試合中に、観て、考え、判断した結果を、実行に移す手段です。
どんなにいいアイデアが浮かんだとしても、実行する能力が無ければ、絵に描いた餅に過ぎない。
少し極端ですが、ボールが30m飛ばすのが精いっぱいの選手が、ロングシュートを決めることは不可能。
そうなると、自分の持っている解決方法をよく分かっていることも、いい選手の条件と言えますね。
この種類の武器を持っているのだから、この局面では、この解決方法がいいのでは?
もちろん、特別な解決方法を持っていることは、いい選手の大切な条件であることも、間違いありません。
つまり、素晴らしい武器と、その武器を素早く的確に選ぶ能力が揃えば、本当に素晴らしい選手ですね。
日本の若武者が、たくさんヨーロッパの舞台に挑戦しています。
ここ数年、一気に増えて来ていますね。
厳しい競争の世界に飛び込んで、勝負していくことは、レベルアップの大きなチャンスですよね。
その一人である、オランダ・トゥエンテでプレーする中村 敬斗。
世代別代表でも活躍を見せてくれた、素晴らしい選手。
ボールを運べ、パスも出せ、決定力もある。
宝石のような、攻撃的な選手です。
彼が、先日のオランダリーグで見せたあるプレーが、少し話題になりました。
点も奪い、大活躍していた中村敬斗。
試合の前半の終了間際、相手選手に対するスライディングタックルが、危険と判断され、一発レッドで退場していしまいました。
VARによる判定で、レッドカードが示されました。
その瞬間、信じられないと、中村敬斗は驚きの表情を浮かべていました。
様々な意見もあるようですが、私は、退場も仕方のないジャッジだと思いました。
なぜなら、ボールを保持している選手に向かって、スピードに乗って、足裏を見せたままスライディング。
ボール方向には行って、ボールにも当たっていますが、相手の足に、スライディングした足裏が強く接触。
衝撃を逃がすためもあったでしょうが、相手選手は数Mほど吹き飛びました。
試合を裁いた主審は、「「スパイクの裏を見せており、典型的な足を壊しにいくプレー」
「スピードがなかったり、足が伸びていなかったらで議論が起きることは分かるが、残念ながらこの場合はレッドカードだ」
とインタビューに答えています。
このスライディングタックル。
そもそも、スライディングの種類が適切ではなかったのです。
彼が見せたスライディングは、現在、主流となっているもの。
最近の若い選手が行うスライディングは、この種類しか出来ない選手が多数派の印象です。
野球のスライディングに似ている、あれです。
軸足を内側に折り畳み、スライディングする足を伸ばして、すべっていく。
この方法のメリットは、滑った後、立ち上がるのが速いのです。
このスライディングで、シュートブロックやクロスに対してブロックに行く。
もしくは、こぼれたボールを巻き込むようにして自分のものにする。
汎用性が高いのも、主流になっている理由だと考えられます。
広まり始めた当初は、クイックスライディングと呼ばれることもありました。
2000年以降だと記憶しています。
このクイックスライディングには、デメリットもあります。
ボールを持っている選手に対して、チャレンジする。
いわゆるスライディングタックルには、不向きなのです。
そのポイント向かってに直線的に、足裏を向けて、素早く滑るのがこのスライディング。
ボールを足元に保持している選手にそのプレーをしたら、当然危険ですよね。
シュートブロックなどの、ボールのコースに入るには最適です。
ですので、スライディングタックルが許されていなかったフットサルでは、昔からよく目にしていたのが、これです。
つまり、中村選手が選んだ技術の選択そのものが、適切ではなかったのです。
ボールを保持している選手に、スライディングで奪いにいくなら、違うタイプのスライディングがおすすめです。
軸足を外側に折り曲げる。
ハードルの足のような形にして滑るスライディング。
昔は、この形が主流でした。
この形で、ボールを奪いに行く。
奪いに行き、ボールに接触するのは、自分の足(スパイク)ではなく、自分の太ももの付け根。
足先で行くのではなく、深いタックルで、ボールを奪いに行く。
これでも、真正面から行くとしばしばファールになってしまいます。
斜め、真横からなら、ファールには、なりにくいです。
もちろん、深く行くと言っても、まずはボールに的確にヒットしなければなりません。
今や、少数派になってしまった、このスライディングですが、身に付けたい技術の一つではないでしょうか。
他にも、アウトで外に弾き出すスライディングもあります。
スライディングも、一つではないのです。
キックやドリブルに、様々な種類があり、それを状況で使い分けるように。
スライディングも、状況に合わせて使い分けることが求められるのです。
テクニックの引き出しを増やすことで、様々な状況で、最適な技術を選択することが可能になる。
これしかない!というのではなく、テクニックの引き出しを増やしたい。
そして、スライディングもテクニックの一つ。
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