2007年07月20日

4次元のパス

 フットボールの発達段階を、次のような表し方も出来るのかな?と考えました。
自分が認識している、味方と共有している世界
この世界は、プレーヤーの発達と共に少しずつ広がって行くのではないか?
レベルが高まるにつれて、徐々に広がる世界。
最初はボールを扱うことが精一杯。
もう少し発達すると、DFとの競り合いに追われて行く。
なかなか、余裕を持って状況を判断して行くことが出来ない。
ところが、フットボールをよく知っている人間ほど、簡単にプレーしているように見える。
戦術理解度が高く、遂行度も高いチーム。
彼らも同じく、当たり前のように簡単にプレーしている。
そんな感想を持ったことは一度や二度ではありませんよね。
それを、次のように表してみました。

・一次元(直線上の世界)
ボールを初めて触った。
フットボールを始めたばかり。
幼児。
もしくは、相手のプレッシャーが厳しく、周りが見えなくなってしまう。
ボールだけを見ている、ヘッドダウンの状態。
彼らは、足元にあるボールを前方に蹴飛ばそうとする。
ドリブルのようなことをしても、前や横だけなどの、一方方向にだけ進んでいく。
まさに、定規の上で、直線上でだけフットボールをしている。

・二次元(平面上の世界)
少しずつボールに馴染んできた。
色々な方向に自ら進んでいく。
さらには、試合の状況に合わせて方向を変えていく。
ただし、目の前にDFがいれば、ドリブルで抜くか、横・斜めへのパスをする。
平面の状態でしかまだ物を見えない、考えれない状態。
見えてる世界が狭く、味方のプレーヤーと、プレーのイメージを共有することがまだ少ない。

・三次元(立体的な空間としての世界)
ボール扱いが巧みになってきた。
平面だけでなく、高さ・奥行きといったものを駆使しながらフットボールをできるようになってきた。
前方を塞がれたとしても、浮球を使い、パスを通す。
もしくは、頭越しにDFを抜いていく。
グラウンダーでボールをつないで行ったとしても、DFの向こう側、ゴール前のスペースを認知している。
かなり見える世界が広がってきた状態。
時には、もう1人の自分が上空からピッチやフロアを見下ろしているかのような感覚が持てるかもしれない。
俯瞰図を持った状態。

・四次元(空間に加えて、時間の観念が加わる)
ボール扱いが巧みになり、キックの種類もかなり増えていている。
時間の先を見通す目も、養われてきている。
つまり、今はまだ無くても、数秒後には一瞬誰もいない空間(スペース)が生まれる。
これを予見することができる。
また逆に、今はフリーなように見えても、数秒後にはパスコースが無くなっている。
時間という新たな座標軸を持つことで、プレーの幅が広がる。
判断の誤りが少なくなる。
一番分かりやすい例が、ゴール前に通すスルーパス。
今はそこに誰もいなくても、数秒後にはフリーランニングで入り込んできてくれる。
それをお互いに信じて、走りこみ、パスを出す。
意識したことは無いのかもしれませんが、この瞬間は四次元でものを考えられているのです。

デットマール・クラマー氏の教え。
・周りを見ること。
・前もって考えること。
・ボールに寄ること。(パスを受ける時に)
・パスをしたら走ること。
この積み重ねをすることで、四次元のプレーがドンドン生まれてくる。
ゴール前へのラストパスに限らず、中盤でのつなぎのパスの時でも。
最終ラインからゲームを組み立てている時でも、四次元のプレーが生まれてくる。
もちろん、三次元のプレーは、当たり前のように繰り返される。
ただし、クラマー氏の教えを怠れば、一次元・二次元のプレーしか生まれない。
ボールを持っていないときに、仕事をしない。
周りを見ない、スペースに飛び込む走り込みをしない、プレーのイメージを持たない・・・。
そこで生まれるゲームは、退屈で平凡なプレーの積み重ね。

パスが面白いように繋がって行く試合。
足元への逃げのパスだけでないプレー。
前方のスペースへ、中盤にポッカリ出来たスペースへのパス。
パスや、ドリブルをするために時間を作る、タメのドリブル。
観るもののイメージすらも超えて生まれる、創造的なプレーの連続。
これらを言い換えれば、三次元・四次元のプレーが構成要素になっているのではないか。
どうでしょうか?
一度、こういう考えを持って、試合の観戦やプレーに臨んでみては!!
posted by プロコーチ at 16:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 戦術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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