではないでしょうか。
最初に、我々が、クルゼイロECとお仕事をしたのが、2014年の3月。
当時、と言っても、たかが5年前です。
かなりトレーニングに変化が見られます。
ブラジル本国のピッチ上での用具にも変化が見られます。
世界の流れを、彼らも強く感じて、学んでいるのです。
育成の選手にも、トレーニング中に、GPSをつけさせます。
そして、心拍数もとっています。
選手に、自分の状態を、自己申告させる試みもしています。
選手の負荷を、様々な角度からコントロールしようとしているのです。
名伯楽のコーチの目に頼るだけの指導ではありません。
それは、メニューにも現れています。
ブラジルは、昔からいわゆるドリルのメニューを多くさせていました。
アナリティックなトレーニング。
繰り返し、繰り返し。
動作を繰り返すことで、選手の技術の習得を目指す。
サッカー観は、国全体として保有しているので、技術と規律があれば良かった?
とにかく、意外と、地味なドリルトレーニングが定番メニューでありました。
ところが今回、彼らのメニューからドリルがほとんど消えていました。
総合的なトレーニングが、中心です。
ドリルのメニューは、ほんの僅か。
そのドリルも、工夫されたもので、完全なドリル、アナリティックなトレーニングとは言い難いものでした。
彼らにその意図を確認しました。
「世界のトレーニングは、ヨーロッパも、ブラジルも、そして日本も大差ないはずだ。」
「世界は進化しているだろう?」
実績もあり、結果も出しているクラブでも、たくさん勉強して、少しずつ変化をしようとしている。
当然のことなのでしょうが、改めて知ると、ショックを感じました。
続いて、教えてくれました。
「でも、ヨーロッパと全く同じことはしない。」
「ブラジルの良さは、残していきたいんだ。」
「ドリブルでフェイントを入れて突破していく選手は、ブラジルでも減っている。」
世界から学びながら、自分たちの良さを残そうとする。
一つの理想の形を見せてもらいました。
ここで、彼らから学んだことを、少しずつご紹介していきます。
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