チャンピオンズリーグもセミファイナル、各国リーグも終盤戦。
いよいよ、今シーズンも佳境を迎えています。
ヨーロッパのフットボールシーンを観ていて、気付かされることがたくさんあります。
華麗なパスワーク、最新の戦術、キラ星のようなスターたち。
ゴールシーンなどは、まねなど出来ないのではないか?!
ため息が出るようなプレーや、超人的な身体操作。
そのベースとなるのは、基礎の確かさです。
例えば、トップ・オブ・トップになると、50M級のロングパスが展開されている。
センターバックや、中盤の深い位置から、サイド目掛けて。
タッチラインいっぱいに開いたサイドプレーヤーにロングパス。
糸を引くようなきれいな回転で、ボールが飛んでいきます。
適当にボールを蹴り、ボールに行き先を聞くキックではありません。
ボールの弾道、ボールの回転も計算されたキック。
10M〜20Mのレベルに留まらない。
そして、そのボールを、当たり前のように、一発でボールコントロール。
勢いを吸収して、足元にボールを置き、次のプレーに入ります。
それが、胸の高さに来ても、ボールの勢いをスッと殺します。
ボールは、ほとんど胸で弾みません。
確かなコントロールで、相手DFがチャレンジする余地を与えないのです。
彼らは、あまりにも簡単にボールをコントロールしてしまいます。
観ていて、このプレーがハイレベルであることに気付かないかもしれない。
このコントロールは、そんなに簡単なものではない。
もちろん、40M・50Mのロングパスを、狙ったその場所へ蹴るのもです。
蹴るのも、止めるのも、かなりのハイレベルです。
ボールを「止める・蹴る」というのは、フットボールの基本中の基本。
でも、そこまで追求して高みを目指すことが出来ているのかどうか?
どれだけ周りが観えていても、どんなにいい決断を下しても。
ボールを止める、蹴るが出来ないのなら、そのイメージも絵に描いたモチに過ぎない。
そもそも、ボールが届かない50M先なら、選択肢にも入ってこないのではないか。
その逆の考え方もあります。
そこまでのボールを蹴れる選手がいるから、このプレーが生まれる。
長いボールでも止める技術があるから、そのキックを蹴ることが出来る。
高いレベルの技術が、豊富なアイデアを産む助けになっている。
相手DFを困らせるアイデアを実行する、高い基礎技術。
育成年代で、基礎技術を身につける重要性は、当たり前に認識されている。
では、子供の頃から、何を身に付けていくのか?
何をどの水準まで身につければいいのか?
リフティングに、向かい合って投げてもらったボールをリターン。
基礎技術は、これだけでは身に付かない。
世界のトップレベルは、試合でどのようなプレーを見せているのか。
どの程度のレベルのプレー水準を求められているのか。
そこから逆算して、本当に基礎となるものを磨いていかなければならない。
トップレベルでは、ボールを50M先まで、狙った場所に蹴り分けている。
そして、そのボールをワンタッチで、自分の得意な場所に置いている。
基礎中の基礎である、「止める蹴る」の重要性はいつの時代も変わらない。
目標は、ここまでのレベルに到達すること。
リフティングの回数を喜ぶだけでは、・・・。
その先にある、基礎技術の習得を目標にしたい。
2012年04月24日
2012年04月06日
生け贄の牛
FCバルセロナをどのチームが止めるのか?!
特にチャンピオンリーグでの、本気を出したバルサを止める術など無いのではないか。
ボールを散々回され、ボールを追いかけて疲れ果てる。
後ろに引いてスペースを消したつもりでも、こじ開けられる。
ドリブル、パス、シュート。
常にたくさんの選択肢を持ち続けるバルサ。
試合を観ていると、彼ら独自のルールに、無理やり合わさざるを得ない対戦相手。
バルサペースで試合が常に進んでいく。
結果は、試合の途中で見えてしまっている・・・。
チャンピオンズリーグ準々決勝、バルサ対ミランの2NDレグ。
結果だけを見ると、3−1で、バルサの完勝です。
内容を見ていくと、そこまでバルサの思い通りの展開ではなかったようです。
得点も2本もPKと、こぼれ球がラッキーにもイニエスタの前に転がってきたもの。
崩してゴールを奪ったわけではない。
それどころか、ミランの同点ゴール後の数分間は、バルサ敗退の危機すらあったのです。
そのポイントは、メッシが気持ちよくプレーを出来なかった。
ミランが、メッシのドリブルを止めるための必死の対応が見えました。
メッシのドリブルは、本当に素晴らしい。
まるで、ラグビー選手がボールを手に持って、自由に走っているかのようです。
あの、手に持ったような感覚で、スピード・方向を変化させる。
ボールをコントロールするだけでなく、自分の体も自由にコントロールできている。
その2つが高いレベルで揃っていることが、彼のドリブルの大きな武器ではないでしょうか。
そのメッシのドリブルをいかにして止めるのか?
もちろん、彼にボールを持たせずに、孤立させるのが最も有効な方法でしょう。
ただし、バルサのようにあれだけポゼッションしていれば、それも難しい。
仮にマンツーマンでメッシをマークしても、ボールを受けるのが上手いメッシ。
タイトなマークをものともせず、気がつけば、ボールを足元におさめてしまっている。
ふらふら歩く、止まってボーっとしている(本当にボーっとしているわけではないですが・・)
逆にフェイクを入れて相手から離れる。
様々な工夫を凝らして、メッシはボールを受けているのです。
パスだけでなく、メッシのドリブル、ドリブルからの決定的なプレー。
それがあるからこそ、バルサの強さが群を抜いているのです。
ミランは、メッシのドリブルを止めるために、細心の注意を払っていました。
特に、ミランが取った方法で特徴的なものは、生け贄の牛を捧げることです。
メッシと正対したDFが、距離を詰めて、奪おうとします。
正面からスライディングタックルを仕掛けることもありました。
深く、体を触れるくらい近くまで、距離を詰めていきます。
その最初の仕掛けで奪えることもありましたが、それは本来の意図ではありません。
メッシは高い確率で、最初のDFの仕掛けを外します。
ただし、イタリアの守備職人たちの仕掛けは、深く、強烈です。
メッシと言えども、抜く瞬間に、足からボールが離れてしまう。
しかも、ミランの守備陣の用意は周到です。
自分たちのカバーリングが分厚い方向に、メッシのドリブルを誘導します。
たとえば、左側から強く寄せます。
するとメッシは相手の動きを見えているので、その逆の右側に抜いてきます。
ところがこれは、ミラン守備陣の罠なのです。
右側のカバーリングが分厚いから、あえてそちら側に抜かれたのです。
ドリブルが大きくなった瞬間、カバーリングの選手がボールを奪うチャンスが出てきます。
ボールを奪えないまでも、メッシのプレーの方向を限定することは成功しています。
最初のDFは、ボールを奪うことよりも、ボールを足元から離させるのが目的。
そのために、深く、厳しく、メッシの体に寄せていきます。
ブラジルでは、アマゾン川があります。
ピラニアが多数生息していて、毎年多くの牛が、食べられてしまっている。
牛を連れて、アマゾンを渡ろうとすると、ピラニアに襲われて全滅してしまう。
そこで、牛を一頭だけ、川に入れると、ピラニアがそこに集中する。
その隙を逃さず、他の牛を連れて川を渡らせるのです。
一頭は、まるで生け贄のように犠牲になってしまうのですが、集団は助かる。
強力なドリブラーに対処する方法として、一頭の牛を犠牲にする。
今回のミランが行ったようにです。
ブラジルなどの南米諸国では、よく取られる方法である。
以前テレビで、アデマール・マリーニョさんが紹介していました。
粘り強く相手のドリブルに応対する。
簡単に相手に向かって飛び込んでいかない。
これが、守備の鉄則の一つです。
ところが、どれだけ粘り強く応対しようとしても、その上を行くドリブラーがいる。
それでも、「足を出すな!」「もっと粘り強く!」と求め続けるのか。
生け贄の牛を差し出す方法を知っていれば、止めれる局面もあるでしょう。
もちろん基本は大切ですが、フットボールの世界には様々な応用もあるのです。
特にチャンピオンリーグでの、本気を出したバルサを止める術など無いのではないか。
ボールを散々回され、ボールを追いかけて疲れ果てる。
後ろに引いてスペースを消したつもりでも、こじ開けられる。
ドリブル、パス、シュート。
常にたくさんの選択肢を持ち続けるバルサ。
試合を観ていると、彼ら独自のルールに、無理やり合わさざるを得ない対戦相手。
バルサペースで試合が常に進んでいく。
結果は、試合の途中で見えてしまっている・・・。
チャンピオンズリーグ準々決勝、バルサ対ミランの2NDレグ。
結果だけを見ると、3−1で、バルサの完勝です。
内容を見ていくと、そこまでバルサの思い通りの展開ではなかったようです。
得点も2本もPKと、こぼれ球がラッキーにもイニエスタの前に転がってきたもの。
崩してゴールを奪ったわけではない。
それどころか、ミランの同点ゴール後の数分間は、バルサ敗退の危機すらあったのです。
そのポイントは、メッシが気持ちよくプレーを出来なかった。
ミランが、メッシのドリブルを止めるための必死の対応が見えました。
メッシのドリブルは、本当に素晴らしい。
まるで、ラグビー選手がボールを手に持って、自由に走っているかのようです。
あの、手に持ったような感覚で、スピード・方向を変化させる。
ボールをコントロールするだけでなく、自分の体も自由にコントロールできている。
その2つが高いレベルで揃っていることが、彼のドリブルの大きな武器ではないでしょうか。
そのメッシのドリブルをいかにして止めるのか?
もちろん、彼にボールを持たせずに、孤立させるのが最も有効な方法でしょう。
ただし、バルサのようにあれだけポゼッションしていれば、それも難しい。
仮にマンツーマンでメッシをマークしても、ボールを受けるのが上手いメッシ。
タイトなマークをものともせず、気がつけば、ボールを足元におさめてしまっている。
ふらふら歩く、止まってボーっとしている(本当にボーっとしているわけではないですが・・)
逆にフェイクを入れて相手から離れる。
様々な工夫を凝らして、メッシはボールを受けているのです。
パスだけでなく、メッシのドリブル、ドリブルからの決定的なプレー。
それがあるからこそ、バルサの強さが群を抜いているのです。
ミランは、メッシのドリブルを止めるために、細心の注意を払っていました。
特に、ミランが取った方法で特徴的なものは、生け贄の牛を捧げることです。
メッシと正対したDFが、距離を詰めて、奪おうとします。
正面からスライディングタックルを仕掛けることもありました。
深く、体を触れるくらい近くまで、距離を詰めていきます。
その最初の仕掛けで奪えることもありましたが、それは本来の意図ではありません。
メッシは高い確率で、最初のDFの仕掛けを外します。
ただし、イタリアの守備職人たちの仕掛けは、深く、強烈です。
メッシと言えども、抜く瞬間に、足からボールが離れてしまう。
しかも、ミランの守備陣の用意は周到です。
自分たちのカバーリングが分厚い方向に、メッシのドリブルを誘導します。
たとえば、左側から強く寄せます。
するとメッシは相手の動きを見えているので、その逆の右側に抜いてきます。
ところがこれは、ミラン守備陣の罠なのです。
右側のカバーリングが分厚いから、あえてそちら側に抜かれたのです。
ドリブルが大きくなった瞬間、カバーリングの選手がボールを奪うチャンスが出てきます。
ボールを奪えないまでも、メッシのプレーの方向を限定することは成功しています。
最初のDFは、ボールを奪うことよりも、ボールを足元から離させるのが目的。
そのために、深く、厳しく、メッシの体に寄せていきます。
ブラジルでは、アマゾン川があります。
ピラニアが多数生息していて、毎年多くの牛が、食べられてしまっている。
牛を連れて、アマゾンを渡ろうとすると、ピラニアに襲われて全滅してしまう。
そこで、牛を一頭だけ、川に入れると、ピラニアがそこに集中する。
その隙を逃さず、他の牛を連れて川を渡らせるのです。
一頭は、まるで生け贄のように犠牲になってしまうのですが、集団は助かる。
強力なドリブラーに対処する方法として、一頭の牛を犠牲にする。
今回のミランが行ったようにです。
ブラジルなどの南米諸国では、よく取られる方法である。
以前テレビで、アデマール・マリーニョさんが紹介していました。
粘り強く相手のドリブルに応対する。
簡単に相手に向かって飛び込んでいかない。
これが、守備の鉄則の一つです。
ところが、どれだけ粘り強く応対しようとしても、その上を行くドリブラーがいる。
それでも、「足を出すな!」「もっと粘り強く!」と求め続けるのか。
生け贄の牛を差し出す方法を知っていれば、止めれる局面もあるでしょう。
もちろん基本は大切ですが、フットボールの世界には様々な応用もあるのです。
2012年03月23日
右足、左足
「右、右」
「左に!」
試合中に、そのように声を出して、プレーするチームがありました。
多くの選手が、「右」「左」と、盛んに声を出しているのです。
最初、私は、意味が分かりませんでした。
時間が経つにつれて、攻撃中に限って、その声が出されていること。
そして、ボールを持っていない選手が出していることにも気付きました。
攻撃中に発せられる、その声。
ポジショニングを修正しあう声なのか?
それとも、何かを指示しているのか?
いずれも、違っているようでした。
さらに試合時間が経過した時に、気付きました。
ボールを受けに来た選手が、その瞬間に「右!」「左!」と声を出しています。
すると、こんなシーンがありました。
「右、右。」
その声を出していた選手にパスが出ました。
ボールを受けた選手は、左足のワンタッチでパスを返した瞬間、大きな声を。
「違う!!、右だよ」
その瞬間、声の正体がやっと分かりました。
どちらの足にパスを出して欲しいのか?
自分がボールを欲しい側の足を、「右」と声で示していたのです。
10何年前になりますが、衝撃的な印象を受けたのを、未だに覚えています。
出し手、受け手、チーム全体から、技術にこだわる意識の高さが伝わってきたからです。
どちらの足に、パスを出すのか?
特に、足元で受けようとする選手の、どこにパスを出すのか?
何となく、あの辺りにパスを出して、満足しているなら、、、。
もし、マークする相手DFとの距離が近いなら、DFから遠い側の足に。
味方の右足側からマークをしているなら、左足ドンピシャにパスを出す。
逆に、マークが緩く、ゴールに向かってターン出来る。
それなら、DFに近い側でも構わない。
ターンをしやすい足に、パスを付けてあげる。
このことに、お互いが気を遣い合うだけで、組み立ては変わってくるはずです。
大きくマークを外さなくても、ボールを受けることができる。
体半分、相手からズラすことが出来るだけで、ボールを受けれるからです。
そのためには、味方のボールを蹴る技術が求められます。
遠い側の足ドンピシャに付けれれば、マークがタイトな味方にもパスが出せる。
相手のプレッシャー、忠実なマークを無効にする技術。
常にこれが出来れば、相手DFを振り回すことが可能になるでしょう。
味方には、それがメッセージになって伝わるはずです。
DFから遠い側にパスをくれたなら、簡単には前を向けない。
DF側にあえてパスが来たなら、前を向けと言っているのかもしれない。
パスに情報(インフォメーション)を乗せて、味方に届ける。
逆に、マークがタイトな味方の、DF側の足にパスを出してしまう。
数秒後、味方が苦しむ事は、容易に想像されます。
このパスが味方を助けるのか、味方を苦しめてしまうのか。
「右足(左足)に!…DFから遠い側の足に」
そして、そのパスを、何M先に出すことが出来るのか?
また、相手DFのプレッシャーがある中で、そのキックが蹴れるのか?
さらには、味方がボールを欲しい!その瞬間を逃さず、パスを出せるのか?
技術を追求するなら、こういった部分を忘れてほしくない。
足先でボールを動かす、曲芸のようなリフティングは楽しい。
しかしながら、我々が欲しいのはサーカス団が見せる曲芸ではない。
必要なのは、地味かもしれないが、試合で生きる本当の技術。
その足ドンピシャにボールを付ける、そのキック。
「左に!」
試合中に、そのように声を出して、プレーするチームがありました。
多くの選手が、「右」「左」と、盛んに声を出しているのです。
最初、私は、意味が分かりませんでした。
時間が経つにつれて、攻撃中に限って、その声が出されていること。
そして、ボールを持っていない選手が出していることにも気付きました。
攻撃中に発せられる、その声。
ポジショニングを修正しあう声なのか?
それとも、何かを指示しているのか?
いずれも、違っているようでした。
さらに試合時間が経過した時に、気付きました。
ボールを受けに来た選手が、その瞬間に「右!」「左!」と声を出しています。
すると、こんなシーンがありました。
「右、右。」
その声を出していた選手にパスが出ました。
ボールを受けた選手は、左足のワンタッチでパスを返した瞬間、大きな声を。
「違う!!、右だよ」
その瞬間、声の正体がやっと分かりました。
どちらの足にパスを出して欲しいのか?
自分がボールを欲しい側の足を、「右」と声で示していたのです。
10何年前になりますが、衝撃的な印象を受けたのを、未だに覚えています。
出し手、受け手、チーム全体から、技術にこだわる意識の高さが伝わってきたからです。
どちらの足に、パスを出すのか?
特に、足元で受けようとする選手の、どこにパスを出すのか?
何となく、あの辺りにパスを出して、満足しているなら、、、。
もし、マークする相手DFとの距離が近いなら、DFから遠い側の足に。
味方の右足側からマークをしているなら、左足ドンピシャにパスを出す。
逆に、マークが緩く、ゴールに向かってターン出来る。
それなら、DFに近い側でも構わない。
ターンをしやすい足に、パスを付けてあげる。
このことに、お互いが気を遣い合うだけで、組み立ては変わってくるはずです。
大きくマークを外さなくても、ボールを受けることができる。
体半分、相手からズラすことが出来るだけで、ボールを受けれるからです。
そのためには、味方のボールを蹴る技術が求められます。
遠い側の足ドンピシャに付けれれば、マークがタイトな味方にもパスが出せる。
相手のプレッシャー、忠実なマークを無効にする技術。
常にこれが出来れば、相手DFを振り回すことが可能になるでしょう。
味方には、それがメッセージになって伝わるはずです。
DFから遠い側にパスをくれたなら、簡単には前を向けない。
DF側にあえてパスが来たなら、前を向けと言っているのかもしれない。
パスに情報(インフォメーション)を乗せて、味方に届ける。
逆に、マークがタイトな味方の、DF側の足にパスを出してしまう。
数秒後、味方が苦しむ事は、容易に想像されます。
このパスが味方を助けるのか、味方を苦しめてしまうのか。
「右足(左足)に!…DFから遠い側の足に」
そして、そのパスを、何M先に出すことが出来るのか?
また、相手DFのプレッシャーがある中で、そのキックが蹴れるのか?
さらには、味方がボールを欲しい!その瞬間を逃さず、パスを出せるのか?
技術を追求するなら、こういった部分を忘れてほしくない。
足先でボールを動かす、曲芸のようなリフティングは楽しい。
しかしながら、我々が欲しいのはサーカス団が見せる曲芸ではない。
必要なのは、地味かもしれないが、試合で生きる本当の技術。
その足ドンピシャにボールを付ける、そのキック。
2012年03月02日
ステップワーク・・・守備
こんなステップを踏んでしまうのか。。
育成年代で、身に付けておくべきステップワークが身に付いていない。
代表レベルの試合を観ていて、驚くほどのミスを目にしてしまいました。
ポルトガルで戦う、なでしこジャパンの試合です。
アルガルベカップ初戦、ノルウェー戦でのことです。
前半17分、9番ヘルロフセンが、ペナルティエリア左手前で縦パスを受けた。
右足のドリブルで、カットインしてDF熊谷を外す。
右足のインステップを振りぬき、ミドルシュート。
ファーのサイドネットに、見事に突き刺されてしまいました・・・。
一連のプレーは、素晴らしいもので、思わず見とれてしまうほど。
このプレーに応対していたのは、レギュラーのCBであろう熊谷選手。
彼女が1対1で正対していたのですが、完璧にぶっちぎられてしまう。
抜き去られたわけではない。
しかし、シュートコースが完全に広がってしまった。
なぜか?!
熊谷選手は、相手を外に追いやろうと応対していました。
中から外に、相手を追いやる、そういう体の向きで構えます。
ところが、相手ヘルロフセンは、その逆を取りました。
外から、中にカットイン!
この時、熊谷選手は、体の向きを外向きから、内向きに替えれば良かった。
相手のドリブルのコースに応対して、体の向きを替える。
ただ、それだけです。
それなのに、熊谷選手は、ステップを踏み間違えてしまいました。
体の向きを替えずに、ボールに背を向けて、ターンしてしまいました。
結果、大回りしながら、中に走っていってしまったのです。
そのまま、懸命にボールに追いすがりますが、間に合いません。
ここでの原則は、もちろん、ボールに背を向けてはならない。
へそ・胸を相手に向けたまま、体の向きを替えて応対する。
この基本どおりのステップを踏めば、どうだったか?
おそらく、ボールにチャレンジするチャンスは、残っていたはずです。
しかも、スライディングでブロックをすることなく。
最終ラインの選手だったら、最後の最後まで、ボールに喰らいついて欲しい。
シュートコースを少しでも制限しておけば、何かがあったかもしれない。
ヘルロフセンがプレッシャーを感じてミスをしたかもしれない。
GK海堀が、限定してくれたコースに、いち早く反応していたかもしれない。
ただ、並走して終わらせるのではなく。
この部分も含めて、残念なシーンでした。
日本女子代表なでしこは、集団の力を最大限に高める取り組みをしてきました。
この努力が実って、ワールドカップを制し、世界一に登りつめました。
また、それと同時に、個の能力を高める取り組みもしてきたはずです。
まだまだ、改善の余地があるようです。
このDFのステップは、小中学生の間に、身につけておきたいものでしょう。
代表のレギュラーのCBなら、身に付けておいて当然のステップでした。
付け加えておきたいことがあります。
それは、テレビの実況・解説、その後の報道でも一切取り上げられていない。
私の調べた限りではありますが。
あのステップをミスとして発信することの重要性。
テレビを観ていても、記事を読んでいても、あれがミスであることを気付かない。
もしかすると、そちらが大多数なのでしょうか?!
試合に負けるより、こちらの方が恐ろしいことかもしれません。
2012年01月27日
ボールを浮かせるために
なぜボールは丸いのか?
その答えの一つとして、地面で転がりやすい形に作っているから。
というものがあります。
ボールを地面で扱う。
コントロールにストレスが少なければ、コントロールにかかる時間も短くなる。
グラウンダーのパス、いち早く地面にボールをおさめる、こだわり。
ボールが浮いていると、難度が増してしまう。
それなら、地面で扱いやすいボールは、地面で扱ったほうがいいはず。
例外も、もちろんあります。
浮かした方がメリットが大きいなら、浮かした方が良いときもあるでしょう。
浮かさなければ、パスが通らない。
浮かさなければ、相手の足を外せない。
必要あれば、ボールを浮かす。
ゴールを決めるために、パスを通すために、相手を抜くために。
どうすればボールは浮くのか?
ボールの下から、上に力を加えれば、簡単にボールは浮きます。
これは、小学生でも知っている。
ボールの下(ボールと地面との間)に足を差し込むように蹴る、チップキック。
下から上にすくうようにして、ボールを浮かせる。
いずれも、ボールの下から、上に向けて力を加えています。
土や床よりも、芝の方がやりやすいですよね。
一昨日、クラブワールドカップの決勝戦をビデオ鑑賞しました。
スタジアムで観ていたのとは、見える部分が変わってきますね。
バルセロナの4点目のゴール。
メッシが、ダニエウアウベスのパスを受け、トラップで抜け出し、GKと1対1になる。
飛び出してきたGKを、左足のアウトでメッシが抜いて、無人のゴールにシュート。
GKとの間合いが少し近すぎて、引っかかりそうに。
ギリギリのところで、相手をとっさに外した。
相手の足が近かったので、ジャンプでヒラりとかわした姿は、よく観るメッシの姿。
彼らしい、技術とスピードをミックスさせ、相手を良く観たプレー、だと思っていました。
映像で観るとすぐ分かるのですが、もっとすごかった。
ボールタッチが少し大きくなってしまった。
GKがタイミングよく飛び出してきた。
その二つが重なり、間合いが近すぎたのは、その通り。
ただ、抜き方が違った。
ボールを浮かして、相手の足を外していたのです。
そこで、相手を浮かして抜く発想は、さすが面白いですね。
しかもメッシは、ただボールを浮かしたのではなかった。
シャベルのようにボールをすくうのではありません。
ボールの下に足を入れ、チップキックしているのでもありません。
上から下にボールを叩いて、その反動でボールを浮かしていたのです。
あまりに近かったため、足を下にいれ力を加える余裕が無かったのではないか。
走りながら、足を伸ばして、触ることしか出来ない。
そこで、上から叩いて、浮かせるプレーを選択したのでしょう。
この発想、プレーは、教わって出来たものではないはずです。
遊びや、ボールにたくさん触れる中で、感覚として身に付いたものではないか。
この動画の1分20秒あたりから始まる、バルセロナの4点目です。
アウトを使って、上から叩いてボールを浮かしているのが確認できるはずです。
ボール大好き少年が、そのまま世界一の選手として、活躍している。
世界中の、ボール大好き少年の憧れの的である、メッシ選手。
彼のような選手が、守備も頑張るし、面白い発想も見せてくれる。
味方のために、パスも出し、サポートの動きもする。
今の子供たちは、メッシ選手という存在がいて、本当に幸せですね。
その答えの一つとして、地面で転がりやすい形に作っているから。
というものがあります。
ボールを地面で扱う。
コントロールにストレスが少なければ、コントロールにかかる時間も短くなる。
グラウンダーのパス、いち早く地面にボールをおさめる、こだわり。
ボールが浮いていると、難度が増してしまう。
それなら、地面で扱いやすいボールは、地面で扱ったほうがいいはず。
例外も、もちろんあります。
浮かした方がメリットが大きいなら、浮かした方が良いときもあるでしょう。
浮かさなければ、パスが通らない。
浮かさなければ、相手の足を外せない。
必要あれば、ボールを浮かす。
ゴールを決めるために、パスを通すために、相手を抜くために。
どうすればボールは浮くのか?
ボールの下から、上に力を加えれば、簡単にボールは浮きます。
これは、小学生でも知っている。
ボールの下(ボールと地面との間)に足を差し込むように蹴る、チップキック。
下から上にすくうようにして、ボールを浮かせる。
いずれも、ボールの下から、上に向けて力を加えています。
土や床よりも、芝の方がやりやすいですよね。
一昨日、クラブワールドカップの決勝戦をビデオ鑑賞しました。
スタジアムで観ていたのとは、見える部分が変わってきますね。
バルセロナの4点目のゴール。
メッシが、ダニエウアウベスのパスを受け、トラップで抜け出し、GKと1対1になる。
飛び出してきたGKを、左足のアウトでメッシが抜いて、無人のゴールにシュート。
GKとの間合いが少し近すぎて、引っかかりそうに。
ギリギリのところで、相手をとっさに外した。
相手の足が近かったので、ジャンプでヒラりとかわした姿は、よく観るメッシの姿。
彼らしい、技術とスピードをミックスさせ、相手を良く観たプレー、だと思っていました。
映像で観るとすぐ分かるのですが、もっとすごかった。
ボールタッチが少し大きくなってしまった。
GKがタイミングよく飛び出してきた。
その二つが重なり、間合いが近すぎたのは、その通り。
ただ、抜き方が違った。
ボールを浮かして、相手の足を外していたのです。
そこで、相手を浮かして抜く発想は、さすが面白いですね。
しかもメッシは、ただボールを浮かしたのではなかった。
シャベルのようにボールをすくうのではありません。
ボールの下に足を入れ、チップキックしているのでもありません。
上から下にボールを叩いて、その反動でボールを浮かしていたのです。
あまりに近かったため、足を下にいれ力を加える余裕が無かったのではないか。
走りながら、足を伸ばして、触ることしか出来ない。
そこで、上から叩いて、浮かせるプレーを選択したのでしょう。
この発想、プレーは、教わって出来たものではないはずです。
遊びや、ボールにたくさん触れる中で、感覚として身に付いたものではないか。
この動画の1分20秒あたりから始まる、バルセロナの4点目です。
アウトを使って、上から叩いてボールを浮かしているのが確認できるはずです。
ボール大好き少年が、そのまま世界一の選手として、活躍している。
世界中の、ボール大好き少年の憧れの的である、メッシ選手。
彼のような選手が、守備も頑張るし、面白い発想も見せてくれる。
味方のために、パスも出し、サポートの動きもする。
今の子供たちは、メッシ選手という存在がいて、本当に幸せですね。
2011年11月25日
シュートの決定力を高める
右利きの選手が、右足で自分の右側にシュートを打ちたい。
その局面での、シュートの決定率を高める方法があります。
それは、相手GKに、ボールを蹴る方向を分からせないことです。
逆の言い方をすれば、ボールをどちらに蹴るかを、GKに最後まで隠すのです。
言ってしまえば、ごくごく当たり前のことなのですが。
ここに気を配れていない選手も、少なくありません。
自ら、シュートを打つ方向をGKに教えてしまっている選手が、多くいるのです。
インステップ、もしくはインサイドで、シュートを打つことが多いでしょう。
この時、相手のゴールに向かって、右側にシュートを打つ。
自分でやってみればすぐ分かるのですが、窮屈な体勢になりやすいのです。
【 】
GK
右側にシュートを
↑
●
自分
このような局面を思い浮かべてください。
この時、キックの動作に入ると、骨盤がボールを蹴ろうとする方向に開いてしまう。
ゴールの正面に体を向けて、ボールにアプローチしていきます。
ところがある瞬間に、おへそが、体の向きが、ボールを蹴る方向に向いてしまう。
助走から、股関節を外に開き、キックの動作に入ります。
その動きにつられるように、上半身も外に開いていきます。
これは、ボールを置く位置(運んでいる場所)が、体の中央に寄っている程、起こりやすい。
窮屈な体勢から逃がすことで、スムーズに蹴ろうとしているのです。
そう、シュートの飛んで行く方向を、自らの体の向きで、GKに教えてしまっているのです。
ボールの飛ぶコースが分かっていれば、どんなにいいシュートでもセーブされやすい。
蹴る前から相手に教えてしまっていれば、シュートの決定率は落ちてしまう。
最後まで、4隅のどこにボールを蹴るか分からなくすること!
それが、シュートの決定率を高めるためには、欠かせない要因です。
このことを知って、逆手にとる選手がいました。
現在イングランドのマンチェスターシティで活躍している、セルヒオ・アグエロです。
体は小さいのですが、高い技術を活かし、ゴールを量産しています。
この映像、マンチェスターシティの3点目となる、PKに注目しました。
1分15秒あたりから見てみてください。
モノクロに加工されているので少し分かりにくいのですが、体の向きに工夫が見られます。
アグエロは、最初から、極端に自分の右側に体を向けて、ボールに侵入しているのです。
そのまま極端に右を向いたまま、右側にシュート。
最初から、右側を向いているので、キックの寸前でも、体の向きは変わっていません。
アグエロが、このことを知っているかどうかは、分かりません。
おそらく、経験上、GKとの駆け引きで、自然にしているだけかもしれません。
まんまとGKをだますことに成功したアグエロ。
見事にゴールを決めました。
何気ないゴールですが、技術の高さ、相手のとの駆け引きを制する狡猾さを見せつけたのです。
ちなみに付け加えると、自分から見て左に蹴る時は、体は開いて行きません。
【 】
GK
左側にシュートを
↑
●
自分
窮屈な体勢ではないので、体の向きに変化は見られないのです。
つまり、何も工夫をしていない選手だと、上半身やおへその向きを見ればシュートの方向が…。
シュートの瞬間の体の向き。
ボールの置き場所や、少しの工夫で、相手を上回ることが可能になります。
GKにシュートを打つ方向を教えてしまってはいないか?
ゴール前で冷静になれ!と言うだけは簡単です。
武器を持たずに、冷静にはなれない。
最後まで、4隅のどこにでも打つことが出来、なおかつ意図を相手にも分からせない。
この武器を持てば、シュートの決定力は必ず高まります。
その局面での、シュートの決定率を高める方法があります。
それは、相手GKに、ボールを蹴る方向を分からせないことです。
逆の言い方をすれば、ボールをどちらに蹴るかを、GKに最後まで隠すのです。
言ってしまえば、ごくごく当たり前のことなのですが。
ここに気を配れていない選手も、少なくありません。
自ら、シュートを打つ方向をGKに教えてしまっている選手が、多くいるのです。
インステップ、もしくはインサイドで、シュートを打つことが多いでしょう。
この時、相手のゴールに向かって、右側にシュートを打つ。
自分でやってみればすぐ分かるのですが、窮屈な体勢になりやすいのです。
【 】
GK
右側にシュートを
↑
●
自分
このような局面を思い浮かべてください。
この時、キックの動作に入ると、骨盤がボールを蹴ろうとする方向に開いてしまう。
ゴールの正面に体を向けて、ボールにアプローチしていきます。
ところがある瞬間に、おへそが、体の向きが、ボールを蹴る方向に向いてしまう。
助走から、股関節を外に開き、キックの動作に入ります。
その動きにつられるように、上半身も外に開いていきます。
これは、ボールを置く位置(運んでいる場所)が、体の中央に寄っている程、起こりやすい。
窮屈な体勢から逃がすことで、スムーズに蹴ろうとしているのです。
そう、シュートの飛んで行く方向を、自らの体の向きで、GKに教えてしまっているのです。
ボールの飛ぶコースが分かっていれば、どんなにいいシュートでもセーブされやすい。
蹴る前から相手に教えてしまっていれば、シュートの決定率は落ちてしまう。
最後まで、4隅のどこにボールを蹴るか分からなくすること!
それが、シュートの決定率を高めるためには、欠かせない要因です。
このことを知って、逆手にとる選手がいました。
現在イングランドのマンチェスターシティで活躍している、セルヒオ・アグエロです。
体は小さいのですが、高い技術を活かし、ゴールを量産しています。
この映像、マンチェスターシティの3点目となる、PKに注目しました。
1分15秒あたりから見てみてください。
モノクロに加工されているので少し分かりにくいのですが、体の向きに工夫が見られます。
アグエロは、最初から、極端に自分の右側に体を向けて、ボールに侵入しているのです。
そのまま極端に右を向いたまま、右側にシュート。
最初から、右側を向いているので、キックの寸前でも、体の向きは変わっていません。
アグエロが、このことを知っているかどうかは、分かりません。
おそらく、経験上、GKとの駆け引きで、自然にしているだけかもしれません。
まんまとGKをだますことに成功したアグエロ。
見事にゴールを決めました。
何気ないゴールですが、技術の高さ、相手のとの駆け引きを制する狡猾さを見せつけたのです。
ちなみに付け加えると、自分から見て左に蹴る時は、体は開いて行きません。
【 】
GK
左側にシュートを
↑
●
自分
窮屈な体勢ではないので、体の向きに変化は見られないのです。
つまり、何も工夫をしていない選手だと、上半身やおへその向きを見ればシュートの方向が…。
シュートの瞬間の体の向き。
ボールの置き場所や、少しの工夫で、相手を上回ることが可能になります。
GKにシュートを打つ方向を教えてしまってはいないか?
ゴール前で冷静になれ!と言うだけは簡単です。
武器を持たずに、冷静にはなれない。
最後まで、4隅のどこにでも打つことが出来、なおかつ意図を相手にも分からせない。
この武器を持てば、シュートの決定力は必ず高まります。
2011年09月27日
難易度の高いキック…インステップキック
フットボールにおいて、基本となるキックの1つである、インステップキック。
技術を紹介する本でも、キックの最初、もしくは2番目あたりで紹介されています。
フォームの概略については書かれています。
では実際にどうすれば、その動きが出来るようになるのか?
これを詳細にわたって記載している本は、少数派ではないでしょうか。
蹴れる人にとっては、その説明で分かるのかもしれません。
実際私も、インステップキックを蹴れるようになるまで、相当苦労したのを憶えています。
インステップキックは、素直に、体の力をボールに伝えることが出来るキックです。
窮屈なインサイドなどに比べると、スムーズに体をうごかせるはず。
太ももや、全身の大きな力を、ロス無くボールに伝えれれば、強い弾道が生まれます。
ロングシュート、ロングパス、グラウンダーでのミドルパスなどにも有効でしょう。
ただしそれは、ロス無く力を伝える、という前提条件が入ります。
インステップキックを蹴るためには、大切なポイントが幾つもあります。
キックの指導を繰り返すうちに、私自身も、大切なことに気づかされます。
これも、大切、あれも大切。
そして、体の構造や、頭の中身が、人によって大きく異なります。
あの選手には、この伝え方がはまった。
でも、同じ伝え方をしても、それでは要領を得ない・・。
そして、インステップを蹴れない理由・ポイントが選手一人一人によって異なる。
常に同じ伝え方をするのでは、選手のキックは変わらない。
コーチである私が、フォルダ内にたくさんのファイルを用意する必要があります。
1つの伝え方を押し付けている場合ではないのです。
1人1人をよく観察し、どの方法が、どの選手に当てはまるのか?
ピッタリ当てはまる処方箋を差し出さればいいのですが。
先日の3連休、合宿を開催しました。
そこで、インステップキックにも取り組みました。
私も、新しい工夫をフォルダに入れて、合宿に臨んだのです。
今回取り組んだのは、インステップの中心と、ボールの中心とを合わせる作業です。
腕の使い方や、軸足を中心とした体のバランス、全身のリズム、体重移動、ひざ下の振り。
この辺りのことは、軽く個別に触れる程度に止めました。
とにかく、インステップでボールをミートさせることが出来ない。
ボールが飛ばない、不要な回転が掛かるという現象が起きています。
そのために何が必要なのか?何が出来ていないのか?
その原因は何なのか?
これを突き詰めて考えて行きました。
ポイントは、
・インステップの面を、作ること
(キックの途中で失ってしまう)
・インステップの中心とボールを合わせること
(地面が怖くて、深いところ・足首に近いところで合わせれず、浅い当たりに)
(片足で立てず、蹴り足も立ててしまい、これまた浅い当たりに)
それぞれを身につけるために、幾つものドリルに取り組みました。
・インステップを固定し続けるための足の使い方
・インステップを当てるために、親指の外の横側を地面に付けること
・蹴り足の角度を作るために、軸足の体重のかけ方を変える。
・蹴り足をスムーズに振るために、体のアーチを作ること
・地面を蹴る恐怖感を無くすための方法
たった、2回のセッションでしたが、手ごたえを掴んだ選手もいました。
特に、以前からキックのトレーニングに取り組んでいる選手ほど、飲み込みは速かったようです。
おそらく、手の使い方や、リズムが身に付きつつあるからでしょう。
今まで、インステップに当たっていなかった選手が、何人も当たりだした。
これらのドリルに、私自身が、改めて確証が持てた瞬間でもありました。
やはり、蹴り足を改善するだけでは、キックは上達しない。
全身の体の使い方が欠かせない。
ただ、インステップが蹴れなくて困ってる選手に、差し出せるファイルは増えました。
修正しながら、キックのトレーニングを繰り返し、繰り返し行う。
そして、悪い現象が出たら、また修正して、トレーニング。
キックの習得には、最初も、最後も、これしかありません。
私の中で武器が増えたのは、私にとっても大きな成果でした。
技術を紹介する本でも、キックの最初、もしくは2番目あたりで紹介されています。
フォームの概略については書かれています。
では実際にどうすれば、その動きが出来るようになるのか?
これを詳細にわたって記載している本は、少数派ではないでしょうか。
蹴れる人にとっては、その説明で分かるのかもしれません。
実際私も、インステップキックを蹴れるようになるまで、相当苦労したのを憶えています。
インステップキックは、素直に、体の力をボールに伝えることが出来るキックです。
窮屈なインサイドなどに比べると、スムーズに体をうごかせるはず。
太ももや、全身の大きな力を、ロス無くボールに伝えれれば、強い弾道が生まれます。
ロングシュート、ロングパス、グラウンダーでのミドルパスなどにも有効でしょう。
ただしそれは、ロス無く力を伝える、という前提条件が入ります。
インステップキックを蹴るためには、大切なポイントが幾つもあります。
キックの指導を繰り返すうちに、私自身も、大切なことに気づかされます。
これも、大切、あれも大切。
そして、体の構造や、頭の中身が、人によって大きく異なります。
あの選手には、この伝え方がはまった。
でも、同じ伝え方をしても、それでは要領を得ない・・。
そして、インステップを蹴れない理由・ポイントが選手一人一人によって異なる。
常に同じ伝え方をするのでは、選手のキックは変わらない。
コーチである私が、フォルダ内にたくさんのファイルを用意する必要があります。
1つの伝え方を押し付けている場合ではないのです。
1人1人をよく観察し、どの方法が、どの選手に当てはまるのか?
ピッタリ当てはまる処方箋を差し出さればいいのですが。
先日の3連休、合宿を開催しました。
そこで、インステップキックにも取り組みました。
私も、新しい工夫をフォルダに入れて、合宿に臨んだのです。
今回取り組んだのは、インステップの中心と、ボールの中心とを合わせる作業です。
腕の使い方や、軸足を中心とした体のバランス、全身のリズム、体重移動、ひざ下の振り。
この辺りのことは、軽く個別に触れる程度に止めました。
とにかく、インステップでボールをミートさせることが出来ない。
ボールが飛ばない、不要な回転が掛かるという現象が起きています。
そのために何が必要なのか?何が出来ていないのか?
その原因は何なのか?
これを突き詰めて考えて行きました。
ポイントは、
・インステップの面を、作ること
(キックの途中で失ってしまう)
・インステップの中心とボールを合わせること
(地面が怖くて、深いところ・足首に近いところで合わせれず、浅い当たりに)
(片足で立てず、蹴り足も立ててしまい、これまた浅い当たりに)
それぞれを身につけるために、幾つものドリルに取り組みました。
・インステップを固定し続けるための足の使い方
・インステップを当てるために、親指の外の横側を地面に付けること
・蹴り足の角度を作るために、軸足の体重のかけ方を変える。
・蹴り足をスムーズに振るために、体のアーチを作ること
・地面を蹴る恐怖感を無くすための方法
たった、2回のセッションでしたが、手ごたえを掴んだ選手もいました。
特に、以前からキックのトレーニングに取り組んでいる選手ほど、飲み込みは速かったようです。
おそらく、手の使い方や、リズムが身に付きつつあるからでしょう。
今まで、インステップに当たっていなかった選手が、何人も当たりだした。
これらのドリルに、私自身が、改めて確証が持てた瞬間でもありました。
やはり、蹴り足を改善するだけでは、キックは上達しない。
全身の体の使い方が欠かせない。
ただ、インステップが蹴れなくて困ってる選手に、差し出せるファイルは増えました。
修正しながら、キックのトレーニングを繰り返し、繰り返し行う。
そして、悪い現象が出たら、また修正して、トレーニング。
キックの習得には、最初も、最後も、これしかありません。
私の中で武器が増えたのは、私にとっても大きな成果でした。
2011年09月20日
手を使う
【ハンド オフ】
ボールを持ったプレヤーが、タックルしようとする相手側のプレヤーを、
手で突き離してタックルを防ぐこと。
出典…日本ラグビーフットボール協会用語集
hand off
ラグビーのワールドカップを観ていて、とても気になった技術がこれです。
ボールを持って走りながら、
相手のタックルを受けるのではなく、寄せ付けない、外させる。
考え方は、サッカー・フットサルのボールキープと同じです。
より、手の部分を強調しているのが、特徴的に思えます。
ポイントとなるのが、ハンドオフするタイミングでしょうか。
相手が体に接触する前に、腕を伸ばしていく。
(我々で言う、アーリーヒット)
画像では横方向ですが、正面に立ちふさがるDFに対しても、腕を伸ばしていきます。
相撲の突き押しのようにすら見えるプレーすらありました。
ボディコンタクトがあると、どうしてもスピードが落ちてしまう。
体をぶつけられる前に、相手を寄せ付けないためにしているように感じました。。
そのための技術として、ハンドオフをする。
相手の接近を感じると、先に手を伸ばして、相手の胸辺りを突き放していく。
我々、サッカー・フットサルのボールキープの際も、腕を使って行きます。
ただし、認められているのは、自分のプレーエリアを確保するために拡げる、使い方です。
腕を広げ、相手の位置を感じ、相手を近くに寄せ付けない。
これが、ルール上認められている、腕の使い方です。
ラグビーのように、手を突き放して…、という使い方をしてしまうと、反則になってしまいます。
ただし、それは日本でのお話。
当たりの強い国々では、当然のように、ハンドオフのような使い方をしています。
先日見学した、ボカキャンプでも、腕の使い方を強調して伝えていました。
日本人に足りない技術として、この腕の使い方を指導するのです。
自分の身を守り、自分のボールを守るために、腕を使う。
気をつけなくてはならないのは、腕や手に頼る方法だけでプレーしてしまうこと。
悪い習慣が身に付いてしまった選手は、腕だけに頼って、相手とぶつかってしまう。
強いのは、体幹そのものでぶつかること。
体幹は、おざなりにして、腕だけを伸ばしても、負けてしまう。
体を運んで、体の中心でぶつかってくる選手の方が、当然のごとく、大きな力を発揮できますよね。
そこでムキになって、腕をさらに使うと、反則を取られてしまう。
また、審判は、腕の不正使用を厳しく取ろうとする傾向があります。
腕を振り回すことしか出来ないプレイヤーには、つらい傾向です。
この、相手を感じて、腕を使用するプレー。
正しく身につければ、強い武器になってくれます。
ただし、上辺だけをなぞって、安易に使うプレイヤーには、プラスにはなってくれないはずです。
ボールを持ったプレヤーが、タックルしようとする相手側のプレヤーを、
手で突き離してタックルを防ぐこと。
出典…日本ラグビーフットボール協会用語集
hand off
ラグビーのワールドカップを観ていて、とても気になった技術がこれです。
ボールを持って走りながら、
相手のタックルを受けるのではなく、寄せ付けない、外させる。
考え方は、サッカー・フットサルのボールキープと同じです。
より、手の部分を強調しているのが、特徴的に思えます。
ポイントとなるのが、ハンドオフするタイミングでしょうか。
相手が体に接触する前に、腕を伸ばしていく。
(我々で言う、アーリーヒット)
画像では横方向ですが、正面に立ちふさがるDFに対しても、腕を伸ばしていきます。
相撲の突き押しのようにすら見えるプレーすらありました。
ボディコンタクトがあると、どうしてもスピードが落ちてしまう。
体をぶつけられる前に、相手を寄せ付けないためにしているように感じました。。
そのための技術として、ハンドオフをする。
相手の接近を感じると、先に手を伸ばして、相手の胸辺りを突き放していく。
我々、サッカー・フットサルのボールキープの際も、腕を使って行きます。
ただし、認められているのは、自分のプレーエリアを確保するために拡げる、使い方です。
腕を広げ、相手の位置を感じ、相手を近くに寄せ付けない。
これが、ルール上認められている、腕の使い方です。
ラグビーのように、手を突き放して…、という使い方をしてしまうと、反則になってしまいます。
ただし、それは日本でのお話。
当たりの強い国々では、当然のように、ハンドオフのような使い方をしています。
先日見学した、ボカキャンプでも、腕の使い方を強調して伝えていました。
日本人に足りない技術として、この腕の使い方を指導するのです。
自分の身を守り、自分のボールを守るために、腕を使う。
気をつけなくてはならないのは、腕や手に頼る方法だけでプレーしてしまうこと。
悪い習慣が身に付いてしまった選手は、腕だけに頼って、相手とぶつかってしまう。
強いのは、体幹そのものでぶつかること。
体幹は、おざなりにして、腕だけを伸ばしても、負けてしまう。
体を運んで、体の中心でぶつかってくる選手の方が、当然のごとく、大きな力を発揮できますよね。
そこでムキになって、腕をさらに使うと、反則を取られてしまう。
また、審判は、腕の不正使用を厳しく取ろうとする傾向があります。
腕を振り回すことしか出来ないプレイヤーには、つらい傾向です。
この、相手を感じて、腕を使用するプレー。
正しく身につければ、強い武器になってくれます。
ただし、上辺だけをなぞって、安易に使うプレイヤーには、プラスにはなってくれないはずです。
2011年08月26日
キックを飛ばす!
「天才は1%のひらめきと、99%の汗」
発明王トーマス・エジソンの名言です。
この名言にも、様々な捉え方があるようです。
少なくとも、ひらめきも汗も、どちらが欠けてもエジソン級になれないことは間違いないでしょう。
昨日、数年来お世話になっている、治療院に行きました。
定期的に通って、体のメンテナンスをしてもらうためです。
すると、入り口に、大きな白い靴が並んでいるのです。
中に目をやると、現役Jリーガーがトレーニングの真っ最中でした。
前日に試合をしたばかりなのに、体幹トレーニングに取り組んでいます。
アクティブレストをして、疲れを抜こうとしているのでしょうか。
親交がある彼なので、言葉を交わして、私はマッサージを受けていました。
実は私は、彼に前から質問したいことがありました。
何と、70M級のロングシュートを決めた事もあるのです!
私は、一緒に試合をしたこともあり、彼のキックを何度も目の当たりにしています。
右足も、左足も、平気でロングキックを蹴り分けます。
スパン、本当に軽い振りで、40Mくらいのキックを蹴ってしまうのです。
キックの達人とも言える彼に、帰り間際でしたが、質問をぶつけてみました。
嫌がることなく、丁寧に、言葉を選びながら、答えてくれました。
…どうすれば、高く、遠くにボールを蹴れるのか?
「高さを出すだけなら・・・です、でもオレはやりません、かっこよくないから」
身振りを交えながら、いくつか技術的なことを語ってくれました。
「でも、蹴るだけですよ」
「筋トレもいらない」
「オレは、インパクトを重視しています」
私の頭に一番残ったのは、この言葉です。
「キックは、才能1割、努力9割ですよ。」
「蹴らないと」
その瞬間の彼の目は、大きく見開いていました。
キックにプライドを持っている彼の、最高のアドバイスでした。
やはり、キックを上達させるためには、ボールを蹴ること。
とにかく蹴って、蹴って、蹴ること。
70M先のゴールを決めることは出来なくても、今よりも正確に飛ばすことは出来るはず。
「キックは、才能1割、努力9割」
発明王トーマス・エジソンの名言です。
この名言にも、様々な捉え方があるようです。
少なくとも、ひらめきも汗も、どちらが欠けてもエジソン級になれないことは間違いないでしょう。
昨日、数年来お世話になっている、治療院に行きました。
定期的に通って、体のメンテナンスをしてもらうためです。
すると、入り口に、大きな白い靴が並んでいるのです。
中に目をやると、現役Jリーガーがトレーニングの真っ最中でした。
前日に試合をしたばかりなのに、体幹トレーニングに取り組んでいます。
アクティブレストをして、疲れを抜こうとしているのでしょうか。
親交がある彼なので、言葉を交わして、私はマッサージを受けていました。
実は私は、彼に前から質問したいことがありました。
何と、70M級のロングシュートを決めた事もあるのです!
私は、一緒に試合をしたこともあり、彼のキックを何度も目の当たりにしています。
右足も、左足も、平気でロングキックを蹴り分けます。
スパン、本当に軽い振りで、40Mくらいのキックを蹴ってしまうのです。
キックの達人とも言える彼に、帰り間際でしたが、質問をぶつけてみました。
嫌がることなく、丁寧に、言葉を選びながら、答えてくれました。
…どうすれば、高く、遠くにボールを蹴れるのか?
「高さを出すだけなら・・・です、でもオレはやりません、かっこよくないから」
身振りを交えながら、いくつか技術的なことを語ってくれました。
「でも、蹴るだけですよ」
「筋トレもいらない」
「オレは、インパクトを重視しています」
私の頭に一番残ったのは、この言葉です。
「キックは、才能1割、努力9割ですよ。」
「蹴らないと」
その瞬間の彼の目は、大きく見開いていました。
キックにプライドを持っている彼の、最高のアドバイスでした。
やはり、キックを上達させるためには、ボールを蹴ること。
とにかく蹴って、蹴って、蹴ること。
70M先のゴールを決めることは出来なくても、今よりも正確に飛ばすことは出来るはず。
「キックは、才能1割、努力9割」
2011年08月09日
相手を強く意識したドリブル
先日、今期のFリーグ開幕戦を観戦しました。
1試合のみの観戦でしたが、名古屋対湘南の試合は、熱く盛り上がりました。
観客席も、ちらほら立ち見が出るくらい埋まり、雰囲気を作り上げています。
結果だけを見ると、順当に王者名古屋が勝利したのですが、湘南の善戦が目立ちました。
時間が過ぎるにつれて、持久力、筋力に勝る名古屋が、余裕を持って試合を進めます。
少しずつプレッシャーが緩まり、名古屋のタレントが輝きを見せました。
その中にあって、湘南のボラは、個の能力で、唯一相手を上回っていた存在でした。
少し、体が重たそうにも見えましたが、ボールが足元に入りさえすれば、時間が止まります。
相手DFは飛び込むことが出来ず、ボラの間合いで、プレーが始まります。
そのボラが、アシストを決めたシーンは、高い技術を見せたものでした。
華麗なフェイントやトリッキーなプレーで、相手を翻弄したわけではありません。
スピードで相手を置き去りに、ぶち抜いたのでもありません。
相手DFと走しながら、左サイドをドリブル、中央にグラウンダーのクロスを折り返した。
中の選手と、タイミングを合わし、「どうぞ決めてください」と言わんばかりのボールです。
ここでボラが見せた高い技術、それは、相手を強く意識したドリブルです。
DFは、左サイドから中央へのカットインを警戒しながら、徐々に間合いを詰めようとします。
イメージとしては、縦に追い出して、タッチラインと挟みながら、ボールを奪いたかった?
もしくは、道をふさいで、バックパスをさせようとしたのでしょうか?
そのDFの意図を感じ取ったボラは、あえて狭い縦方向にボールを持ち出しました。
一瞬にして、ボラとDFとは並走状態になります。
DFが間合いを詰めて、外に追い出そうとします。
すると、ボラは、スピードを一段上げて、ぶっちぎる?と思いきや、スピードは変わりません。
ドリブルしながら、DFの胸を目掛けて力強く右腕を伸ばしました。
相手を寄せ付けなくして、自分がプレーするエリアを確保しています。
片腕1本を力強く、相手DFの胸に押し付け、それ以上寄せれない状態をキープ。
抑えられたDFは、何もすることが出来ないまま、中央へのクロスを許してしまいました。
これと、全く同じプレーを、目にしました。
アルゼンチンのボカジュニオルズが開催している、少年向けのキャンプでのことです。
ボカジャパンスキルアップクリニック、と銘打ち日本に足りないものを!!伝えようとしています。
関東では、今週の月曜日から、5日間の予定で開催されています。
私は、連日、見学させてもらっています。
アルゼンチンから育成のコーチを招聘され、アシスタントコーチ、通訳もレベルが高い。
スタッフも含めると、現場には常に4〜6人の目が光っています。
暑さは邪魔ですが、とても恵まれた環境で、5日間のキャンプは進んでいます。
そこでの大きなテーマは、日本の「ない」を「ある」に変える、とのものです。
意識的に、日本とアルゼンチン(南米)との違いを伝えようとしています。
例えば、戦いとしてのフットボール、目の前の1対1での駆け引き。
組織の中に隠れないフットボールは、育成年代には間違いなく求められる。
指導の内容、メニューの一つ一つ、コーチングの一つ一つは、とても興味深いものです。
他にも、スピードのギアの調整や、キックの強弱などが行われます。
重要性には気づいているものの、どこか、おざなりにしてしまっているかもしれない。
トレーニングの設定はシンプルそのもの。
今まで、どこかで目にしたようなものも少なくありません。
小3〜小4(数人の小2)の7・8・9歳の子供たちでも、迷うものではないのではないか。
ただ、求めるものが違うだけで、こんなにも難しく変わるのか?!
普段とは、違う声かけをされ、違うことをコーチに求められている。
選手は、戸惑いながら、プレーしているようにも見えました。
例えば、相手DFと10M並走しながらドリブル、そしてコーンの前で方向を変えシュート。
たった、それだけのメニューです。
ただ、気をつけるポイントがあります。
「スピードを上げずにドリブルしよう」
「相手がいる側の腕を伸ばして、相手を確認し、相手を押さえながらドリブルしよう!」
繰り返し、通訳兼コーチの方が、子供たちに声をかけます。
それでも子供たちは、相手から逃げるようにスピードアップしようとします。
並走状態でスピードを上げてしまうと、それ以上スピードアップ出来なくなってしまいます。
それよりも、腕を使い、相手の動きを封じ、前に入らせない。
ここでのドリブルは、ゆっくりでいい。
スピードを上げるのは、その次のタイミングです。
その瞬間まで、スピードアップする足を残しておくのです。
シュートを打つ寸前に、ボールを斜め前に持ち出す。
この時に、相手を引き離すために、スピードを上げる。
このスピードアップのタイミングと相手を意識した腕の使い方が、ここで獲得したいものでした。
この感覚は、日本ではなかなか「ない」ものでしょう。
このキャンプのトレーニングでは、常に相手を意識させるメニューが組まれています。
簡単なドリルのようなメニューでも、相手DFをどこかに意識させます。
アルゼンチン選手が見せている、あの強さや、ずる賢さは、ここからも来ているのでしょうか。
体が小さくても、接触を恐れず相手を上回る強さを見せる選手がアルゼンチンにはたくさんいます。
テベスにしてもマスチェラーノにしても、もちろんメッシにしても。
子供の頃から、このようなトレーニングを繰り返ししていれば、それも当然です。
ボラ(ブラジル人)にしても、それは同じだったのでしょう。
相手の存在を強く意識して、プレーを行う重要性を見せてもらいました。
1試合のみの観戦でしたが、名古屋対湘南の試合は、熱く盛り上がりました。
観客席も、ちらほら立ち見が出るくらい埋まり、雰囲気を作り上げています。
結果だけを見ると、順当に王者名古屋が勝利したのですが、湘南の善戦が目立ちました。
時間が過ぎるにつれて、持久力、筋力に勝る名古屋が、余裕を持って試合を進めます。
少しずつプレッシャーが緩まり、名古屋のタレントが輝きを見せました。
その中にあって、湘南のボラは、個の能力で、唯一相手を上回っていた存在でした。
少し、体が重たそうにも見えましたが、ボールが足元に入りさえすれば、時間が止まります。
相手DFは飛び込むことが出来ず、ボラの間合いで、プレーが始まります。
そのボラが、アシストを決めたシーンは、高い技術を見せたものでした。
華麗なフェイントやトリッキーなプレーで、相手を翻弄したわけではありません。
スピードで相手を置き去りに、ぶち抜いたのでもありません。
相手DFと走しながら、左サイドをドリブル、中央にグラウンダーのクロスを折り返した。
中の選手と、タイミングを合わし、「どうぞ決めてください」と言わんばかりのボールです。
ここでボラが見せた高い技術、それは、相手を強く意識したドリブルです。
DFは、左サイドから中央へのカットインを警戒しながら、徐々に間合いを詰めようとします。
イメージとしては、縦に追い出して、タッチラインと挟みながら、ボールを奪いたかった?
もしくは、道をふさいで、バックパスをさせようとしたのでしょうか?
そのDFの意図を感じ取ったボラは、あえて狭い縦方向にボールを持ち出しました。
一瞬にして、ボラとDFとは並走状態になります。
DFが間合いを詰めて、外に追い出そうとします。
すると、ボラは、スピードを一段上げて、ぶっちぎる?と思いきや、スピードは変わりません。
ドリブルしながら、DFの胸を目掛けて力強く右腕を伸ばしました。
相手を寄せ付けなくして、自分がプレーするエリアを確保しています。
片腕1本を力強く、相手DFの胸に押し付け、それ以上寄せれない状態をキープ。
抑えられたDFは、何もすることが出来ないまま、中央へのクロスを許してしまいました。
これと、全く同じプレーを、目にしました。
アルゼンチンのボカジュニオルズが開催している、少年向けのキャンプでのことです。
ボカジャパンスキルアップクリニック、と銘打ち日本に足りないものを!!伝えようとしています。
関東では、今週の月曜日から、5日間の予定で開催されています。
私は、連日、見学させてもらっています。
アルゼンチンから育成のコーチを招聘され、アシスタントコーチ、通訳もレベルが高い。
スタッフも含めると、現場には常に4〜6人の目が光っています。
暑さは邪魔ですが、とても恵まれた環境で、5日間のキャンプは進んでいます。
そこでの大きなテーマは、日本の「ない」を「ある」に変える、とのものです。
意識的に、日本とアルゼンチン(南米)との違いを伝えようとしています。
例えば、戦いとしてのフットボール、目の前の1対1での駆け引き。
組織の中に隠れないフットボールは、育成年代には間違いなく求められる。
指導の内容、メニューの一つ一つ、コーチングの一つ一つは、とても興味深いものです。
他にも、スピードのギアの調整や、キックの強弱などが行われます。
重要性には気づいているものの、どこか、おざなりにしてしまっているかもしれない。
トレーニングの設定はシンプルそのもの。
今まで、どこかで目にしたようなものも少なくありません。
小3〜小4(数人の小2)の7・8・9歳の子供たちでも、迷うものではないのではないか。
ただ、求めるものが違うだけで、こんなにも難しく変わるのか?!
普段とは、違う声かけをされ、違うことをコーチに求められている。
選手は、戸惑いながら、プレーしているようにも見えました。
例えば、相手DFと10M並走しながらドリブル、そしてコーンの前で方向を変えシュート。
たった、それだけのメニューです。
ただ、気をつけるポイントがあります。
「スピードを上げずにドリブルしよう」
「相手がいる側の腕を伸ばして、相手を確認し、相手を押さえながらドリブルしよう!」
繰り返し、通訳兼コーチの方が、子供たちに声をかけます。
それでも子供たちは、相手から逃げるようにスピードアップしようとします。
並走状態でスピードを上げてしまうと、それ以上スピードアップ出来なくなってしまいます。
それよりも、腕を使い、相手の動きを封じ、前に入らせない。
ここでのドリブルは、ゆっくりでいい。
スピードを上げるのは、その次のタイミングです。
その瞬間まで、スピードアップする足を残しておくのです。
シュートを打つ寸前に、ボールを斜め前に持ち出す。
この時に、相手を引き離すために、スピードを上げる。
このスピードアップのタイミングと相手を意識した腕の使い方が、ここで獲得したいものでした。
この感覚は、日本ではなかなか「ない」ものでしょう。
このキャンプのトレーニングでは、常に相手を意識させるメニューが組まれています。
簡単なドリルのようなメニューでも、相手DFをどこかに意識させます。
アルゼンチン選手が見せている、あの強さや、ずる賢さは、ここからも来ているのでしょうか。
体が小さくても、接触を恐れず相手を上回る強さを見せる選手がアルゼンチンにはたくさんいます。
テベスにしてもマスチェラーノにしても、もちろんメッシにしても。
子供の頃から、このようなトレーニングを繰り返ししていれば、それも当然です。
ボラ(ブラジル人)にしても、それは同じだったのでしょう。
相手の存在を強く意識して、プレーを行う重要性を見せてもらいました。
2011年07月08日
受け手の動き、出し手のズラシ
ボールを持っていない選手が、どのように動くべきなのか?
いわゆる、オフ・ザ・ボールの動き。
この価値を認識させるために、ある数字を用いて説明されます。
「90分間試合をして、1人あたり、どれだけボールを持っているというのか。」
「わずか2分、多くても3分ほどにしか過ぎない。」
「では、残りの87分、どれだけプレーしているのかを考える必要がある。」
これは、90分のうち、インプレーが約60分。
60分を22人で割ると、一人あたりのボールを保持している時間が出てきます。
3分弱が、この式の答えです。
オフの動きに、価値を持たせ、選手を育てているのが、FCバルセロナです。
ボールを持っていない選手が効果的な動きをすること。
その動きが、ボールポゼッションや、ゴールを奪うことには大切である。
味方のためにスペースを作り、スペースを使い、埋めていく。
足を止めることなく、動き続けている。
彼らの動きで特徴的なのは、小刻みなステップと、体の向きの変化。
もちろんダッシュして、長い距離を走ることもあるのです。
それよりも、相手DFや、味方の位置、ボールとの関係を見ながら、少しずつ動いている。
この時の動きは、「間」もキーワードになるでしょう。
とにかく、人と人との間に入っていく。
相手DFとDFとの間です。
○ ● ○
バルサ
もう1つ、彼らが気にしているのは、人の影に入らないことでしょうか。
ボールを持った選手と、自分との間に、相手DFが立っていない状態にしようとします。
「顔を出す」「顔をのぞかせる」
*
○ ● ○
出し手 (DF) 受け手
受け手がここにいては、相手DFの影に入ってしまっている。
○受け手
↑
*
○ ●
出し手 (DF) ↑
ほんの少しずれるだけで、影から出てきて、顔を出している。
ボールと自分との間に、ピシッと線を引く(パスライン)ことを意識しているのです。
これらのオフ・ザ・ボールの動きを、止まらずにし続けること。
ボールポゼッションするために、ゴールを奪うために。
ボールを持っていない選手が、ボールを持っている選手を助けている。
パスの出しどころが、幾つもある状態を、皆が作っている。
ポゼッションを軸に試合を進めるチームは、必ず強く意識している部分でしょう。
この動きは、バルサだけでなく、日本でも多くのところで取り組んでいます。
ボールを持っていない選手の係わり、ボールを持っていない選手の動き。
その成果の一端を、U−17でも女子ワールドカップでも、日本選手から見ることが出来ました。
ところが、コパアメリカや、U−17では、全く違うものも目にしました。
それは、両方とも、セレソン、ブラジル代表です。
ボールを受けるためのポジション修正が、バルサの動きに比べると、緩慢、横着に映ります。
単純に、自分が欲しい!ここで欲しい!意識が強いのでしょうか。
*
○ ● ○
出し手 (DF) 受け手
この、パスラインが引けない、相手の影に入った状態が少なくないのです。
「ストップ!そこでボールもらえるの!?どこに立てばいい?」
日本の中高生だったら、コーチに強くコーチングされそうな場面です。
セレソンは、そんなことお構いなしです。
では、彼らはパスが回らない、相手を崩せないのか?と言えばそうではない。
パスは回るし、決定的な形も作ります。
彼らを見ていると、ボールの出し手が頑張っているのです。
目の前のDFと、駆け引きをして、相手をだます。
パスを素直に出すのではなく、一工夫も、二工夫もしている。
パスラインが引けていないなら、無理やりにでもラインを引くのです。
プレーの精度に違いはあれ、フル代表の選手もU−17の選手も、同じです。
ブラジルは、ブラジルで、それ以外とは、違いますね。
その例を幾つか紹介します。
・ボールを足裏で少しなめてズラしたら、逆足でパス。
・インサイドで内側に動かして、そのまま同じ足のアウトで、ト・トンとパス。(マシューズの要領
・同じくインサイドで動かして、ダブルタッチの要領で、逆足のインでパス。
・小さいフェイント(またぎ、ステップ)で相手の足を踏ん張らせ、次にはボールを動かす。
・ひざから、腰くらいの高さだけボールを浮かしてパス、(空中にラインを引く)
これらのボールの動かし方で、パスのラインを作ってしまう。
自然な動作で、しかも、高速で、これらの動きが行われている。
とにかく、目の前の相手の動きをよく観ている。
見る・目に入っている、レベルでなく、じっくりと観察する、観るなのです。
相手を置き去りにしたり、足を止めたり、逆を取る。
ボールを扱いながらも、観ているから、その瞬間を逃さない。
相手を出し抜くことを、楽しんでいるようにさえ感じます。
「パスのラインが引けない?それなら作ればいいでしょ。」
実際にそうは言ってるのではないのですが、彼らのプレーは、語っています。
受け手の動きは大切です。
オフ・ザ・ボールの動きを高めることは、チーム力、個人の能力を高めることにもなります。
でも、ボールを持った選手の工夫・駆け引きの価値を忘れてはならない。
パスのコースを遮断しているはずのDFが慌てる姿。
出し手を囲んで奪う気まんまんのDFの間をボールが抜けていく様子。
思わず、ため息が出る瞬間です。
オフ・ザ・ボールの動きの習得と同時に、この部分も高めて行きたいですね。
いわゆる、オフ・ザ・ボールの動き。
この価値を認識させるために、ある数字を用いて説明されます。
「90分間試合をして、1人あたり、どれだけボールを持っているというのか。」
「わずか2分、多くても3分ほどにしか過ぎない。」
「では、残りの87分、どれだけプレーしているのかを考える必要がある。」
これは、90分のうち、インプレーが約60分。
60分を22人で割ると、一人あたりのボールを保持している時間が出てきます。
3分弱が、この式の答えです。
オフの動きに、価値を持たせ、選手を育てているのが、FCバルセロナです。
ボールを持っていない選手が効果的な動きをすること。
その動きが、ボールポゼッションや、ゴールを奪うことには大切である。
味方のためにスペースを作り、スペースを使い、埋めていく。
足を止めることなく、動き続けている。
彼らの動きで特徴的なのは、小刻みなステップと、体の向きの変化。
もちろんダッシュして、長い距離を走ることもあるのです。
それよりも、相手DFや、味方の位置、ボールとの関係を見ながら、少しずつ動いている。
この時の動きは、「間」もキーワードになるでしょう。
とにかく、人と人との間に入っていく。
相手DFとDFとの間です。
○ ● ○
バルサ
もう1つ、彼らが気にしているのは、人の影に入らないことでしょうか。
ボールを持った選手と、自分との間に、相手DFが立っていない状態にしようとします。
「顔を出す」「顔をのぞかせる」
*
○ ● ○
出し手 (DF) 受け手
受け手がここにいては、相手DFの影に入ってしまっている。
○受け手
↑
*
○ ●
出し手 (DF) ↑
ほんの少しずれるだけで、影から出てきて、顔を出している。
ボールと自分との間に、ピシッと線を引く(パスライン)ことを意識しているのです。
これらのオフ・ザ・ボールの動きを、止まらずにし続けること。
ボールポゼッションするために、ゴールを奪うために。
ボールを持っていない選手が、ボールを持っている選手を助けている。
パスの出しどころが、幾つもある状態を、皆が作っている。
ポゼッションを軸に試合を進めるチームは、必ず強く意識している部分でしょう。
この動きは、バルサだけでなく、日本でも多くのところで取り組んでいます。
ボールを持っていない選手の係わり、ボールを持っていない選手の動き。
その成果の一端を、U−17でも女子ワールドカップでも、日本選手から見ることが出来ました。
ところが、コパアメリカや、U−17では、全く違うものも目にしました。
それは、両方とも、セレソン、ブラジル代表です。
ボールを受けるためのポジション修正が、バルサの動きに比べると、緩慢、横着に映ります。
単純に、自分が欲しい!ここで欲しい!意識が強いのでしょうか。
*
○ ● ○
出し手 (DF) 受け手
この、パスラインが引けない、相手の影に入った状態が少なくないのです。
「ストップ!そこでボールもらえるの!?どこに立てばいい?」
日本の中高生だったら、コーチに強くコーチングされそうな場面です。
セレソンは、そんなことお構いなしです。
では、彼らはパスが回らない、相手を崩せないのか?と言えばそうではない。
パスは回るし、決定的な形も作ります。
彼らを見ていると、ボールの出し手が頑張っているのです。
目の前のDFと、駆け引きをして、相手をだます。
パスを素直に出すのではなく、一工夫も、二工夫もしている。
パスラインが引けていないなら、無理やりにでもラインを引くのです。
プレーの精度に違いはあれ、フル代表の選手もU−17の選手も、同じです。
ブラジルは、ブラジルで、それ以外とは、違いますね。
その例を幾つか紹介します。
・ボールを足裏で少しなめてズラしたら、逆足でパス。
・インサイドで内側に動かして、そのまま同じ足のアウトで、ト・トンとパス。(マシューズの要領
・同じくインサイドで動かして、ダブルタッチの要領で、逆足のインでパス。
・小さいフェイント(またぎ、ステップ)で相手の足を踏ん張らせ、次にはボールを動かす。
・ひざから、腰くらいの高さだけボールを浮かしてパス、(空中にラインを引く)
これらのボールの動かし方で、パスのラインを作ってしまう。
自然な動作で、しかも、高速で、これらの動きが行われている。
とにかく、目の前の相手の動きをよく観ている。
見る・目に入っている、レベルでなく、じっくりと観察する、観るなのです。
相手を置き去りにしたり、足を止めたり、逆を取る。
ボールを扱いながらも、観ているから、その瞬間を逃さない。
相手を出し抜くことを、楽しんでいるようにさえ感じます。
「パスのラインが引けない?それなら作ればいいでしょ。」
実際にそうは言ってるのではないのですが、彼らのプレーは、語っています。
受け手の動きは大切です。
オフ・ザ・ボールの動きを高めることは、チーム力、個人の能力を高めることにもなります。
でも、ボールを持った選手の工夫・駆け引きの価値を忘れてはならない。
パスのコースを遮断しているはずのDFが慌てる姿。
出し手を囲んで奪う気まんまんのDFの間をボールが抜けていく様子。
思わず、ため息が出る瞬間です。
オフ・ザ・ボールの動きの習得と同時に、この部分も高めて行きたいですね。
2011年07月01日
手を使うことを許されている
スローイン、サッカーの中でも限られた、手を使うことを許されているプレーです。
簡単に投げることが出来るので、あまり重要視されていないプレーかもしれません。
ポイントの近くにいた選手が、何となく近くの選手に目掛けて投げる。
このように安易に考えてはいないか?
先日、スローインについて、思うきっかけがあったので、改めて整理してみます。
様々な指導者が、様々な理論を語ってくれています。
例えば、日本代表ザッケローニ監督。
就任当初のキャンプで、スローインのトレーニングを細かく実施しました。
物珍しさからか、ニュースでも取り上げられていました。
その成果が、試合でも見られました。
スロアーを突然スイッチして、フリーになる工夫です。
ボールを実際に投げようとする選手。
そこに、もう1人、選手が近付いていく。
次の瞬間ボールを受け渡し、ダッシュで遠ざかる。
虚を突かれた相手チームは、マークの受け渡しが遅れる、というトリックプレーです。
このパターンは、フットサルのキックインで、しばしば見られるパターンでもあります。
オランダの名選手でもあった、クライフ。
彼も、独自の理論を唱えます。
「スローインは最も巧い選手が投げるべきだ。」
その理由として、投げた本人がフリーになりやすいと語ります。
自分で投げるから、ワンタッチで返すように、と理論は続きます。
マークに厳しく付かれる、彼なりの工夫なのでしょう。
さすがに、スローインを入れる選手のそばに立つわけにもいかない。
相手心理を上手く利用したものです。
2M以上離れなければならない、現行のルールでなら、もっと有効になる考え方です。
「スローインが自分たちに有利だと考えているのなら間違いだ。
なぜならピッチの中には10人しかいない、数的不利の状況なんだから。」
これは、オシム元監督の教えです。
スローインをした選手が、いつまでもピッチの外にいてはならない。
投げ終わると、ピッチ内に速く戻り、サポートすることを求めるものでしょう。
なるほど、投げる場所や、投げたボールについては考えが及ぶものです。
投げ終わった選手は、何となくピッチ内に戻ってくる選手も少なくない。
ボールの行方を見守っている選手すらいます。
そのような選手を戒めるために、オシムさんは語ったのではないでしょうか。
ブラジルでは次のような考え方もあります。
「FWがスローインをしてはならない」
FWがスローインをすると、もったいないと言うのです。
点をとる、決定的な形を作ることが出来る選手、つまり技術力のある選手がFWをしているはず。
その巧い選手がスローインをすると、それよりも技術の劣る選手投げなければならない。
そして、ボールも、自陣サイド、つまり後方に投げることになりやすい。
スローインを投げるよりも、ボールを受けて決定的な仕事をすることをFWに求めているのです。
先ほどの、クライフ理論の正反対ですね。
「スローインは、サイドバックの選手が投げるべき。」
バルサキャンプの際に、バルサのカンテラコーチが、盛んにコーチングしていました。
子供たちは、ボールに触るのが大好き。
スローインも、我先に、ボールを投げたがります。
投げたい選手ではなく、サイドバックが投げる。
他の選手が投げようとすると、コーチがすかさず声を掛けます。
「サイドバック!!」
少し、わざとらしくもありましたが、強調したいことだったのでしょう。
すると、ポジションのバランスを崩すことなく、その他の選手が高い位置を取ることが出来ます。
様々な考え方を書いていきました。
一つ一つの理論に、それぞれの信念のようなものが見えてきます。
そこまで、スローインに対して、考えが及んでいたのかどうか?
2年ほど前に、Jリーグのチームが、スローインの特訓をした記事が出ていました。
監督曰く、「あまりにヘタすぎるから」
「目立つくらいミスが多い。スローで相手に取られたらピンチだから」
プロの選手でも、スローインを軽視しているのでしょうか。
少なくとも、監督の目には、そのように映ったようです。
スローイン。
変な奪い方をされてピンチになるのか?
それとも、チャンスにつながるプレーになるのか?
スローインも、セットプレーである。
そして、スローインもパスである。
だとすれば、何も考えずに投げていてはならない。
最低でも、相手選手が喜んだり、味方選手が困るスローインはあり得ない。
何をすれば、自分たちの得になるのかを、常に考えていなくてはならない。
簡単に投げることが出来るので、あまり重要視されていないプレーかもしれません。
ポイントの近くにいた選手が、何となく近くの選手に目掛けて投げる。
このように安易に考えてはいないか?
先日、スローインについて、思うきっかけがあったので、改めて整理してみます。
様々な指導者が、様々な理論を語ってくれています。
例えば、日本代表ザッケローニ監督。
就任当初のキャンプで、スローインのトレーニングを細かく実施しました。
物珍しさからか、ニュースでも取り上げられていました。
その成果が、試合でも見られました。
スロアーを突然スイッチして、フリーになる工夫です。
ボールを実際に投げようとする選手。
そこに、もう1人、選手が近付いていく。
次の瞬間ボールを受け渡し、ダッシュで遠ざかる。
虚を突かれた相手チームは、マークの受け渡しが遅れる、というトリックプレーです。
このパターンは、フットサルのキックインで、しばしば見られるパターンでもあります。
オランダの名選手でもあった、クライフ。
彼も、独自の理論を唱えます。
「スローインは最も巧い選手が投げるべきだ。」
その理由として、投げた本人がフリーになりやすいと語ります。
自分で投げるから、ワンタッチで返すように、と理論は続きます。
マークに厳しく付かれる、彼なりの工夫なのでしょう。
さすがに、スローインを入れる選手のそばに立つわけにもいかない。
相手心理を上手く利用したものです。
2M以上離れなければならない、現行のルールでなら、もっと有効になる考え方です。
「スローインが自分たちに有利だと考えているのなら間違いだ。
なぜならピッチの中には10人しかいない、数的不利の状況なんだから。」
これは、オシム元監督の教えです。
スローインをした選手が、いつまでもピッチの外にいてはならない。
投げ終わると、ピッチ内に速く戻り、サポートすることを求めるものでしょう。
なるほど、投げる場所や、投げたボールについては考えが及ぶものです。
投げ終わった選手は、何となくピッチ内に戻ってくる選手も少なくない。
ボールの行方を見守っている選手すらいます。
そのような選手を戒めるために、オシムさんは語ったのではないでしょうか。
ブラジルでは次のような考え方もあります。
「FWがスローインをしてはならない」
FWがスローインをすると、もったいないと言うのです。
点をとる、決定的な形を作ることが出来る選手、つまり技術力のある選手がFWをしているはず。
その巧い選手がスローインをすると、それよりも技術の劣る選手投げなければならない。
そして、ボールも、自陣サイド、つまり後方に投げることになりやすい。
スローインを投げるよりも、ボールを受けて決定的な仕事をすることをFWに求めているのです。
先ほどの、クライフ理論の正反対ですね。
「スローインは、サイドバックの選手が投げるべき。」
バルサキャンプの際に、バルサのカンテラコーチが、盛んにコーチングしていました。
子供たちは、ボールに触るのが大好き。
スローインも、我先に、ボールを投げたがります。
投げたい選手ではなく、サイドバックが投げる。
他の選手が投げようとすると、コーチがすかさず声を掛けます。
「サイドバック!!」
少し、わざとらしくもありましたが、強調したいことだったのでしょう。
すると、ポジションのバランスを崩すことなく、その他の選手が高い位置を取ることが出来ます。
様々な考え方を書いていきました。
一つ一つの理論に、それぞれの信念のようなものが見えてきます。
そこまで、スローインに対して、考えが及んでいたのかどうか?
2年ほど前に、Jリーグのチームが、スローインの特訓をした記事が出ていました。
監督曰く、「あまりにヘタすぎるから」
「目立つくらいミスが多い。スローで相手に取られたらピンチだから」
プロの選手でも、スローインを軽視しているのでしょうか。
少なくとも、監督の目には、そのように映ったようです。
スローイン。
変な奪い方をされてピンチになるのか?
それとも、チャンスにつながるプレーになるのか?
スローインも、セットプレーである。
そして、スローインもパスである。
だとすれば、何も考えずに投げていてはならない。
最低でも、相手選手が喜んだり、味方選手が困るスローインはあり得ない。
何をすれば、自分たちの得になるのかを、常に考えていなくてはならない。
2011年06月24日
育成世代に身につけたい技術。
コパ・リベルタドーレスが終わりました。
南米クラブの試合は、あまり取り上げられることが無い。
日本とも、ヨーロッパとも違うその試合内容は、面白いのですが、残念です。
決勝は、ウルグアイの古豪ペニャロール対ブラジルの名門サントス。
2NDレグは、サントスのホームでの開催。
0対0で、1STレグを終え、サントスが少し有利なのでしょうか。
生放送をチェックするために、テレビにへばりついていました。
私は、サントスのホームスタジアムに、2回行ったことがあります。
あんなに、古くて、小さいスタジアムで決勝戦をするの?と思っていました。
足元はごみだらけで、壁が落ちてきそうな階段。
金網越しに観る選手たちは、証明が足りないせいか、少しぼやけて見えます。
収容人員は、2万人くらいのこじんまりとした、昔ながらのスタジアム。
すると、近くの違うスタジアムで開催とのこと。
安心しましたが、少し残念でもありました。
古くて小さくても、ブラジルや、サントスの伝統を感じさせてくれる、最高の空間だったからです。
サントスのビッグネームは、エラーノ・ガンソ・ネイマールの代表トリオ。
特に、ガンソとネイマールは、若手の注目株です。
2人を紹介する時には、ある枕詞があります。
フットサルで育ち、今はサッカーをしている。
フットサルで磨いた技術を活かしている。
この「フットサルでの育成」が彼らを紹介する上での枕詞のようになっています。
2人の技術レベルは、確かに高い。
サントスの中でも、彼らの技術レベルの高さは、際立っていました。
フットサルを幼少期〜育成年代に触れることは、本当に大事である。
彼らのプレーを観ていて、改めて確信しました。
今まで何回も、育成年代におけるフットサルの有用性については取り上げてきました。
その中でも今回は、ボールを受ける前の動きについて、書いていきます。
フットサルでは、ボールをもらうために、工夫して、様々な動きを入れていきます。
試合のレベルが上がっていくと、当然相手の守備が厳しくなっていく。
フットサルは、コートが狭く、相手DFとの距離が近いことが多い。
単純に突っ立って、ボールを要求していても、ボールを受けることが難しいからです。
少し話はそれますが、日本で将来を嘱望されており、今度ドイツに渡ると噂のあの選手。
彼は、「オフ・ザ・ボールの動きに難がある。」
中学生の頃から、ずーーーっと言われ続けていて、ザッケローニ監督にも指摘されたそうです。
彼が、フットサルをしていたら、その課題は持っていなかったかもしれない!?
ボールを持って、さあ自分のプレーをスタート。
これは、守備がゆるいか、スペースが広がっている時しか、可能にならないプレーですよね。
話を戻します。
ボールを受けるために、ネイマールやガンソが多用していたプレーがあります。
それは、フェイクの動きです。
行きたい方向とは、違う方向に動き、急激に方向を変え、相手DFをだまします。
まさに、フェイクですよね。
ブラジルでは、ガット(猫)と呼ばれています。
DFとしては、分かっていても、付いていかざるを得ない。
もし付いていかなければ、そのままマークを外してしまうことになるからです。
ボールを受ける前から、相手との駆け引きは始まっています。
ネイマールが活用している、フェイクの動きを@〜Dのように図示してみます。
@相手DFは、ネイマールにボールを触れさせまいと、ぴったりと近くでマークしています。
このままでは、さすがにボールを受けることすら難しい状態です。
味方のボール保持者も、インターセプトされることを恐れ、ボールを出せません。
↑攻撃方向
△ 相手DF
○
ネイマール
●
ボール
Aネイマールは、タイトなマークをはがすために、ボールを受けるために動き出します。
そこでまず、相手DFの背後を取る動きを入れます。
↑攻撃方向
○ 相手の背後を狙うフリをしているネイマール
↑
△ 相手DF
↑
●
ボール
B相手DFは背後をとられては大変(ゴールに向かわれてしまう)。
あわてて、ポジションを修正し、マークをより厳しくしようとします。
(もしここで、DFが付いてこなければ、そのまま背後にパスを通せばいいのです)
↑攻撃方向
△ 背後をとられまいと、あわててポジションを修正する相手DF
○
↑
↑
●
ボール
C相手が後ろに必死に戻った瞬間を、ネイマールは逃しません。
急激に方向を変え、スピードもUPさせ、相手DFから離れます。
↑攻撃方向
△
↓
↓
↓
○ 相手DFが後ろに下がった瞬間、急激に方向とスピードを変えるネイマール
●
ボール
D相手のマークをはがし、ボールを受ける準備が整いました。
味方も、この瞬間を逃さず、足元にボールをつけることが、容易になります。
↑攻撃方向
△
○ フェイクの動きで、自ら時間と空間を作り出したネイマール
●
ボール
フットサルで身に付くものは、足裏のボールコントロールだけではありません。
ボールを受けるために、様々な工夫がなされます。
サッカーでは、オフの動きの一言で片付けられることすら少なくないはずです。
フットサルでは、そこにもっと、こだわりを持ってプレーをする必要があります。
フットサルの試合では、レスタイム、レススペースの状態に、始めからなっているからです。
その状態は、まさに現代サッカーの状況と同じなのです。
ボールを受けるための動きは、フットサルの経験を通して、確実に身に付くはずです。
12月のクラブワールドカップは日本で開催される予定です。
その時、ネイマールやガンソはまだ、サントスでプレーしているのでしょうか?
ヨーロッパのクラブに移籍せずに、残留していて欲しいものです。
日本で、そのプレーを間近に見たい!
ボールを持ってからのプレーは、もちろん目を見張るものがあります。
それだけではなく、ボールを受けるための工夫も、是非、確認してみてください。
思い出せば、バルサでもフェイクの動きがありました。
チャンピオンズリーグファイナルの先取点、ペドロがマークを外した動き。
あれも、素晴らしいタイミングでの中に入るフリからの「フェイク」がありましたよね。
育成年代で、是非とも身につけておきたい、重要な技術の一つ「フェイク!」を楽しみにしたい。
南米クラブの試合は、あまり取り上げられることが無い。
日本とも、ヨーロッパとも違うその試合内容は、面白いのですが、残念です。
決勝は、ウルグアイの古豪ペニャロール対ブラジルの名門サントス。
2NDレグは、サントスのホームでの開催。
0対0で、1STレグを終え、サントスが少し有利なのでしょうか。
生放送をチェックするために、テレビにへばりついていました。
私は、サントスのホームスタジアムに、2回行ったことがあります。
あんなに、古くて、小さいスタジアムで決勝戦をするの?と思っていました。
足元はごみだらけで、壁が落ちてきそうな階段。
金網越しに観る選手たちは、証明が足りないせいか、少しぼやけて見えます。
収容人員は、2万人くらいのこじんまりとした、昔ながらのスタジアム。
すると、近くの違うスタジアムで開催とのこと。
安心しましたが、少し残念でもありました。
古くて小さくても、ブラジルや、サントスの伝統を感じさせてくれる、最高の空間だったからです。
サントスのビッグネームは、エラーノ・ガンソ・ネイマールの代表トリオ。
特に、ガンソとネイマールは、若手の注目株です。
2人を紹介する時には、ある枕詞があります。
フットサルで育ち、今はサッカーをしている。
フットサルで磨いた技術を活かしている。
この「フットサルでの育成」が彼らを紹介する上での枕詞のようになっています。
2人の技術レベルは、確かに高い。
サントスの中でも、彼らの技術レベルの高さは、際立っていました。
フットサルを幼少期〜育成年代に触れることは、本当に大事である。
彼らのプレーを観ていて、改めて確信しました。
今まで何回も、育成年代におけるフットサルの有用性については取り上げてきました。
その中でも今回は、ボールを受ける前の動きについて、書いていきます。
フットサルでは、ボールをもらうために、工夫して、様々な動きを入れていきます。
試合のレベルが上がっていくと、当然相手の守備が厳しくなっていく。
フットサルは、コートが狭く、相手DFとの距離が近いことが多い。
単純に突っ立って、ボールを要求していても、ボールを受けることが難しいからです。
少し話はそれますが、日本で将来を嘱望されており、今度ドイツに渡ると噂のあの選手。
彼は、「オフ・ザ・ボールの動きに難がある。」
中学生の頃から、ずーーーっと言われ続けていて、ザッケローニ監督にも指摘されたそうです。
彼が、フットサルをしていたら、その課題は持っていなかったかもしれない!?
ボールを持って、さあ自分のプレーをスタート。
これは、守備がゆるいか、スペースが広がっている時しか、可能にならないプレーですよね。
話を戻します。
ボールを受けるために、ネイマールやガンソが多用していたプレーがあります。
それは、フェイクの動きです。
行きたい方向とは、違う方向に動き、急激に方向を変え、相手DFをだまします。
まさに、フェイクですよね。
ブラジルでは、ガット(猫)と呼ばれています。
DFとしては、分かっていても、付いていかざるを得ない。
もし付いていかなければ、そのままマークを外してしまうことになるからです。
ボールを受ける前から、相手との駆け引きは始まっています。
ネイマールが活用している、フェイクの動きを@〜Dのように図示してみます。
@相手DFは、ネイマールにボールを触れさせまいと、ぴったりと近くでマークしています。
このままでは、さすがにボールを受けることすら難しい状態です。
味方のボール保持者も、インターセプトされることを恐れ、ボールを出せません。
↑攻撃方向
△ 相手DF
○
ネイマール
●
ボール
Aネイマールは、タイトなマークをはがすために、ボールを受けるために動き出します。
そこでまず、相手DFの背後を取る動きを入れます。
↑攻撃方向
○ 相手の背後を狙うフリをしているネイマール
↑
△ 相手DF
↑
●
ボール
B相手DFは背後をとられては大変(ゴールに向かわれてしまう)。
あわてて、ポジションを修正し、マークをより厳しくしようとします。
(もしここで、DFが付いてこなければ、そのまま背後にパスを通せばいいのです)
↑攻撃方向
△ 背後をとられまいと、あわててポジションを修正する相手DF
○
↑
↑
●
ボール
C相手が後ろに必死に戻った瞬間を、ネイマールは逃しません。
急激に方向を変え、スピードもUPさせ、相手DFから離れます。
↑攻撃方向
△
↓
↓
↓
○ 相手DFが後ろに下がった瞬間、急激に方向とスピードを変えるネイマール
●
ボール
D相手のマークをはがし、ボールを受ける準備が整いました。
味方も、この瞬間を逃さず、足元にボールをつけることが、容易になります。
↑攻撃方向
△
○ フェイクの動きで、自ら時間と空間を作り出したネイマール
●
ボール
フットサルで身に付くものは、足裏のボールコントロールだけではありません。
ボールを受けるために、様々な工夫がなされます。
サッカーでは、オフの動きの一言で片付けられることすら少なくないはずです。
フットサルでは、そこにもっと、こだわりを持ってプレーをする必要があります。
フットサルの試合では、レスタイム、レススペースの状態に、始めからなっているからです。
その状態は、まさに現代サッカーの状況と同じなのです。
ボールを受けるための動きは、フットサルの経験を通して、確実に身に付くはずです。
12月のクラブワールドカップは日本で開催される予定です。
その時、ネイマールやガンソはまだ、サントスでプレーしているのでしょうか?
ヨーロッパのクラブに移籍せずに、残留していて欲しいものです。
日本で、そのプレーを間近に見たい!
ボールを持ってからのプレーは、もちろん目を見張るものがあります。
それだけではなく、ボールを受けるための工夫も、是非、確認してみてください。
思い出せば、バルサでもフェイクの動きがありました。
チャンピオンズリーグファイナルの先取点、ペドロがマークを外した動き。
あれも、素晴らしいタイミングでの中に入るフリからの「フェイク」がありましたよね。
育成年代で、是非とも身につけておきたい、重要な技術の一つ「フェイク!」を楽しみにしたい。
2011年06月14日
U・V字か、Y字か
本をめくっていると、目を引く部分がありました。
目を引いた内容は、「GKがどのようにキャッチングに入っていくのか?」の部分です。
私の勉強不足でしょうが、考えたこともない部分でした。
その本は、ザッケローニ監督が、どのようなことを日本代表に伝えているのかを、紹介するもの。
守備の文化がある、とされているイタリアならではの、こだわりを感じました。
現日本代表マウリツィオ・グイードGKコーチが、FC東京・権田選手に指導した内容です。
構え、キャッチングについては、たくさんの文献や映像、講習会などでも紹介されています。
では、構えから、キャッチングまで、どのように手を動かすのか?
それが書かれていることは、今まで目にしたことがありませんでした。
セービング(体を投げ出したり、横っ飛び)の際、どのように手を出していくのか。
これについての記載は、今までもあります。
正面のボールを掴む時の、手の軌道については、皆無でした。
ちなみに、私の手元には、GK関連の専門書が10冊ほどあります。
日本、ドイツ、イングランド、ブラジル、イタリアと、各国のGKの専門書です。
もう一度調べなおしましたが、やはり記載はありませんでした。
ミドルレンジからのシュートに対して、GKが構えます。
足を肩幅に開き、ひざを軽く曲げる。
上半身は前傾姿勢を保つ。
そうして、前後左右に動けるようにしておきます。
手をどこで構えるのか?
これは、全ての本で、微妙な違いがあります。
胸の前で構えるもの。
おへその前で構えるもの。
腰の横、ベルトの高さで、軽く広げて構えるもの。
上のボールにも、下のボールにも素直に手を出すため!
という大原則は変わらないのですが、写真や図を見比べると、少しずつ違いがあります。
自分が一番、素直に手を出せる位置を見つけるのが大事なのでしょうか。
さあ、ボールがGKの正面に飛んできます。
飛んできたボールの高さは、GKの顔の前や、胸辺りです。
この高さのボールをキャッチする時には、オーバーハンドキャッチで、ボールをつかみます。
両手を前に出して面を作り、肘を伸ばしきらずに、ボールを迎えに行きます。
中指が空を向いている状態です。
この時、ボールを挟むようにつかんでは、ならない。
指の間から、ボールが抜けてしまうのを防ぐためです。
では、構え、からキャッチングまで、どのように手を持っていくのか?
正直私は、このことについて、考えたこともありませんでした。
構えた位置から、最短距離に持って行けばいいのかな?くらいに思っていたからです。
そうなったら、両手の軌跡は、逆のVの字で動いていますよね。
ところが、マウリツィオ・グイードGKコーチの理論だと、間違っているらしいのです。
そのように手を動かすと、ボールをファンブルしてしまう。
外からでなく、まず体の中心に両手を合流させ、パッとひらく。
手がより一体化し、ファンブルを防げるのだとか。
手の動きは、逆のY字で動いていることになります。
もしかすると、Xに動かすくらいイメージした方が、最初はいいのかもしれない。
権田選手のキャッチングのトレーニングを映像で見てみました。
そうすると、両手を一回合わせている姿を確認することが出来ました。
彼は、この動きを習得するように、意識しているのでしょう。
この動きが自然に出来たら、より、キャッチングの精度が上がるのでしょうか。
手の軌跡は、逆UやVではありませんでした。
コーチの教えどおり、逆のY字で動いていました。
今までは、意識されていなかった、部分。
ヨーロッパでは、標準的になってきている、と権田選手は語っています。
少しずつ、日本に浸透していくのでしょうか。
そうなれば、ザッケローニ監督が就任した、いい波及効果になるのですが。
このようなことをきっかけに、GKにもっと、光が当たればいいですよね。
「偉大なチームには、偉大なGKが君臨している。」
このような考えを、共通にしていきたいですね。
目を引いた内容は、「GKがどのようにキャッチングに入っていくのか?」の部分です。
私の勉強不足でしょうが、考えたこともない部分でした。
その本は、ザッケローニ監督が、どのようなことを日本代表に伝えているのかを、紹介するもの。
守備の文化がある、とされているイタリアならではの、こだわりを感じました。
現日本代表マウリツィオ・グイードGKコーチが、FC東京・権田選手に指導した内容です。
構え、キャッチングについては、たくさんの文献や映像、講習会などでも紹介されています。
では、構えから、キャッチングまで、どのように手を動かすのか?
それが書かれていることは、今まで目にしたことがありませんでした。
セービング(体を投げ出したり、横っ飛び)の際、どのように手を出していくのか。
これについての記載は、今までもあります。
正面のボールを掴む時の、手の軌道については、皆無でした。
ちなみに、私の手元には、GK関連の専門書が10冊ほどあります。
日本、ドイツ、イングランド、ブラジル、イタリアと、各国のGKの専門書です。
もう一度調べなおしましたが、やはり記載はありませんでした。
ミドルレンジからのシュートに対して、GKが構えます。
足を肩幅に開き、ひざを軽く曲げる。
上半身は前傾姿勢を保つ。
そうして、前後左右に動けるようにしておきます。
手をどこで構えるのか?
これは、全ての本で、微妙な違いがあります。
胸の前で構えるもの。
おへその前で構えるもの。
腰の横、ベルトの高さで、軽く広げて構えるもの。
上のボールにも、下のボールにも素直に手を出すため!
という大原則は変わらないのですが、写真や図を見比べると、少しずつ違いがあります。
自分が一番、素直に手を出せる位置を見つけるのが大事なのでしょうか。
さあ、ボールがGKの正面に飛んできます。
飛んできたボールの高さは、GKの顔の前や、胸辺りです。
この高さのボールをキャッチする時には、オーバーハンドキャッチで、ボールをつかみます。
両手を前に出して面を作り、肘を伸ばしきらずに、ボールを迎えに行きます。
中指が空を向いている状態です。
この時、ボールを挟むようにつかんでは、ならない。
指の間から、ボールが抜けてしまうのを防ぐためです。
では、構え、からキャッチングまで、どのように手を持っていくのか?
正直私は、このことについて、考えたこともありませんでした。
構えた位置から、最短距離に持って行けばいいのかな?くらいに思っていたからです。
そうなったら、両手の軌跡は、逆のVの字で動いていますよね。
ところが、マウリツィオ・グイードGKコーチの理論だと、間違っているらしいのです。
そのように手を動かすと、ボールをファンブルしてしまう。
外からでなく、まず体の中心に両手を合流させ、パッとひらく。
手がより一体化し、ファンブルを防げるのだとか。
手の動きは、逆のY字で動いていることになります。
もしかすると、Xに動かすくらいイメージした方が、最初はいいのかもしれない。
権田選手のキャッチングのトレーニングを映像で見てみました。
そうすると、両手を一回合わせている姿を確認することが出来ました。
彼は、この動きを習得するように、意識しているのでしょう。
この動きが自然に出来たら、より、キャッチングの精度が上がるのでしょうか。
手の軌跡は、逆UやVではありませんでした。
コーチの教えどおり、逆のY字で動いていました。
今までは、意識されていなかった、部分。
ヨーロッパでは、標準的になってきている、と権田選手は語っています。
少しずつ、日本に浸透していくのでしょうか。
そうなれば、ザッケローニ監督が就任した、いい波及効果になるのですが。
このようなことをきっかけに、GKにもっと、光が当たればいいですよね。
「偉大なチームには、偉大なGKが君臨している。」
このような考えを、共通にしていきたいですね。
2011年05月27日
ルックアップの速さ
いよいよ、明日!チャンピオンズリーグのファイナルですね。
長いシーズンを戦って疲れてはいるでしょうが、両チーム共に、チームの状態がいい。
自国リーグを制して、ファイナルを向かえている。
いい気分で、戦いに臨めるはずです。
聖地ウェンブリーだと、マンチェスターユナイテッドのホームの雰囲気になるのでしょうか。
バルセロナはそこでも、ボールポゼッションで上回り、いつものペースで試合を運ぶのか?
楽しみは尽きないですね。
20数名の、世界トップレベルの選手たちが集まる、このファイナル。
ルーニーは強いし、メッシは抜群に速く、ビディッチは高い、まだまだ他にも・・・・。
その中でも、異質なほどにレベルの高い選手がいます。
バルセロナのシャビ・エルナンデスです。
彼の体格が、170センチ、68キロと日本人とあまり変わらない。
だから日本人も、とは言いますが、私には疑問です。
彼のように、全てを分かっているような選手は、近くて、最も遠い選手かもしれません。
彼のすごさは、まるで、バスケットボールをプレーしているかのように振舞えることでしょうか。
バスケットボールは、手でボールを扱います。
ある程度のレベルになれば、誰もがボールを見ることなく、ボールを扱っています。
ボールを見ているのは、ボールを受け取る瞬間だけでしょう。
今さら、ドリブルをするために、ターンをするために、ボールを注視することはありません。
普通、ボールタッチの瞬間ごとに、ボールに目を落とします。
初心者だと、ボールが来れば、ボールだけを見て、プレーをしてしまいます。
上達していくと、ボールだけを直接見ることは減るでしょう。
直接見るのは、ゴール、味方、相手、スペースなどの周りの状況です。
ボールを目の端で見るに止め、間接視野でボールを見るのです。
ところがシャビは、違います。
バスケットボールプレーヤーと同じことをしています。
ボールを持っているときに、ボールだけを見ている時間が、圧倒的に少ないのです。
とにかく、チャビは、顔を上げるタイミングが速い!
シャビがよく見せるプレーがあります。
足元におさめたボールを、様々な方向に持ち出して、パス、ドリブルをします。
斜め前45度にボールを持ち出し、相手の足からボールを遠ざける。
180度、進行方向の真後ろにターンし、一気に方向を変える。
その一連の流れが、スムーズなこと。
実際に実行しているプレーは、それほど難しいものではありません。
1つ、1つは、日本の小学生が習得しているような、ボールタッチであり、ターンなのです。
彼のすごさは、ボールを触る瞬間には、すでにボールを見ていないところです。
インサイド、アウトサイドが彼のボールタッチのほとんど。
足元のボールを、間接視野で、チラッと確認するかしないか、しないか。
ボールを持ち出すその時には、次の場所を完全に視野に収めています。
全てを見渡すかのように、ルックアップ、ルックアラウンドしながらの、ボールタッチ。
ショートパスなら、ボールを観ることなく、キックしてしまいます。
動きながらでも、相手DFを背負っていてもです。
ボールを間接視野にも収めていないから、遠くまで見渡せ、その範囲も広い。
ボールを見ている時間を減らした分だけ、周りを観て、認知する時間に使えている。
見ている時間が長いから、味方の動き出しや、相手のプレッシャーを見逃さない。
効果的なドリブル突破も、よどみないパス交換や、急所を付くパスも、これがベースになっている。
ある程度トレーニングすれば、誰もがボールを見ずにプレーすることも出来る
ただしそれは、プレッシャーが無い状態、少ない状態に限られるでしょう。
フリーに近い状態でボールを運んでいるなら、完全に顔を上げることも可能でしょう。
シャビのすごさは、あれだけ激しいプレッシャーを受けている中で、それを実行していることです。
まるで1人だけ、バスケットボールのポイントガードのように振舞っている。
彼は、試合の流れをその手に掴むかのように、豊富なプレービジョンを持っている。
そして、それを実行するだけの、技術の確かさがあること。
支えているものは、とにかく観ること。
ボールを持っているときでさえ、認知することを続けている。
これが、他の誰よりも速い、決断を支えている。
そんなシャビが出場し、いつものように振舞えば、勝利はFCバルセロナにあるのでしょうか・・。
さあ、明日は、どんな試合になるのでしょうか?!
長いシーズンを戦って疲れてはいるでしょうが、両チーム共に、チームの状態がいい。
自国リーグを制して、ファイナルを向かえている。
いい気分で、戦いに臨めるはずです。
聖地ウェンブリーだと、マンチェスターユナイテッドのホームの雰囲気になるのでしょうか。
バルセロナはそこでも、ボールポゼッションで上回り、いつものペースで試合を運ぶのか?
楽しみは尽きないですね。
20数名の、世界トップレベルの選手たちが集まる、このファイナル。
ルーニーは強いし、メッシは抜群に速く、ビディッチは高い、まだまだ他にも・・・・。
その中でも、異質なほどにレベルの高い選手がいます。
バルセロナのシャビ・エルナンデスです。
彼の体格が、170センチ、68キロと日本人とあまり変わらない。
だから日本人も、とは言いますが、私には疑問です。
彼のように、全てを分かっているような選手は、近くて、最も遠い選手かもしれません。
彼のすごさは、まるで、バスケットボールをプレーしているかのように振舞えることでしょうか。
バスケットボールは、手でボールを扱います。
ある程度のレベルになれば、誰もがボールを見ることなく、ボールを扱っています。
ボールを見ているのは、ボールを受け取る瞬間だけでしょう。
今さら、ドリブルをするために、ターンをするために、ボールを注視することはありません。
普通、ボールタッチの瞬間ごとに、ボールに目を落とします。
初心者だと、ボールが来れば、ボールだけを見て、プレーをしてしまいます。
上達していくと、ボールだけを直接見ることは減るでしょう。
直接見るのは、ゴール、味方、相手、スペースなどの周りの状況です。
ボールを目の端で見るに止め、間接視野でボールを見るのです。
ところがシャビは、違います。
バスケットボールプレーヤーと同じことをしています。
ボールを持っているときに、ボールだけを見ている時間が、圧倒的に少ないのです。
とにかく、チャビは、顔を上げるタイミングが速い!
シャビがよく見せるプレーがあります。
足元におさめたボールを、様々な方向に持ち出して、パス、ドリブルをします。
斜め前45度にボールを持ち出し、相手の足からボールを遠ざける。
180度、進行方向の真後ろにターンし、一気に方向を変える。
その一連の流れが、スムーズなこと。
実際に実行しているプレーは、それほど難しいものではありません。
1つ、1つは、日本の小学生が習得しているような、ボールタッチであり、ターンなのです。
彼のすごさは、ボールを触る瞬間には、すでにボールを見ていないところです。
インサイド、アウトサイドが彼のボールタッチのほとんど。
足元のボールを、間接視野で、チラッと確認するかしないか、しないか。
ボールを持ち出すその時には、次の場所を完全に視野に収めています。
全てを見渡すかのように、ルックアップ、ルックアラウンドしながらの、ボールタッチ。
ショートパスなら、ボールを観ることなく、キックしてしまいます。
動きながらでも、相手DFを背負っていてもです。
ボールを間接視野にも収めていないから、遠くまで見渡せ、その範囲も広い。
ボールを見ている時間を減らした分だけ、周りを観て、認知する時間に使えている。
見ている時間が長いから、味方の動き出しや、相手のプレッシャーを見逃さない。
効果的なドリブル突破も、よどみないパス交換や、急所を付くパスも、これがベースになっている。
ある程度トレーニングすれば、誰もがボールを見ずにプレーすることも出来る
ただしそれは、プレッシャーが無い状態、少ない状態に限られるでしょう。
フリーに近い状態でボールを運んでいるなら、完全に顔を上げることも可能でしょう。
シャビのすごさは、あれだけ激しいプレッシャーを受けている中で、それを実行していることです。
まるで1人だけ、バスケットボールのポイントガードのように振舞っている。
彼は、試合の流れをその手に掴むかのように、豊富なプレービジョンを持っている。
そして、それを実行するだけの、技術の確かさがあること。
支えているものは、とにかく観ること。
ボールを持っているときでさえ、認知することを続けている。
これが、他の誰よりも速い、決断を支えている。
そんなシャビが出場し、いつものように振舞えば、勝利はFCバルセロナにあるのでしょうか・・。
さあ、明日は、どんな試合になるのでしょうか?!
2011年04月01日
あのゴール。
守備の戦術が高度化することによって、得点が減少している。
それにより、試合の楽しみが少なくなってしまった。
お決まりのように言われています。
確かに、結果を出すために、短期決戦、ノックアウト方式を乗り越えるためにはそれも仕方ない。
そういった流れは、止めることの出来ない流れなのでしょう。
守備を組織化できていないチームは、例え攻撃力が優れていても、チャンピオンにはなれない。
攻撃力溢れるチームを下支えしているのは、守備陣の奮闘が見られるものです。
その高度化された守備を打ち破るゴール。
高いレベルでの攻防があるからこそ、フットボールは面白い。
今回行われた、日本代表対Jリーグ選抜のチャリティーマッチ。
大勢の観客が集まり、視聴率も高かったようです。
皆で、何かをしよう!という気運が高まるきっかけになれば、いいですね。
その中で、三浦カズ選手が決めた、ゴール。
このゴールは、技術的にも、戦術的にも、素晴らしいゴールでした。
ここでは、技術面に絞って、書いてみます。
トップスピードで、走りこんで、ワンタッチシュート。
体の重心のコントロール、これを失敗すると、体勢が崩れてしまいます。
裏に抜けたはいいけど、ボールコントロールをミスしてしまう。
ボールに触る前に、体のバランスを整える必要があるでしょう。
トップスピードで走りこみながら、体の軸はぶれていません。
体のバランスを整え、スムーズにキックの動作に入れています。
そして、ボールが弾んでいる。
ハーフボレーでボールを捉えています。
弾んだボールが地面から上がってきた瞬間を捉えた、ボレーです。
このボレーは、ボールに力が伝わりやすいメリットがあります。
軽く触るだけで、ボールが飛んで行きます。
デメリットとしては、ボールが飛びすぎる。
上に、ふかすように飛んでしまいやすいのです。
今回のシュートは、しっかり抑えも効かせています。
腕と上半身を使って、かぶせている。
(左腕の使い方と、胸の角度)
さらに、シュートコースは、インサイドで、ゴール右上隅を狙っています。
体を左に少し倒しながら、ボールは逆の右にシュート。
しかも、GKが目の前まで、飛び出してきています。
GKのポジション、飛び出すタイミング、そして止まって構える対応。
これらは、ミス無く行われていました。
当然、シュートコースは、相当小さかったでしょう。
足首を固定し、インサイドの面を作り、ボールを捉えています。
ゴールにパスをするように、正確なキックが行われています。
動き出すタイミング、いわゆるオフザボールの動きも良かったです。
トゥーリオ選手が、競り勝つことを信じて、その裏に走りこんでいた。
GKが長いボールを、空中高く蹴り上げる。
トゥーリオが空中に飛び上がろうとし、相手DFも競り合おうとしている。
その瞬間です。
映像を観ると、カズ選手1人だけが、すでにトップスピードでゴールに向かっているのです。
まだ、ボールが来るかどうかは分からないのですが、来ると信じて。
ざっと書いてみても、今回のシュートは、そう単純なものでは無かった。
スローで繰り返し見ていると、そのすごさに、気づかされます。
しかも、トップスピードで、相手がいる中で、その技術が発揮された。
世界のトップレベルに追いつくために、まさに日本サッカー協会が求めている部分。
動きながらの技術、相手のついた状態で判断の伴う技術です。
トリッキーやアクロバティックではないけども、本当の技術です。
決して、偶然や、幸運ではない、素晴らしいシュートでした。
あのゴールには、彼の25年が詰まっている。
それにより、試合の楽しみが少なくなってしまった。
お決まりのように言われています。
確かに、結果を出すために、短期決戦、ノックアウト方式を乗り越えるためにはそれも仕方ない。
そういった流れは、止めることの出来ない流れなのでしょう。
守備を組織化できていないチームは、例え攻撃力が優れていても、チャンピオンにはなれない。
攻撃力溢れるチームを下支えしているのは、守備陣の奮闘が見られるものです。
その高度化された守備を打ち破るゴール。
高いレベルでの攻防があるからこそ、フットボールは面白い。
今回行われた、日本代表対Jリーグ選抜のチャリティーマッチ。
大勢の観客が集まり、視聴率も高かったようです。
皆で、何かをしよう!という気運が高まるきっかけになれば、いいですね。
その中で、三浦カズ選手が決めた、ゴール。
このゴールは、技術的にも、戦術的にも、素晴らしいゴールでした。
ここでは、技術面に絞って、書いてみます。
トップスピードで、走りこんで、ワンタッチシュート。
体の重心のコントロール、これを失敗すると、体勢が崩れてしまいます。
裏に抜けたはいいけど、ボールコントロールをミスしてしまう。
ボールに触る前に、体のバランスを整える必要があるでしょう。
トップスピードで走りこみながら、体の軸はぶれていません。
体のバランスを整え、スムーズにキックの動作に入れています。
そして、ボールが弾んでいる。
ハーフボレーでボールを捉えています。
弾んだボールが地面から上がってきた瞬間を捉えた、ボレーです。
このボレーは、ボールに力が伝わりやすいメリットがあります。
軽く触るだけで、ボールが飛んで行きます。
デメリットとしては、ボールが飛びすぎる。
上に、ふかすように飛んでしまいやすいのです。
今回のシュートは、しっかり抑えも効かせています。
腕と上半身を使って、かぶせている。
(左腕の使い方と、胸の角度)
さらに、シュートコースは、インサイドで、ゴール右上隅を狙っています。
体を左に少し倒しながら、ボールは逆の右にシュート。
しかも、GKが目の前まで、飛び出してきています。
GKのポジション、飛び出すタイミング、そして止まって構える対応。
これらは、ミス無く行われていました。
当然、シュートコースは、相当小さかったでしょう。
足首を固定し、インサイドの面を作り、ボールを捉えています。
ゴールにパスをするように、正確なキックが行われています。
動き出すタイミング、いわゆるオフザボールの動きも良かったです。
トゥーリオ選手が、競り勝つことを信じて、その裏に走りこんでいた。
GKが長いボールを、空中高く蹴り上げる。
トゥーリオが空中に飛び上がろうとし、相手DFも競り合おうとしている。
その瞬間です。
映像を観ると、カズ選手1人だけが、すでにトップスピードでゴールに向かっているのです。
まだ、ボールが来るかどうかは分からないのですが、来ると信じて。
ざっと書いてみても、今回のシュートは、そう単純なものでは無かった。
スローで繰り返し見ていると、そのすごさに、気づかされます。
しかも、トップスピードで、相手がいる中で、その技術が発揮された。
世界のトップレベルに追いつくために、まさに日本サッカー協会が求めている部分。
動きながらの技術、相手のついた状態で判断の伴う技術です。
トリッキーやアクロバティックではないけども、本当の技術です。
決して、偶然や、幸運ではない、素晴らしいシュートでした。
あのゴールには、彼の25年が詰まっている。
2011年03月01日
スルーパスとしてイメージ
攻撃の目的は?
これに対する答えは、もう既知の通り。
「ゴールを奪うため。」
「シュートを打つため。」
この2つが、模範解答といえます。
どちら?と言われても、それはコーチの主義主張によって、割れるところではあります。
試合終了のとき、相手よりも点数が多いチームが勝利するのが、フットボール。
攻撃の目的も、そこに向かっていくのです。
先日、紅白戦のハーフタイム、唐突に質問を受けました。
「どうすれば、シュートは決まるのですか?」
私に質問した彼は、シュートが決まらずに、悩んでいるのだそうです。
なおも続きます。
「強いボールを蹴るために、練習しているのだけど、なかなか上手くいかない。」
「インステップに当てて、バシーンと・・・。」
話を聞く限り、ゴールネットを揺さぶるような、シュートを打ちたい。
強いシュートを打てないから、ゴールが決まらない。
そのように考えているようでした。
『考え方を変えたら?』
私が、返事をしました。
『強いシュートが、必ずしも求められるわけではないよ。』
すると、彼も答えます。
「ジーコが言ってたけど、ゴールにパスをしろ!ていうやつ?」
ブラジル出身のジーコや、トニーニョセレーゾは、しばしば、シュートをパスに例えていました。
シュートは強さだけではなく、パスのイメージを持ちなさい、と。
彼の意見は、とても良い考え方だと思います。
ゴールの枠に飛ばないシュートは、どんなに惜しくても、得点の可能性は限りなく0です。
弱いシュートでも、枠の中に飛びさえすれば、ゴールの可能性は生まれるものですから。
他のブラジル人指導者も、面白いことを言っていました。
「シュートは、GKの手の届かないところに打つべきだ。」
この考え方も、「シュートはパス」に通ずるところがありますよね。
私は、彼の質問に次のように答えました。
『シュートを、スルーパスだと思って。』
『ゴールの枠と、GKの間のスペースに、スルーパスを通す意識でシュートを打つ』
彼は、質問で返してきました。
「強いシュートは必要ない、ということ?」
『そうではなく、距離が遠かったり、相手のGKが優れていたら、弱いスルーパスは通らない。』
『スルーパスを通すために必要なら、強いキックだよね。』
『それよりも、GKの届かないコースに。』
彼と共に、ピッチに向かいながら、このやり取りをしていました。
私も、質問してきた彼の、対戦相手のGKとして出場するからです。
試合で、劇的な瞬間が訪れました。
その彼が、ペナルティエリア内で、ボールを受けました。
左45度くらいの角度だったでしょうか。
ボールをコントロールして、ルックアップ。
GKとして対峙していた私も、ポジションをとり、構えます。
さあ、どんなシュートが来るのか?
彼は、インサイドとインフロントの間くらいで、回転を掛け、ファーサイドにシュート!
サイドネットぎりぎりに、外側から、巻いてくるようにボールが飛んできます。
私も反応しますが、届きません。
見事なシュートが、ゴール右隅に入りました。
次の瞬間、うれしそうな彼が、話しかけてきました。
「コース!!」
突き刺さったという感じではなく、まさにゴールにスルーパスを通した!
強烈な成功体験は、自らの自信へと変わるはずです。
彼は、これからも、ゴールへのスルーパスを狙い続けるのでしょう。
シュートの瞬間は、どうしても、テンションが上がりすぎるものです。
ゴールの枠と、GKとの間にあるスペースを見ようとする。
そうすると、精神的な駆け引きにも、負けないメンタルを持てるかもしれません。
1つの考え方に過ぎませんが、シュートをスルーパスとしてイメージしてみては?
これに対する答えは、もう既知の通り。
「ゴールを奪うため。」
「シュートを打つため。」
この2つが、模範解答といえます。
どちら?と言われても、それはコーチの主義主張によって、割れるところではあります。
試合終了のとき、相手よりも点数が多いチームが勝利するのが、フットボール。
攻撃の目的も、そこに向かっていくのです。
先日、紅白戦のハーフタイム、唐突に質問を受けました。
「どうすれば、シュートは決まるのですか?」
私に質問した彼は、シュートが決まらずに、悩んでいるのだそうです。
なおも続きます。
「強いボールを蹴るために、練習しているのだけど、なかなか上手くいかない。」
「インステップに当てて、バシーンと・・・。」
話を聞く限り、ゴールネットを揺さぶるような、シュートを打ちたい。
強いシュートを打てないから、ゴールが決まらない。
そのように考えているようでした。
『考え方を変えたら?』
私が、返事をしました。
『強いシュートが、必ずしも求められるわけではないよ。』
すると、彼も答えます。
「ジーコが言ってたけど、ゴールにパスをしろ!ていうやつ?」
ブラジル出身のジーコや、トニーニョセレーゾは、しばしば、シュートをパスに例えていました。
シュートは強さだけではなく、パスのイメージを持ちなさい、と。
彼の意見は、とても良い考え方だと思います。
ゴールの枠に飛ばないシュートは、どんなに惜しくても、得点の可能性は限りなく0です。
弱いシュートでも、枠の中に飛びさえすれば、ゴールの可能性は生まれるものですから。
他のブラジル人指導者も、面白いことを言っていました。
「シュートは、GKの手の届かないところに打つべきだ。」
この考え方も、「シュートはパス」に通ずるところがありますよね。
私は、彼の質問に次のように答えました。
『シュートを、スルーパスだと思って。』
『ゴールの枠と、GKの間のスペースに、スルーパスを通す意識でシュートを打つ』
彼は、質問で返してきました。
「強いシュートは必要ない、ということ?」
『そうではなく、距離が遠かったり、相手のGKが優れていたら、弱いスルーパスは通らない。』
『スルーパスを通すために必要なら、強いキックだよね。』
『それよりも、GKの届かないコースに。』
彼と共に、ピッチに向かいながら、このやり取りをしていました。
私も、質問してきた彼の、対戦相手のGKとして出場するからです。
試合で、劇的な瞬間が訪れました。
その彼が、ペナルティエリア内で、ボールを受けました。
左45度くらいの角度だったでしょうか。
ボールをコントロールして、ルックアップ。
GKとして対峙していた私も、ポジションをとり、構えます。
さあ、どんなシュートが来るのか?
彼は、インサイドとインフロントの間くらいで、回転を掛け、ファーサイドにシュート!
サイドネットぎりぎりに、外側から、巻いてくるようにボールが飛んできます。
私も反応しますが、届きません。
見事なシュートが、ゴール右隅に入りました。
次の瞬間、うれしそうな彼が、話しかけてきました。
「コース!!」
突き刺さったという感じではなく、まさにゴールにスルーパスを通した!
強烈な成功体験は、自らの自信へと変わるはずです。
彼は、これからも、ゴールへのスルーパスを狙い続けるのでしょう。
シュートの瞬間は、どうしても、テンションが上がりすぎるものです。
ゴールの枠と、GKとの間にあるスペースを見ようとする。
そうすると、精神的な駆け引きにも、負けないメンタルを持てるかもしれません。
1つの考え方に過ぎませんが、シュートをスルーパスとしてイメージしてみては?
2011年02月22日
遠藤がすごい、
「ガンバ大阪。」
Jリーグで一番良いチームは?と聞かれた、山形の小林監督の答えです。
攻守に渡って、今、一番良いチームである、と小林監督は考えているそうです。
スカパーで、Jリーグの情報番組を観ていました。
MCの野々村さんと、モンテディオ山形の小林監督が、 対談していました。
2人の信頼関係があるのか、ざっくばらんに対談が行われ、面白い話が聞けました。
その中で、冒頭のやり取りが出てきました。
一番良いチームは、ガンバ大阪。
さらに、遠藤がやはり、中心になっているとのこと。
小林監督が、ガンバ遠藤のすごさを、語ります。
「縦パスが違う」
「1つ横パスを出してる間に、FWが変なところに走っている。」
「DFの壁の後ろをぐるーっと回って、普通、そんなところに走らんやろ。」
「何でそんなところに、そこに縦パスが出る。」
常に、広い視野を保ちながら、プレーを行っている、遠藤。
だからこそ、様々なアイデアを出せる。
そのアイデアを実行する、高い技術を兼ね備え、チームの中心的な役割を担っているのです。
そして、遠藤のキックについて、触れていました。
「遠藤は、キックの時に下を向かない。」
「PKの時も、ショートコーナーの時も。」
キックの瞬間は、ボールを見て、インパクトしようとするものなのですが。
「遠藤は、顔を上げたまま、フイッと。」
「じいさん走り、ばあさん走りで、」
肩をいからせ、背中を丸めたポーズを取りながら、ユーモラスに説明していました。
冗談交じりではあるのですが、遠藤の技術力の高さに感服している様子でした。
J1チームの現役の監督が口にするくらいなのですから、別次元の高いレベルにあるのでしょう。
私は、7・8年ほど前に、この技術を目の当たりにしたことがあります。
芸能人、サッカー関係者が多く集まる私設リーグが、横浜で行われていました。
縁あって、その中のあるチームに呼ばれて、私も参加していたのです。
そして、対戦相手に、すごく有名な元プロ選手がいました。
現役当時は、日本代表(10番を背負っていました)で、誰もが憧れた、あの選手です。
運動量こそ落ちているものの、ボールコントロール、広い視野、キックの精度はすごい。
足元にボールが入れば、中盤の将軍として、周りとの違いを見せつけてくれます。
私は、対戦相手のセンターバック。
ものすごい、緊張感を持って、その試合に臨んでいたのを、今でも憶えています。
対戦相手は、中盤の将軍だけではなく、何人も元プロ選手や、フットサルのトップ選手が活躍。
気を抜いた瞬間に、あっという間にやられてしまうからです。
劣勢に進む試合で、あるシーンが訪れました。
私の左側にいるべきサイドバックが戻りきれておらず、相手にスペースを与えてしまっていました。
ピンチの予感がします。
相手がそれを見逃さず、選手の1人が左のスペースに走りこみます。
中盤の将軍が、右のアウトフロントでパスをしようとしました。
ボールを蹴ろうとしている面が、アウトフロントで作られているのを確認したのです。
私は、一連の動きを観て、スッと左のスペースをカバーリングしようと先読みしました。
内心、「読み勝った!獲れる!」と確信していました。
なにせ、中盤の将軍は、キックの体勢に入って、足を後ろに振り下ろし始めていた。
もう、左のスペースにしか蹴れない!はずでした。
ところが、次の瞬間、将軍が動きを変えたのです。
右のアウトサイドから、右のインフロントにとっさに変え、正面への縦パスに切り替えたのです。
そう、私の動きを20〜30M向こうから察知し、左から、正面にパスの出し先を変更。
私は逆を取られ、一番出させてはならない中央へのパスを許してしまったのです。
あまりのことに、私は何が起こったのか、最初は理解できませんでした。
将軍は、キックのフォームに入って、バックスイングを終え、振り下ろし始めていました。
普通なら、完全に、ボールを注視している段階のはず、でした。
それなのに、キックの行き先を変更してきた。
つまり、ボールを見ずに、DFの動きや、味方の動きを、まだ観ていた!
10M先へのインサイドキックならまだしも、20〜30M先へ、浮かしてボールを蹴る。
その瞬間に、ボールを見ていない!!
そして、アウトフロントでもインフロントでも、キックのフォームが変わらない。
ボールの置き所が変わらないことも、同時に意味しています。
同じフォームで、違うキックを蹴り分けることも、高い技術が無いと、簡単ではありません。
中盤の将軍の技術力の高さ、現役を引退して10年を過ぎていても、健在でした。
「やられた!さすが!」
失点してしまったのですが、良い経験をさせてもらった。
私は、相当の負けず嫌いなのですが、その時ばかりは、悔しさよりも、楽しくなってしまいました。
未だに、良い思い出として、私の頭に残っています。
世の中には、ボールをほとんど観ずに、正確なミドルパスを通してしまう選手がいる。
同じフォーム、同じボールの置き場所で、様々なキックを蹴り分けられる選手がいる。
もしこのことが可能なら、かなり、試合で有利に振舞えますよね。
ボールから、自由になる技術力の高さは、大きな武器です。
Jリーグで一番良いチームは?と聞かれた、山形の小林監督の答えです。
攻守に渡って、今、一番良いチームである、と小林監督は考えているそうです。
スカパーで、Jリーグの情報番組を観ていました。
MCの野々村さんと、モンテディオ山形の小林監督が、 対談していました。
2人の信頼関係があるのか、ざっくばらんに対談が行われ、面白い話が聞けました。
その中で、冒頭のやり取りが出てきました。
一番良いチームは、ガンバ大阪。
さらに、遠藤がやはり、中心になっているとのこと。
小林監督が、ガンバ遠藤のすごさを、語ります。
「縦パスが違う」
「1つ横パスを出してる間に、FWが変なところに走っている。」
「DFの壁の後ろをぐるーっと回って、普通、そんなところに走らんやろ。」
「何でそんなところに、そこに縦パスが出る。」
常に、広い視野を保ちながら、プレーを行っている、遠藤。
だからこそ、様々なアイデアを出せる。
そのアイデアを実行する、高い技術を兼ね備え、チームの中心的な役割を担っているのです。
そして、遠藤のキックについて、触れていました。
「遠藤は、キックの時に下を向かない。」
「PKの時も、ショートコーナーの時も。」
キックの瞬間は、ボールを見て、インパクトしようとするものなのですが。
「遠藤は、顔を上げたまま、フイッと。」
「じいさん走り、ばあさん走りで、」
肩をいからせ、背中を丸めたポーズを取りながら、ユーモラスに説明していました。
冗談交じりではあるのですが、遠藤の技術力の高さに感服している様子でした。
J1チームの現役の監督が口にするくらいなのですから、別次元の高いレベルにあるのでしょう。
私は、7・8年ほど前に、この技術を目の当たりにしたことがあります。
芸能人、サッカー関係者が多く集まる私設リーグが、横浜で行われていました。
縁あって、その中のあるチームに呼ばれて、私も参加していたのです。
そして、対戦相手に、すごく有名な元プロ選手がいました。
現役当時は、日本代表(10番を背負っていました)で、誰もが憧れた、あの選手です。
運動量こそ落ちているものの、ボールコントロール、広い視野、キックの精度はすごい。
足元にボールが入れば、中盤の将軍として、周りとの違いを見せつけてくれます。
私は、対戦相手のセンターバック。
ものすごい、緊張感を持って、その試合に臨んでいたのを、今でも憶えています。
対戦相手は、中盤の将軍だけではなく、何人も元プロ選手や、フットサルのトップ選手が活躍。
気を抜いた瞬間に、あっという間にやられてしまうからです。
劣勢に進む試合で、あるシーンが訪れました。
私の左側にいるべきサイドバックが戻りきれておらず、相手にスペースを与えてしまっていました。
ピンチの予感がします。
相手がそれを見逃さず、選手の1人が左のスペースに走りこみます。
中盤の将軍が、右のアウトフロントでパスをしようとしました。
ボールを蹴ろうとしている面が、アウトフロントで作られているのを確認したのです。
私は、一連の動きを観て、スッと左のスペースをカバーリングしようと先読みしました。
内心、「読み勝った!獲れる!」と確信していました。
なにせ、中盤の将軍は、キックの体勢に入って、足を後ろに振り下ろし始めていた。
もう、左のスペースにしか蹴れない!はずでした。
ところが、次の瞬間、将軍が動きを変えたのです。
右のアウトサイドから、右のインフロントにとっさに変え、正面への縦パスに切り替えたのです。
そう、私の動きを20〜30M向こうから察知し、左から、正面にパスの出し先を変更。
私は逆を取られ、一番出させてはならない中央へのパスを許してしまったのです。
あまりのことに、私は何が起こったのか、最初は理解できませんでした。
将軍は、キックのフォームに入って、バックスイングを終え、振り下ろし始めていました。
普通なら、完全に、ボールを注視している段階のはず、でした。
それなのに、キックの行き先を変更してきた。
つまり、ボールを見ずに、DFの動きや、味方の動きを、まだ観ていた!
10M先へのインサイドキックならまだしも、20〜30M先へ、浮かしてボールを蹴る。
その瞬間に、ボールを見ていない!!
そして、アウトフロントでもインフロントでも、キックのフォームが変わらない。
ボールの置き所が変わらないことも、同時に意味しています。
同じフォームで、違うキックを蹴り分けることも、高い技術が無いと、簡単ではありません。
中盤の将軍の技術力の高さ、現役を引退して10年を過ぎていても、健在でした。
「やられた!さすが!」
失点してしまったのですが、良い経験をさせてもらった。
私は、相当の負けず嫌いなのですが、その時ばかりは、悔しさよりも、楽しくなってしまいました。
未だに、良い思い出として、私の頭に残っています。
世の中には、ボールをほとんど観ずに、正確なミドルパスを通してしまう選手がいる。
同じフォーム、同じボールの置き場所で、様々なキックを蹴り分けられる選手がいる。
もしこのことが可能なら、かなり、試合で有利に振舞えますよね。
ボールから、自由になる技術力の高さは、大きな武器です。
2011年02月15日
ヘタ?な代表FW。
「岡崎、てヘタじゃないですか?」
先日、このようなことを質問されました。
さらに質問は続きました。
「最近少しはウマくなってきたけど。」
「点は獲ってるけど、弱いところから、固めどりしているだけでしょ。」
さて、岡崎 慎司選手は、ヘタなのでしょうか?
私の個人的な見解は、それは違う、ヘタではない、です。
ある選手に対して「サッカーがヘタ」というときには、どのようなことを指しているのか?
・ドリブルが得意でない。
・トラップのミスがある。
・パスの能力が低い。
日本では、主に、このような部分を目にして、サッカーがヘタだ、と言うのではないでしょうか。
ボール扱いが出来るかどうかが、「サッカーがウマイ、ヘタ」のバロメーターになっている。
リフティング、ドリブルの得意な選手を、ウマイ選手と、しばしば定義しているようです。
もちろん、ボール扱いは、フットボールの大切な要素です。
ボールを蹴飛ばして、走り回るだけの選手は、評価が低いのは当然でしょう。
そのような選手が22人揃った試合を見せられても、楽しくはないはずです。
さて、岡崎の特徴はの1つは、ボールが無いところの動きです。
・DFラインの背後(GKとDFとの間)のスペースを、常に狙っている。
・ゴール前にボールが入る瞬間、パワーを持って、飛び込んでくる。
・ポストプレーをしている味方の近くに入り込む。
これらの動きを飽きることなく、諦めることなく、何度も何度も繰り返します。
そして、シュートの機会を増やしています。
この、オフ・ザ・ボールの動きだけでも、彼は評価されるに値する選手だと思います。
しばしば、傲慢に思えるほど、ゴールを意識し、得点を狙い続ける。
相手DFにとってみれば、怖い存在に違いありません。
岡崎は、ボールを扱う部分でも、技術の高さを見せてくれます。
確かに、彼よりもボールタッチが柔らかい選手や、ドリブルが巧い選手はたくさんいるでしょう。
岡崎が優れているのは、ボールをミートし、ゴールの枠にボールを飛ばす技術です。
彼の代名詞でもある、ダイビングヘッド。
そして、ジャンプヘッド。
ボールの質に合わせて、頭の当てる部分を変えています。
このボールに対して、このスピードで走りこんだ、もしくは飛び込んだ。
どのような角度で、どれくらい当てれば、首を振れば(振らなければ)、ボールがどこに飛ぶのか?
彼は、その微妙な調整を、即座に出来る。
その瞬間に、体を動かせることが出来る。
トレーニングの積み重ねで、体に感覚として、刻み込んでいるのでしょう。
彼のゴールしなかった、ヘディングシュートを注意深く観ると、それが分かります。
体のどこかに当てて、ボールが運良く枠内に飛んでくれればいいや・・・。
ほとんどの場合、そうではないはずです。
GKの位置を観て、ボールのスピード・角度を観て、瞬時の判断で、決めに行っています。
しかも、フリーならまだしも、相手DFとの駆け引きの中で、これを行っている。
文章で書くと、短いのですが、簡単なことではありません。
彼のボールに合わせる姿、それは技術の高さを感じます。
昔、フランス代表、マルセイユ、ACミランで活躍した、ジャン・ピエール・パパン。
岡崎を見ていると、彼のプレーが思い出されます。
パパンの場合は、さらに豪快なボレーシュートや、オーバーヘッドキックも得意にしていました。
彼は、フランスリーグで、5年連続の得点王。
ヨーロッパ最優秀選手にも選ばれ、ユーロ選手権でも活躍しました。
漫画の世界のような、豪快なボレーシュートを、当たり前のようにゴールに突き刺す。
体をねじりながら、正確なヘディングシュートを決める。
私は、彼のことが好きで、キリンカップで観れた時には、興奮したものです。
彼はゴール後、両手を顔の前で掲げ喜びます。
その姿は、今でも忘れられません。
彼のビデオを、まだ手元に持っています。
ゴール集、そしてゴールを決めるための秘訣を、彼自身が語る、と言う内容です。
ヨーロッパ最優秀選手を獲得して、すぐに制作されたビデオです。
それによると、毎日、チームの練習後に、居残りでシュート練習をした。
クロスボールを上げてもらい、飛び込んでいく。
しかも、右からのボールが得意なので、右からのボールを中心にトレーニングしていた。
だから、試合で、右からのクロスをに合わせて、たくさんのゴールを上げ続けることが出来た。
ボールに合わせる感覚を、磨き続けたのです。
そして彼は、ビデオの中でも、こう言います。
「この賞を、控えGKに捧げる」
「いつも彼が、シュート練習に付き合ってくれたから、ゴールを上げることが出来た」
岡崎も、ヨーロッパの舞台に立つことが出来そうです。
彼のオフ・ザ・ボールの動きは相手の脅威になるでしょう。
そして、ボールにヘディングで合わせる感覚は、武器になるはずです。
試合に出て、周りに認められれば、ゴールを量産できる能力は持っています。
チームメイトとのコミュニケーションが大事でしょう。
どんなボールを、どのタイミングで出してもらえば、自分が活きるのか?
良いボールを出してもらわなければ、彼の良さは、出てきません。
一日も早く、チームメイトやコーチに、自分のキャラクターを理解してもらう。
それも、関西人の彼なら、それも難しくないはず。
ハツラツと、ピッチを躍動する姿を、早く観たいですね。
先日、このようなことを質問されました。
さらに質問は続きました。
「最近少しはウマくなってきたけど。」
「点は獲ってるけど、弱いところから、固めどりしているだけでしょ。」
さて、岡崎 慎司選手は、ヘタなのでしょうか?
私の個人的な見解は、それは違う、ヘタではない、です。
ある選手に対して「サッカーがヘタ」というときには、どのようなことを指しているのか?
・ドリブルが得意でない。
・トラップのミスがある。
・パスの能力が低い。
日本では、主に、このような部分を目にして、サッカーがヘタだ、と言うのではないでしょうか。
ボール扱いが出来るかどうかが、「サッカーがウマイ、ヘタ」のバロメーターになっている。
リフティング、ドリブルの得意な選手を、ウマイ選手と、しばしば定義しているようです。
もちろん、ボール扱いは、フットボールの大切な要素です。
ボールを蹴飛ばして、走り回るだけの選手は、評価が低いのは当然でしょう。
そのような選手が22人揃った試合を見せられても、楽しくはないはずです。
さて、岡崎の特徴はの1つは、ボールが無いところの動きです。
・DFラインの背後(GKとDFとの間)のスペースを、常に狙っている。
・ゴール前にボールが入る瞬間、パワーを持って、飛び込んでくる。
・ポストプレーをしている味方の近くに入り込む。
これらの動きを飽きることなく、諦めることなく、何度も何度も繰り返します。
そして、シュートの機会を増やしています。
この、オフ・ザ・ボールの動きだけでも、彼は評価されるに値する選手だと思います。
しばしば、傲慢に思えるほど、ゴールを意識し、得点を狙い続ける。
相手DFにとってみれば、怖い存在に違いありません。
岡崎は、ボールを扱う部分でも、技術の高さを見せてくれます。
確かに、彼よりもボールタッチが柔らかい選手や、ドリブルが巧い選手はたくさんいるでしょう。
岡崎が優れているのは、ボールをミートし、ゴールの枠にボールを飛ばす技術です。
彼の代名詞でもある、ダイビングヘッド。
そして、ジャンプヘッド。
ボールの質に合わせて、頭の当てる部分を変えています。
このボールに対して、このスピードで走りこんだ、もしくは飛び込んだ。
どのような角度で、どれくらい当てれば、首を振れば(振らなければ)、ボールがどこに飛ぶのか?
彼は、その微妙な調整を、即座に出来る。
その瞬間に、体を動かせることが出来る。
トレーニングの積み重ねで、体に感覚として、刻み込んでいるのでしょう。
彼のゴールしなかった、ヘディングシュートを注意深く観ると、それが分かります。
体のどこかに当てて、ボールが運良く枠内に飛んでくれればいいや・・・。
ほとんどの場合、そうではないはずです。
GKの位置を観て、ボールのスピード・角度を観て、瞬時の判断で、決めに行っています。
しかも、フリーならまだしも、相手DFとの駆け引きの中で、これを行っている。
文章で書くと、短いのですが、簡単なことではありません。
彼のボールに合わせる姿、それは技術の高さを感じます。
昔、フランス代表、マルセイユ、ACミランで活躍した、ジャン・ピエール・パパン。
岡崎を見ていると、彼のプレーが思い出されます。
パパンの場合は、さらに豪快なボレーシュートや、オーバーヘッドキックも得意にしていました。
彼は、フランスリーグで、5年連続の得点王。
ヨーロッパ最優秀選手にも選ばれ、ユーロ選手権でも活躍しました。
漫画の世界のような、豪快なボレーシュートを、当たり前のようにゴールに突き刺す。
体をねじりながら、正確なヘディングシュートを決める。
私は、彼のことが好きで、キリンカップで観れた時には、興奮したものです。
彼はゴール後、両手を顔の前で掲げ喜びます。
その姿は、今でも忘れられません。
彼のビデオを、まだ手元に持っています。
ゴール集、そしてゴールを決めるための秘訣を、彼自身が語る、と言う内容です。
ヨーロッパ最優秀選手を獲得して、すぐに制作されたビデオです。
それによると、毎日、チームの練習後に、居残りでシュート練習をした。
クロスボールを上げてもらい、飛び込んでいく。
しかも、右からのボールが得意なので、右からのボールを中心にトレーニングしていた。
だから、試合で、右からのクロスをに合わせて、たくさんのゴールを上げ続けることが出来た。
ボールに合わせる感覚を、磨き続けたのです。
そして彼は、ビデオの中でも、こう言います。
「この賞を、控えGKに捧げる」
「いつも彼が、シュート練習に付き合ってくれたから、ゴールを上げることが出来た」
岡崎も、ヨーロッパの舞台に立つことが出来そうです。
彼のオフ・ザ・ボールの動きは相手の脅威になるでしょう。
そして、ボールにヘディングで合わせる感覚は、武器になるはずです。
試合に出て、周りに認められれば、ゴールを量産できる能力は持っています。
チームメイトとのコミュニケーションが大事でしょう。
どんなボールを、どのタイミングで出してもらえば、自分が活きるのか?
良いボールを出してもらわなければ、彼の良さは、出てきません。
一日も早く、チームメイトやコーチに、自分のキャラクターを理解してもらう。
それも、関西人の彼なら、それも難しくないはず。
ハツラツと、ピッチを躍動する姿を、早く観たいですね。
2011年02月01日
決勝点のあのゴール。
李忠成の歴史に残る、ボレーシュート。
あの一発が決勝点となり、日本代表はアジアカップを制しました。
このボレーを、2つの側面から考えます。
・ボレーの技術
教科書に出てくるような、お手本になるボレーでした。
あのボレーを打つためには、幾つかのポイントがあります。
1つは、全身のバランスです。
体の横に来たボールを叩くためには、足を高く上げる必要があります。
ただ、足を高く上げるだけだと、上手くいきません。
足が思ったよりも上がらず、ボールの下を叩いて、シュートが上に上がってしまう。
もしくは、無理な体勢になるので、体のバランスを崩してしまう。
そうならないためには、上半身の使い方が求められます。
ボールに合わせ、足を高く上げた分だけ、上半身を寝かせていきます。
(結果として、地面と水平に近づいていくでしょう。)
そうすれば、無理なく、足を高く上げることが出来ます。
それだけだと、体が崩れる恐れがあります。
これを防ぐためには、両腕を広げて、バランスを取るのです。
李忠成のボレーは、これを忠実に遂行していたため、体の軸はぶれていません。
体の向きも良かったですね。
ボールが飛んで来た側(左サイド)と、ゴールの間くらいに、体を向けていました。
ゴールに正対していなかった。
つまり、体が開いていなかったのです。
体が開いてしまうと、ボールがファーサイドに切れてしまいやすい。
両腕を広げ、体を寝かし、体を開かない。
上半身のバランスは、バッチリでしたね。
さらに、蹴り足のスイングにもポイントがあります。
強いシュートを打つ!
この意識が強すぎると、つい、足を大きく振り回してしまいがちです。
よくあるのが、足はダイナミックに振っているのに、ボールはかす当たり・・・。
ボールの芯を捉えれなかったのです。
先ほどの、上半身のバランスを整えた状態から、膝を折りたたんでボールを待ち構える。
そして、膝を伸ばしながら、ボールの中心を捉える。
極端に言うと、曲げた膝を伸ばしていくだけで、充分なのです。
この時、蹴り足の膝がボールより上になるように調整し、かぶせるイメージを持つ。
そして足を振っていくと、上半身はさらに横に倒れるようになるでしょう。
これをギリギリまで我慢して、バランスを保とうとする。
バランスを崩さず、自然に蹴り足で着地していく。
膝をかぶせながら、ボールを叩けているでしょう。
・マークを外す動き
なぜ、李はあそこでフリーになれたのでしょうか。
100分戦った後で、疲れてしまったのでしょうか。
堅守を誇る、オーストラリアの守備陣にしては、信じられないようなミスですね。
その原因は、2つ考えられます。
1つは、岡崎、前田らの「残像」でしょう。
この大会を通して、日本代表は、サイドアタックに取り組んできました。
中で合わせる選手の動きが、良かった。
ボールが入ってくる瞬間に、走りこんでくる、飛び込んで来ています。
待ち構えることなく、パワーを持って、走りこんでいく。
身長で勝負できない分、このタイミングを重要視しているのでしょう。
余談ですが、今回のテレビ画面は観やすかったですね。
少し、引いた映像で試合を観ることが出来ました。
全体の動きを観るのには、適したズームでした。
この画面のおかげで、ボールを持っていない選手の動きも確認できました。
サイドからのボールに対して、ペナルティエリアの手前で待機している姿が分かりましたね。
そして、必ず、ニアに1枚、ファーに1枚。
特に、ニアに飛び込む選手は、欠かすことが無かったのではないか。
GKは間に合わない。
DFも一瞬遅れがちになる。
ニアの鼻先へ、走りこんで勝負していました。
この、繰り返し走りこんでいたFWの姿が、残像となって、相手DFの頭に染み付いていた?!
オーストラリアDFは、幻の残像をマークしてしまったのでしょうか。
もう1つのポイントは、李のボールを持っていない時の動きです。
オフ・ザ・ボールの動きなのですが、幾つかの工夫をしていました。
まず、左サイドで長友がドリブルを仕掛けているときです。
その瞬間、マークされていたオーストラリア3番の背中側に回りました。
ボールから遠ざかるように、やや右に動くのです。
この動きで、3番の死角に入ったのです。
完全に死角に入ることで、3番は、ボールと李とを同一視することが出来なくなりました。
その証拠に、クロスが上がる前に、3番が首を振って李を確認する姿があります。
つまり、3番は李の動きを、雰囲気でしか見えていないのです。
さらに、工夫は続きます。
李はニアに飛び込む素振りを見せました。
左足を大きく進行方向にステップイン。
ニアに走りこむことを、3番に印象付けました。
サッカーならチェックの動き、フットサルならフェイク(ガット)の動きと呼ばれているものです。
大きく鋭いステップで、マークを外すための予備動作として用いられます。
そして、3番がニアにつられた瞬間、バックステップと、クロスステップで中央に逃げました。
プルアウェイの動きです。
自らは視野を確保しながら、相手の視野の死角に入る。
李は、視野の確保の戦いに勝ったからこそ、フリーになることが出来たのです。
教本通りの、素晴らしい動きでした。
今回の文章を書くのに、何度も何度もボレーシュートを観返してみました。
何度見ても素晴らしいゴールでした。
ボールのある部分でも、ボールの無い部分でも、トレーニングの成果を見せてくれた。
普段の取り組みが、大舞台で発揮できた好例と言えます。
ラッキーボーイなどと表現するのは、失礼にあたる。
李のゴールは、それほど、必然性の塊から生まれています。
あの一発が決勝点となり、日本代表はアジアカップを制しました。
このボレーを、2つの側面から考えます。
・ボレーの技術
教科書に出てくるような、お手本になるボレーでした。
あのボレーを打つためには、幾つかのポイントがあります。
1つは、全身のバランスです。
体の横に来たボールを叩くためには、足を高く上げる必要があります。
ただ、足を高く上げるだけだと、上手くいきません。
足が思ったよりも上がらず、ボールの下を叩いて、シュートが上に上がってしまう。
もしくは、無理な体勢になるので、体のバランスを崩してしまう。
そうならないためには、上半身の使い方が求められます。
ボールに合わせ、足を高く上げた分だけ、上半身を寝かせていきます。
(結果として、地面と水平に近づいていくでしょう。)
そうすれば、無理なく、足を高く上げることが出来ます。
それだけだと、体が崩れる恐れがあります。
これを防ぐためには、両腕を広げて、バランスを取るのです。
李忠成のボレーは、これを忠実に遂行していたため、体の軸はぶれていません。
体の向きも良かったですね。
ボールが飛んで来た側(左サイド)と、ゴールの間くらいに、体を向けていました。
ゴールに正対していなかった。
つまり、体が開いていなかったのです。
体が開いてしまうと、ボールがファーサイドに切れてしまいやすい。
両腕を広げ、体を寝かし、体を開かない。
上半身のバランスは、バッチリでしたね。
さらに、蹴り足のスイングにもポイントがあります。
強いシュートを打つ!
この意識が強すぎると、つい、足を大きく振り回してしまいがちです。
よくあるのが、足はダイナミックに振っているのに、ボールはかす当たり・・・。
ボールの芯を捉えれなかったのです。
先ほどの、上半身のバランスを整えた状態から、膝を折りたたんでボールを待ち構える。
そして、膝を伸ばしながら、ボールの中心を捉える。
極端に言うと、曲げた膝を伸ばしていくだけで、充分なのです。
この時、蹴り足の膝がボールより上になるように調整し、かぶせるイメージを持つ。
そして足を振っていくと、上半身はさらに横に倒れるようになるでしょう。
これをギリギリまで我慢して、バランスを保とうとする。
バランスを崩さず、自然に蹴り足で着地していく。
膝をかぶせながら、ボールを叩けているでしょう。
・マークを外す動き
なぜ、李はあそこでフリーになれたのでしょうか。
100分戦った後で、疲れてしまったのでしょうか。
堅守を誇る、オーストラリアの守備陣にしては、信じられないようなミスですね。
その原因は、2つ考えられます。
1つは、岡崎、前田らの「残像」でしょう。
この大会を通して、日本代表は、サイドアタックに取り組んできました。
中で合わせる選手の動きが、良かった。
ボールが入ってくる瞬間に、走りこんでくる、飛び込んで来ています。
待ち構えることなく、パワーを持って、走りこんでいく。
身長で勝負できない分、このタイミングを重要視しているのでしょう。
余談ですが、今回のテレビ画面は観やすかったですね。
少し、引いた映像で試合を観ることが出来ました。
全体の動きを観るのには、適したズームでした。
この画面のおかげで、ボールを持っていない選手の動きも確認できました。
サイドからのボールに対して、ペナルティエリアの手前で待機している姿が分かりましたね。
そして、必ず、ニアに1枚、ファーに1枚。
特に、ニアに飛び込む選手は、欠かすことが無かったのではないか。
GKは間に合わない。
DFも一瞬遅れがちになる。
ニアの鼻先へ、走りこんで勝負していました。
この、繰り返し走りこんでいたFWの姿が、残像となって、相手DFの頭に染み付いていた?!
オーストラリアDFは、幻の残像をマークしてしまったのでしょうか。
もう1つのポイントは、李のボールを持っていない時の動きです。
オフ・ザ・ボールの動きなのですが、幾つかの工夫をしていました。
まず、左サイドで長友がドリブルを仕掛けているときです。
その瞬間、マークされていたオーストラリア3番の背中側に回りました。
ボールから遠ざかるように、やや右に動くのです。
この動きで、3番の死角に入ったのです。
完全に死角に入ることで、3番は、ボールと李とを同一視することが出来なくなりました。
その証拠に、クロスが上がる前に、3番が首を振って李を確認する姿があります。
つまり、3番は李の動きを、雰囲気でしか見えていないのです。
さらに、工夫は続きます。
李はニアに飛び込む素振りを見せました。
左足を大きく進行方向にステップイン。
ニアに走りこむことを、3番に印象付けました。
サッカーならチェックの動き、フットサルならフェイク(ガット)の動きと呼ばれているものです。
大きく鋭いステップで、マークを外すための予備動作として用いられます。
そして、3番がニアにつられた瞬間、バックステップと、クロスステップで中央に逃げました。
プルアウェイの動きです。
自らは視野を確保しながら、相手の視野の死角に入る。
李は、視野の確保の戦いに勝ったからこそ、フリーになることが出来たのです。
教本通りの、素晴らしい動きでした。
今回の文章を書くのに、何度も何度もボレーシュートを観返してみました。
何度見ても素晴らしいゴールでした。
ボールのある部分でも、ボールの無い部分でも、トレーニングの成果を見せてくれた。
普段の取り組みが、大舞台で発揮できた好例と言えます。
ラッキーボーイなどと表現するのは、失礼にあたる。
李のゴールは、それほど、必然性の塊から生まれています。

