2026年07月08日

スピードの基準を高く!

スピードの基準
ワールドカップの試合を スタンドで観戦して、改めて気づいたことがあります。
それはスピード。速いことです。

サッカーに求められるスピード。まずは走るスピード。 ランニングスピード。しかし、それだけではありません。
ボールのスピードパスピードシュートのスピード ドリブルのスピードコントロールのスピード。ボールを扱うテクニックのスピードです。
最後はシンキング スピード。 考える 速さ。早く 考えられるので ポジションを取るのが早かったり スペースを見つけて入るのが早い 攻守、守備から攻撃の切り替えが早い。

特にスピードを感じたのが スイスです。このスピードは ウォーミングアップから感じていました。どのチームも 定番 として ポゼッションのトレーニングを ウォーミングアップのメニューに取り入れます。
スイスは奪われた瞬間の切り替え 奪ってすぐのポジション取り。これが特に速い。この速さは実際に試合になっても生きてきました。
対戦相手である アルジェリアを置き去りにする。 何度も何度も繰り返していました。

つまり チームとして、選手に求める全てのスピードの基準が高いことが分かります。もっと スプリントのスピードを上げなくては。もっとパスピードをあげたい。チームとして切り替えを早く。この一つ一つの基準が高いおかげで チーム力が高い。それがスイス代表でした。

さらにスイス代表は異分子が1人含まれます。中盤の深い位置に君臨するジャカ。スピードあふれるランニングする選手たち。彼は1人スプリントを、ほぼしません。遅く、クラシックな香りがする選手です。ですがボールを受け、さばき、中盤を構成する。相手がいやらしい、仲間が喜ぶそんなパスを配球 し続けます。
この異分子である ジャカが、混ざっても組織が壊れていない。それどころか 組織がより強固のものになっている。

高いスピードの基準を持っている仲間たち。そして恐ろしく ハイレベルな異次元のジャカ。彼ら スイス代表がどこまで高い位置に登れるのか?目立つチームではありませんが 注目のチームです。
posted by プロコーチ at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年06月24日

ヨーロッパ組の低迷?

今大会。ヨーロッパの調子がイマイチ?の印象がありました。
ヨーロッパ組を2つに分けます。
ストレートに予選を突破した国。プレーオフに回ってしまった国。
勝ち点獲得率(平均勝ち点)の比較
​ストレート組の平均勝ち点: 4.17 (12カ国で合計勝ち点50)
​プレーオフ組の平均勝ち点: 1.25 (4カ国で合計勝ち点5)

ここまで明らかに統計で差が出るとは思いませんでした。
ヨーロッパ組の調子が悪いのでは無く、プレーオフから進出してきた国が勝てていない。

考えられるのは2つ。
ピーキングの難しさ
プレーオフ組は2026年3月の最終予選プレーオフにチームの全エネルギー(戦術的、肉体的、精神的)を注ぎ込まざるを得ませんでした。そこからわずか2〜3ヶ月で本大会へ向けて再度チームをピークに持っていくのは、コンディショニング的に極めて難しいのではないか。

スカウティングの準備不足
本大会に向けたスカウティングのリードタイムが、物理的に短いです。
早くに本大会出場を決め、対戦国の分析や対策に半年以上の時間をかけられたストレート組は、相手に対して戦術的なアジャストが非常に早いです。一方で、直前まで本大会行きが不透明だったPO組は、本大会の対戦国(特に非欧州国)に対する戦術的な準備不足を感じます。
ここから巻き返せるか?
諦めること無く粘り強く、プレーオフを勝ち抜いた。その力を持っているはずなので、このままでは終わらない!はずです。
posted by プロコーチ at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年06月17日

感動の90分

カーボベルデ。
不勉強で知りませんでした。カーボベルデのようなチームを観れるのが、ワールドカップ、最高の喜びの一つです。
最近のトレンドではない、少し前のタイプの守備組織。私が好きな守り方でもあります。
4バックのゾーンディフェンスを基本とした 守備 スタイル。
2列目の飛び出しや サイドバックのオーバーラップに対しては 中盤が下がって 対応。
構えるだけでなく ボールが入った瞬間にはボールにしっかり詰めることができている
キックオフ数分からずっと、テレビの前で興奮。あっという間の90分でした
凄まじい運動量と、高い集中力を求められる守備組織。最後に体を張れる魂。
それらを可能にする、元々有する手足の長さ。無理が効く体の使い方。
しかも、あれだけ守備して、ファールは1回しか取られていない。
フェアにタフに戦い抜いた。
格上の相手と試合をする時の、教科書に載せたいレベルです。
攻撃はしっかり 両サイドが開き ビルドアップしようとする。幅と深さを作り 間に人がたち 教科書通りのポジショニング。ビルドアップにおいては もう少し 工夫があった方がいいかなとは思いました。
アフリカ系の国はつい集中力が切れがち。90分 最後までチームのために戦う選手たち。感動すら覚えました。
監督の手腕なのか?次の試合が、楽しみです。
posted by プロコーチ at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月18日

免除するか、全員に同じタスクか

 ワールドカップもいよいよ決勝戦を残すのみとなりました。

決勝戦は楽しみですが、お祭りの最後はさみしい気持ちにもなりますね。

フランス対アルゼンチンという、優勝経験がある国同士の対決。

試合を分けるポイントは、あのエースの2人です。







 フランスにはエンバペ、アルゼンチンにはメッシ。

ここまで、5得点ずつ奪い、チーム内でも、大会全体でも得点王の2人。

どちらがゴールを決めて、チームを勝利に導くのか?

見どころは、そこだけではありません。




 2人に共通している事があります。

それは、守備を免除されているということです。

一見、二人とも守備をしているようにも見えますが?

実際には、守備の局面では、最低限のことしかしていません。

自分の近くにボールが来たら、寄せる。

隣の選手が寄せたら、自分のスペースを埋める。

彼らのタスクはこれくらいでしょうか。

(ボールを奪われたら追いかける、このプレーはさぼらずにやってます。
 ですが、攻撃から守備への移り変わりの局面ですので厳密には違います)

実は、このタスクすら、サボっています。

攻め残って、自分のポジションに戻らないこともしばしば。

自分のタスクを放棄していると言われても、仕方ないかもしれない。










 でも、これは監督も、チームメイトも分かっている。

「あいつには、守備を期待しない。その代わり攻撃で決定的な仕事をしてくれればOK」

エースの2人が得点、決定機の創出という結果で応え続けている。

そこで、監督やチームメイトは、こう考えます。

「メッシの(エンバペ)の分まで守備のタスクを引き受けよう」








 この考えは、相手に弱みを見せることにもなります。

アルゼンチンは、最前線のメッシが守備をしないため、前線からの守備が上手く行かない。

相手の最終ラインが余裕を持って、ボールをつなぎ、ボールを持ち出す。

ボールを受けたボランチも、背後から挟まれることもないので、彼らが周囲を観る時間が生まれている。

DFラインは下がり、ボールを奪う位置が低くなってしまう。

日本のFW前田や浅野があれだけ前線から走り回っていた姿とは、大違いですよね。






フランスの場合は、左サイドを崩されてしまう。

左のウイングに位置するエンバペ。

守備の局面になっても、ゆっくり歩いていることも。

その結果、左サイドの守備が後手に回ってしまう。

枚数も足りませんしね。



モロッコ戦では、相手のストロングポイントがまさにこの位置。

ハキミとジエシュの2人が面白いようにドリブルやパスで崩していました。

はっきり言って、フランスの左サイドの守備は崩壊。

他の試合でも後手に回ることはありましたが、ここまで崩されたのは初めて。

フランスのデシャン監督も我慢できずに、左サイドにテュラムを送り込みました。

エンバペを中央に回して、応急処置を施しました。









 JFAの講習会では、この言葉を必ず耳にします。

現代のサッカーでは、守備を免除される選手はいない。

全員が攻撃に、守備に、積極的に関わらなければならない、と。

日本代表は、この言葉の通りに、全員で戦い、スペイン・ドイルを撃破し、ベスト16へ進出しました。

でも、アルゼンチンとフランスは、1人だけ守備を免除される選手を配置しています。

エースの彼らが試合を決定づけるプレーを見せるのか?

それともチームの穴になってしまうのか?

これが、試合の大きな分岐点になるでしょう。

さて、残り1試合楽しみましょう!!
posted by プロコーチ at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月09日

PK戦とは何か。

ベスト16、クロアチア戦。

残念ながら、PK戦で敗れてしまいました。

途中から、勝ちたい!よりも負けたくない!気持ちが増していったように感じましたね。

リスクはあるでしょうが、勝つためにどうすれば?!というプレーが見たかったです。

特に、後半から出てきた切り札の三苫選手。

彼が守備に回る機会が多かった。

守備でもかなりの貢献をしてくれていました。

でも、あえて攻め残るようなポジショニングもありでしょう。

それは、伊東純也選手に言えます。

例えば、フランスのエンバペ選手。

彼はかなり守備をサボっていました。

でも、チームとしてそれを許容し、カバーし合っていたように見えます。

その分、ゴール!という結果が求められるエンバペ。

そしてゴールを見事に叩き込み、ベスト8にチームを連れて行きました。

これも、戦略であり、チームプレーです。







日本が敗れた、PK戦についてまとめておきます。

・先攻になれば勝率は高い。(→ABBA方式の導入が検討されている)

・交代で入った選手が優先的に蹴るべき。

・PK戦は運ゲー、コイントスなどではない。準備により勝率は高まる。

・ゴールはGKと分析班との共同作業で守る。

・自分たちのサポーターがいるサイドで行いたい。



PKは大別すると2種類。

・コースを予め決めて、蹴り込む。

・GKと駆け引きして逆に蹴る。(遠藤やネイマール)

どちらにしても、メンタルが占める要素が高い。

スポーツ心理学に基づいてトレーニングすべきです。

トレーニングの最後にリラックスしてするのではメンタルの部分が向上しません。

試合の状況を再現しながら、緊張感を高めてトレーニングをする。

120分戦った後にPK戦を実施することを考えれば、フィジカルを上げる、しんどい内容のあとに実施するのもいいかなと思います。





選手には、2種類のうち、どちらの蹴り方をするとしても、徹底したいことがあります。

・ボールを手でセットすること。レフェリーがセットしてくれても置き直すこと。

・毎回、同じ助走をすること。

・笛が吹かれても、自分のタイミングでキックを始動させること。

これら全てがルーティンになり、どんな大舞台でも同じ力を発揮することを助けます。

イチローのあれも、五郎丸のあれも、ルーティン。

トレーニングの時から、ルーティンをすることが大切です。

この視点で見れば、日本の選手は蹴り急いでいたように感じました。

この空間、時間は俺のためにある。くらい、自分のタイミングでPKに臨めば、結果は違ったかもしれません。







最後に一つ強調しておきます。

フットボールの能力とは違うものが求められるので、PKの実力を高める必要があります。

くれぐれも、運が全てではありません。

本人が運が全てだと思ったとしても、指導者として、そのように伝えることは決して出来ないのです。

カタールでの日本代表の戦いは、終わってしまいました。

でも、ワールドカップは続きます。

最後まで盛り上がり、見届けましょう。
posted by プロコーチ at 17:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月05日

お手本となる好チームとの対決

クロアチアのスタイル。

それは決まったものがないのがスタイルとでも言うでしょうか。

チームとして特筆すべき他との差異も無ければ、目立ってしまう弱点もありません。

当たり前のことを当たり前にプレーする。

しかも、かなりのハイレベルで。

全ての基準が高いのです。

日本にとってもお手本になるようなチームです。





  しかも、彼らは勝負にこだわり、粘り強く、集団で戦い続けます。

後半になってもメンタルは壊れず、最後の最後まで戦い続けます。

前回のロシアW杯。

決勝トーナメントの1回戦から3試合連続で延長戦の120分を(内2試合はPK戦)戦いました。

疲れが蓄積し、足が止まって不利なのでは?との予想も当たりません。

彼らは最後の最後までハードワークを続けました。

まるで今大会の日本代表のようではありませんか。

ドイツやスペインのように後半になったら足が止まり、圧力が弱まることは期待できません。

日本得意の後半勝負!後半になれば勝機が来るとは思えないのです。







クロアチア。

彼らの戦いはオーソドックスです。

攻撃においては、1−4−3(中盤は逆三角形)−3のシステムがベースになります。

両サイドバックも攻撃に積極的に関わります。

ボール保持の局面では、1−2−3−2−3に見えるでしょう。

中盤の三人に素晴らしいタレントが並びます。

メガクラブで主力を張る、コバチッチ(チェルシー)、ブロゾビッチ(インテル)、モドリッチ(レアル・マドリード)。

彼らが流動的にポジションを変えながら基点となり組み立てる。

サイドにボールが展開されたら、サイドバックがスピードに乗ってオーバーラップ。

サイドを崩し切ってマイナスのクロスをPKマークに入れるのが、最も狙っている形だと思われます。








 守備においては、3つの陣形を使い分けながら、試合を進めます。

ミドルサードでは、1−4−1−4−1。

両サイドのウイングが中盤に入り、どっしりと構える。

後ろが少し重たいので、ボールを奪う位置が低くなりがちですが、相手の中盤にスペースを与えないことを重要視しているのでしょう。

これをベースにしながら、前に奪いにいく時は、システムを崩します。

前から順番にマンツーマンで相手を捕まえに行きます。

ここで選手の並びは重要視していません。

とにかく相手を捕まえて、ボール狩りに行くのです。

一方、相手に攻められた時は、中盤のセンターの1人が最終ラインに落ちます。

(サイドバックとセンターバックとの間に)そして1−5−4−1に変形。

サイドのスペースで相手をフリーにさせない。

そして中央にセンターバックを残して空中戦を制する。

これが目的。

自分たちのタイミングで、ボールに対して後ろから前に強く寄せてボールを奪う。







 攻守において5つのシステムを使い分ける彼ら。

これは特別方法ではありません。

攻守における彼らの設計図は、あまりにオーソドックス。

教科書に書いてあるような、現代のヨーロッパでは有名であり、たくさんのクラブが実践している内容です。

ヨーロッパで活躍する選手の多い日本代表にとっても、全く珍しくないはずです。

ただし、一つ一つの精度や、強度が高いのです。

彼らの実践している基準の高さは、見ていて勉強になりますね。







では、そんな彼らと、どのように戦い、勝利に向かっていくのか?

守備においては、森保監督は、1−5−4−1のサンフレッチェ型を用意しているのでしょうか。

相手は3トップ。中央に1枚、両サイドにアタッカー。

最後尾を3バックにすると、中央のCBが2枚余ってダブついてしまう。

相手のサイドアタッカーをウイングバックがマークします。

すると相手SBのオーバーラップをマークするのはシャドーの選手。

少し相手が攻めてくると9枚が後ろにへばりつく。

後ろが不必要に重たく、相手ゴールが遠くなりやすいです。







 私が今回お薦めするのは、1−4−2−3-1です。

このシステムの方が、相手と噛み合い、効率の良い守備ができるからです。

4バックならセンターバックの2人でどちらかがセンターフォワードをマーク、もう1人がカバー。

両ウイングをサイドバックでマーク。

相手のインサイドハーフをボランチ2枚でマーク。

ボランチはトップ下が見る。

相手のサイドバックのオーバーラップはサイドアタッカーがケア。

というように、一人一人の担当が分かりやすく、責任がはっきりします。

そして人につく守備をする傾向がある日本は、すんなりとこのプランを遂行できます。

相手の長所を押さえる傾向のある森保監督は、この方法がプランにあるのではないでしょうか。








  攻撃でポイントとなるのは、横、斜めです。

直線的な動き、縦パスは、通用しない。

クロアチアの守備陣は、後ろから前にガツンと奪いにいく、ボールを弾き返すのを得意としています。

その一方、横の動きに対する対応は脆さがあります。

ボールを保持したら横に揺さぶる。

サイドチェンジや、フェイントからのカットインは特に有効だと思います。

とはいえ浅い位置からの単純なクロスは全く通用しないでしょう。

横に揺さぶりたいですね。







相手の攻撃の特徴として、攻撃になったら幅を作るためにサイドの選手が拡がる。

かつ中盤の3選手が流動的にポジションを変えながら攻める、というものがあります。

ボールを高い位置で奪ってからのカウンターアタックは、とても有効です。

奪った瞬間、たくさんのスペースを相手に渡してしまうのがクロアチア。

そして、能力の高い中盤の3選手だからこそ、良くない状況でも自信満々にボールを保持している。

ここに日本のプレッシングで奪うチャンスが必ずあるはずです。

何度外されても諦めずに複数で囲んでボールを奪い、素早いカウンターアタックは有効です。







 もう一つの得点の匂いは、GKです。

相手GKのリバコビッチ。

ビッグセーブもありシュートストップに力を発揮します。

ですが、彼はニアサイドを守ろうとする意識が少し強すぎる。

そしてサイドにボールがあるときは、そのポジショニングや飛び出しが命取りになる。

GKを超えてファーサイドにボールを送り込む。簡単に被ってしまうことがあるでしょう。

スペイン戦の三苫の折り返しに田中が飛び込んだ、あのイメージです。






 クロアチアはタレントも優れていて、チームとしての成熟度も高い。

日本代表とクロアチア代表を比べると、クロアチアの方が身長で5センチ高く体重で3キロ重い。

まるで1学年上の選手と試合をするくらいの体格の差があります。

その大柄な彼らが集団として機能し、諦めずに戦い抜くメンタルもある。

本当に難敵です。

ですが、グループリーグを通して同じ選手がプレーを続けている。

そして選手の高齢化も進んでいる。

一方、我々日本代表は、ターンオーバーも駆使し、多くの選手が試合に出ている。

つまり、相手よりもフレッシュな選手が多い。

そして暑さにも慣れていて、我慢強い国民性は夕方の暑さも吹き飛ばすはず。

コンディションの良さでは日本に歩があるでしょう。

試合展開としては、我慢比べをしながら、延長戦まで持ち込み勝利を目指すのが、得策かな?と思います。

さあ、歴史の証人になるべく応援しましょう。
posted by プロコーチ at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月01日

おすすめはガスペリーニ、ビエルサ、ミシャ

 いよいよ決戦のスペイン戦。

なんとしても、勝ち点1以上を奪わなくてはならない。







 超強豪スペイン相手に、どのような試合をすれば良いのでしょうか。

そのためにスペインの指導、戦術を少しだけお勉強。

3つほど戦術のコンセプトを知れば、彼らの闘い方が見えてきます。

・デスマルケ(相手のマークを外すアクション)

・エントレリネアス(ライン間の意味、そこから相手のラインとラインの間を活用すること)

まずは、この2つは常時繰り返されています。

これ無くして、スペインのサッカーは成り立たないと言っても過言ではないでしょう。

マークを外してボールを受ける、人と人との間で受ける・受けようとする。

このふたつのアクションを活用しながら、ボールを保持し、相手の穴を作り出し、ゴールを目指しています。









 ただ、これだけだど、整備された守備組織は崩せないことも出てきます。

相手が、集結し、バランスを取り続け、集中してマークを続けている状態です。

その時に大切になるのがもう一つのコンセプト、

・エスパシオリブレ(自由なスペースの意味、実際にはスペースを作り、代わりに他の選手に活用させるアクション)

ポジションチェンジまでは行かないのですが、動きを増やし、流動性を高めるのです。

ドイツに先取点を奪われた時の、PKを与えたシーンがイメージしやすいでしょう。

あの時は、サイドの選手が中に入って相手のマーク(酒井宏樹)きて、外にスペースを創出。

空いたスペースに後ろから選手が飛び出してきました。

絵に書いたようなエスパシオリブレの成功例です。











 これらのアクションを繰り返す、スペイン。

どのように対抗すれば良いのでしょうか。

おそらく考えられるのは、1−9(5−4)−1の布陣を敷いて、人海戦術で守ること。

サンフレッチェスタイルですね。

元サンフレッチェのミキッチも、俺たちのやり方だ!と語っていたとか。

ドイツ戦の成功体験があるので、最初からか、途中から採用することは十分にありそうです。

これも一つの方法だど思います。

ここから点を奪うには、サイドアタッカー(ミキッチ、柏)の躍動と、2シャドー(ウタカや柴崎、ドゥグラス)の飛び出し。

この辺りがポイントになりそうです。













 でも私のおすすめは、これではありません。

ガスペリーニ、ビエルサと書けば、勘のいい方ならピンと来ますね。

オールコートマンツーマン、もしくはマンツーマン主体の守備システムの構築です。

森保監督の師匠とも言える、ミシャ監督。

彼が、近年、川崎フロンターレや横浜マリノス対策で用いています。

ボールや人が流動的に動いても、目の前の選手についていく。

そうすれば、エントレリネアスも、エスパシオリブレも無効化できます。

そもそもスペースもライン間も無くしてしまうからです。

相手のミスを誘い、ボールを刈り取り、背後に飛び出してゴールを目指す。

ジェフ、代表のオシムさんも、このやり方をよく採用していましたね。

ダイナミックで躍動的で、見ている人を魅了してくれました。

戦力的に下回るチームの選択肢としては、いまだに有効だと思います。








 ただ、マンツーマンでついていくときに、デスマルケには注意しなくてはならない。

1人マークを外されると、全部が狂ってしまうのがこのやり方。

ドリブル突破も同じ理由で許してはなりません。

おそらくこのやり方は採用しないでしょうが、このようなアイデアもあることを知ってほしい。

急に採用するのは、リスクが高すぎるからです。

この提案は私の個人的な趣向でしょう。








 ただ一つだけ知ってて欲しいこと。

ご自分が体験した方法だけが、サッカーの全てではないということ。

世界には様々なサッカーが存在します。

様々なサッカーを知ることで、豊かになれると思います。

そのためにも、ワールドカップをたっぷり楽しんでください。
posted by プロコーチ at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ズレを活かすか、ズラさないか

 コスタリカ戦は残念な結果に終わってしまいました。

そして、内容も凡戦でした。

負けてしまったのは、もちろん予定外。

ただし、内容が凡戦だったのは、森保監督のイメージ通り。






 試合の開始は、私の予想?願望?であった、川崎フロンターレカラーの強いものでした。

田中碧こそいないものの。

システムもテレビの表記こそ1−4−2−3−1でしたが、実際は中盤に鎌田が入る時間も長く1−4−3−3とも言えるもの。

ボールを保持しながら、相手を動かし、崩す試合をするように見えました。

が、鎌田のポジショニングと、上田綺世のボールのターゲットとしての役割がうまく、はまらない。

相手の組織力がそれほど高くないので、チャンスにはなりかけますが、決定的な形にならない。

そうこうしている内に、相手が5バックに変更。

私は、これはチャンス!と思いました。

そのほうが中盤にスペースが生まれるので、よりボールを保持してサイドを崩し切る機会が増えるのでは?

相手と噛み合わずに、フリーになる選手も出てくる。

そこを基点にすれば、どんどんズレが生まれ、相手の対応が後手になるはず!









 でも、その希望はすぐに無くなりました。

それは、日本代表も、相手に合わせるように、5バックにシステムチェンジを。

相手の動きに対して、ズレを作らずに対応する方法を選んだのです。

確かにこうすれば、相手の動きを抑えることが楽になるでしょう。

誰が、誰に付くのかがお互いに明確になりますからね。

しかも日本代表はポジションチェンジや、スペースを作って侵入するプレーも少ない。

結果として、ピンチにはならないけど、チャンスも作れない。

時間が過ぎていく、クローズドな展開になりました。

三苫や伊東が仕掛けれる状態でボールを持てないのも、残念ながら分かっていたのでしょう。








 ズレは無くなり(意図的に)、時間が過ぎていきました。

0−0でも構わない。

いい形ができれば、1点くらい取れるかも?

ただし、ピンチは作らないぞ。

ですので、あの盛り上がりに欠ける内容はプラン通り。

ただ一つの誤算は、ミスから失点しまったことなのでしょう。

監督として、その判断はあり得るものだと思います。












 さて、グループリーグ最終戦、スペイン戦。

私たちは幸せだと思います。

スペインも有利とはいえ、グループリーグの突破を決めていない。

コンディションも上がってきているスペインと、本気の勝負がワールドカップで出来るのです。

日本サッカー界においても、宝物のような時間です。

偉大なる目標の一つであり、調子も良い国と真剣勝負ができるのですからね。

1瞬、1秒も目を離さずに、歴史の証人になりましょう。
posted by プロコーチ at 00:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月27日

オーストラリア戦にヒントあり

 コスタリカ代表をどのように攻略するのか?

コスタリカと言えば、堅守速攻。

粘り強い守備からカウンターやセットプレーでゴールを目指す。

このイメージは、2014年ブラジルワールドカップでの成功からでしょう。

当時、私も現地でコスタリカの試合を観戦しました。



ポイントは5バック。

統率の取れた5バックが、見事にラインコントロールしながら、守備を行う。

4枚のDFラインでさえ、ズレが生じるものなのに、5枚でスムーズな上下動。

(2002年のトルシエ監督はラインコントロールを極めるために3人でしたよね)

中盤の選手も献身的に上下動を繰り返し、チームとして組織していました。

「リコー、リコー」とサポーターの声援を受けて、最後までは走りぬきました。

ギリシャを倒し、ベスト8を勝ち取った瞬間、ピッチの全員とスタンドとが一つのチームでした。







 それは、8年前のイメージです。

4年前のロシア大会の時も、堅守と呼ぶには疑問な守備組織でした。

そして、今回のカタールワールドカップ。

8年前の面影は、ほぼありません。

ケイラー・ナバスが守護神であることは変わりませんが、守備組織は違います。

これはスペインに負けたから、というわけではありません。





 本大会前の最終予選、プレーオフ。

そして、あの0-7のスペイン戦。

彼らは4バックがメインのシステム、1-4-4-2。

ゾーンディフェンスで相手を網にかける方法と、前からハメにくる方法を使い分けようとします。

ただし、これは時間の経過とともに、崩れていきます。

勝手に人についていく選手、ゾーンを守る選手、ポジショニングをサボる選手。

崩れた立ち位置なのですが、無理やり、ボールに人に寄せていきます。

後手に回ることもしばしば。

それでも予選で失点が少ないのは、ナバスが守護神だから。

そして相手が勝手にミスをしてくれているから。

結果的に失点が少ないだけなのです。

スペイン戦では前半途中から、4バックを諦め、5バックに変更し、なんとかスペースを埋めて対応。

しようとしましたね。

でも、組織が無いので、本物の攻撃を止めることは出来ない。









 では、我々日本代表は、このコスタリカをどのように攻略し、勝利を収めればよいのか?

ヒントは、最終予選のオーストラリア戦ではないでしょうか。

アウェーでの厳しい試合でしたが、三苫の2ゴールで、本大会出場を決めたあの試合。

日本代表(1-4-3-3)
権田
山根、吉田、板倉、長友(63分 中山)
遠藤、守田、田中碧(84分 原口)
伊東、浅野(63分 上田)、南野拓実(84分 三笘)

メンバーに川崎フロンターレ派閥が5人もいます。

この時のシステム、人選を持ち込むのはどうでしょうか。

彼らは相手が引くのも、ゾーンを組むのも、ボールに食いつくのも慣れている。

攻撃の局面においては、素晴らしく力を発揮してくれるはずです。

(守備の時間が長くなってしまう試合では、残念ながら不向き。)

ボールを動かしながら、相手を外し、いなし、動かして、じわじわと足を弱らせる。

そして、空いてきた隙間を崩し、ゴールを陥れる。

先取点も田中からのパスを山根と守田がワンツー、最後に三苫が飛び込んでゴール。

このゴールの形こそが、狙うべき形。






 コスタリカを崩すためには?

守備組織が強固ではないとはいえ、アジアレベルではありません。

中央突破や、サイドからの簡単なクロスが入るとは思えない。

(スペインは何度も中央を崩し、ゴールも決めましたが、彼らは参考にはならない)

コスタリカの守備の弱点、それはゴールを背にしながら前向きに守備が出来ない時。

相手に深い位置まで侵入される、そしてマイナスに戻すようなクロスへの対応は苦手。

DFラインはただただ下がるでしょう。

MFラインはマークを見失う。

深い位置から、PKのマーク辺りにグラウンダーのプルのクロスを送りこみたい。

ここからシュートを打てば、さすがのナバスの牙城も崩せるでしょう。










 そして、もう一つのコスタリカの弱点。

クイックリスタートへの反応です。

接触プレーで倒れると、座り込んでレフェリーに対してファールのアピール。

時計が進むと、その傾向は強くなります。

相手を倒してしまったときに、俺は何もしていないよアピールもしてくる傾向。

日本代表は、賢くたくましくプレーすれば、チャンスがあるでしょう。

相手の反則の瞬間に、さっとクイックリスタート。

ファールのアピールがあっても、笛が鳴るまでプレーを止めない。

相手のリズムでなく、自分たちのリズムを崩さないことでしょう。










 コスタリカは、乗ってくると止めるのが難しい。

セットプレーやカウンターで、先取点を与え、相手のリズムになってしまえば、敗れる可能性も十分にあるでしょう。

日本がドイツ戦で見せてくれた、一体感を持ち、粘り強い戦いをすれば、勝てる可能性は高い。

勝利を信じて、カタールに声援を届けましょう!!

posted by プロコーチ at 03:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月25日

ドイツ戦の前半。

 歓喜の日本対ドイツ戦

日本は2つの守備プランを用意していました。

あまりにも当たり前ですが、高い位置での守備と押し込まれた時の守備。

それがうまく行かなかった理由は、次のように考えられます。




まずは、高い位置での守備。

相手の布陣を4バック+2CMFと読む。

2センターバックには、1トップ前田とトップ下の鎌田を横並びにして当てる。

両サイドバックには、久保と伊東の両サイドハーフが当たる。

CMF(セントラルMF)には遠藤と田中蒼が当たる。

マンツーマンとは言わないものの、責任をはっきりさせて、同数で守備。

狙いとしては、奪うというよりも前進させたくない?

もちろん奪って速い攻撃はイメージしているでしょうが、簡単に前に進ませないことを優先したようにみえました。




 これが上手くいかなかった理由は、ドイツが左肩上がりの変則の4バックだったから。

そして、空けておいたスペースを中盤の選手が活用したから。

右サイドバックは上がらずに、センターバックのように振る舞う。

逆サイドの左のサイドバックは、左サイドハーフのように。

そして、変則的にポジションを取ることにより、

空いた右サイドバックがいるであろうポジションにミュラーが、入ってくる。

ミュラーがズレを作ると、周りが連動して、ボールを受けに来る。

一番抑えたい、キミッヒやギュンドアンの中央すらもフリーになってしまう。

全くと言っていいほど、プラン通りにはハマりませんでした。












 もう一つのプランは押し込まれた時のプランです。

まずは、4バックが中央を固める。

その前にボランチの2人が立ち、ブロックを形成する。

相手のサイドバックが上がってきたら、サイドハーフが下がって対応する。

前線の2人は、相手のCMFを監視する。

まあ、定石通りの方法でしょうか。




これが破綻してしまったのは、守備陣の人への意識が強すぎたことではないか?

ゾーンのように配置はするものの、人の動きに付いていっていました。

これは指示によるものだと考えられます。

相手のレベルが低く、出し手と受け手の関係だけでサッカーをするチームには有効です。

ただ、3人目の動きや、スペースを作りスペースに入ってくるような動きには弱い。

ポジションチェンジをする相手にも、釣られてしまいますね。

人への意識が強く、後手に回ってしまった。

PKを与えたシーンは典型でしょう。

正しくゾーンDFで守っていれば、あの位置に、あのタイミングで人がいないことは考えにくいです。









高い位置での守備、低い位置での守備。

どちらも、上手く機能していませんでした。

この状態で、前半のうちは2失点目をしなかったことが、大きな勝因と言えるでしょう。

全員での気迫こもったボールへの執着心ですね。

ただ、これをどこまで計算していたのかは、私には分かりません。


後半は、1-9(5-4)-1に変更し、勝利したのはご存知の通り。

良い守備が、良い攻撃を生み出していましたね。


posted by プロコーチ at 18:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月22日

1-9(5-4)-1かな?

 カタールワールドカップが開幕しました。

熱戦が続いています。

アジア勢などの欧州・南米以外が苦労しているようです。

特にヨーロッパがシーズン中の大会。

例年なら、長く厳しい戦いを終えた選手たちは疲弊しきっている。

ところが今大会は違います。

ヨーロッパのトップリーグで活躍している選手がそのまま活躍しそうです。







 そう考えると、日本が相対する、ドイツ、スペインというのはアンラッキーでしょうか?

グループリーグの3試合。

一番可能性が高いのは、ドイツ戦だと思います。

それは、ドイツが優勝候補であるからです。

ドイツは当然決勝戦まで意識して、準備を進めているでしょう。

決勝戦は12月18日。

約1か月も先です。

こんなにトップコンディションを維持できない。

優勝候補の国々は、ベスト8の12月10日前後に照準を合わせているはず。

日本と対戦する11月23日は、まだまだピークとは言い難いコンディションでしょう。

ここに日本が付け入るスキがあると思われます。









 そして、日本代表のメンバーを見た時に、森保監督はどのような試合展開を意識しているのか?

勝手に、これを想像してみました。

ヒントは、広島時代の戦い方。

3バックの両脇を下げて、5バックにし、両サイドのスペースを埋めてしまう。

中盤もボランチ2枚に加えて、シャドーの2枚も下がる。

そして、9人で(5-4)のブロックを形成。

低い位置で粘り強く守る。

相手を引き込んで、カウンターアタックでゴールを目指す。

失点の少ない、計算できる戦い方で、広島時代は優勝を重ねましたよね。








 大会前に相手チームをスカウティング。

ボールを保持して、コンビネーションでゴールに迫る方法は成り立たない。

それなら、守備と守備から攻撃の2局面が戦いのカギを握ると考えたのでしょう。

つまり、相手を引き込み、低い位置でボールを奪い、相手の背後にスプリントしてカウンターアタック。

そのために、長い距離をスプリント出来るアタッカーを選んでいます。

大迫でなく、原口でなく、浅野や前田に伊東。

そして、3バック出来るようにCBの人材も豊富。

長いボール一発でゴールに迫れる、柴崎も残しています。

1-9(5-4)-1。

昨年の欧州王者チェルシーが、引きこもる時の戦い方がイメージしやすいでしょうか。







 この戦い方で勝つ、もしくは引き分けで勝ち点を得るためには、絶対条件があります。

それは、先取点を与えないこと。

出来るだけ0-0の時間を長くすることです。

全員が体を張って、守備をする。

もちろんGKのビッグセーブも欠かせない。

そうすれば、勝ち点獲得も見えて来そうです。





 つまらない戦い方なので、選手から不平不満の声が上がるかも?知れません。

ベンチ・スタッフも含め一体となり戦う必要もあるでしょうね。

試合中にベンチが映し出されます。

ベンチの姿が、一つの目安になります。

その時に、「お!ベンチも戦っているな!」と感じるのか?

それとも、「?」ベンチに座り込んで談笑している選手が一人でもいたら厳しい。

引いて守るのは、難しい。

レベルが高い相手だと尚更です。

スペース無くても、こじ開けてくるのが、トップオブトップの国々。

大量失点での敗退も十分が考えられます。









 ご存知のように、W杯は初戦が大切。

日本代表も、初戦を引き分け以上ならば、グループリーグを突破しています。

2002年日韓引き分け、2010年南アフリカ勝利、2018年モスクワ勝利。

一方、初戦で敗れた年は、必ず敗退しています。

1998年フランス、2006年ドイツ、2014年ブラジル。

初戦で勝ち点1をなんとかもぎ取りたいのです。

我々、サポーター、JFAファミリーも一体となって戦いたいですね。

posted by プロコーチ at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月22日

高校選手権決勝から

 少し前になりますが、高校選手権の決勝を観戦することが出来ました。

毎年のように観戦していましたが、昨年はご存知のように観戦出来ませんでした。

(今もかんせんと入れて変換しようとすると観戦ではなく、感染と出てきてしまいます。。。)

高校選手権は、単なるサッカーファンというよりも、選手権と言うものそのものを大切にしたい。

そんな気持ちが随所から伝わってきました。

新国立のスタンドは、4万人を超える大観衆でしたが、静寂に包まれていました。

ボソボソという話し声は聞こえても、歓声は上がりません。

良いプレーヤ、応援のための拍手だけが響き渡ります。

静寂の中で選手の声や、ボールを蹴る音、体のぶつかり合う音が聞こえてくる空間。

以前に観戦に行ったブラインドサッカーを思い出しました。








 試合は、青森山田高校が、大津高校を圧倒し、優勝しました。

内容以上の差を感じました。

何よりも、大津高校の良さが全く出てこない。

パスを受けるためのアクションが皆無。

サポートポジションについたり、マークを外す、体の向きを作り続ける。

そんな動きがあまりにも少ない。

大津の選手たちが、臆病に見えてしまいました。

それくらい、青森山田のプレッシャーが強かったのでしょう。

スタンドから観ていても、その差は歴然。

50/50のボールは常に青森山田のもの。

いつも、ボールに対して先に動き、体をぶつけ、積極的にボールに向かう。

多少不利な体勢からでも、体を捻じ込んでマイボールにしてしまうのです。

その迫力!

大津は、青森山田の起こす、大きな渦に巻き込まれているかのようでした。








 この試合を観ていて、少し昔の高校選手権の決勝戦を思い出しました。

2008年の86回大会。

流通経済大附属柏対藤枝東の決勝戦。

この試合を旧国立で観戦していました。

古豪である藤枝東の応援団のバスが、大挙して押しよせ、国立は満員。

立見が出るほどの大賑わいでした。

私も仲間と国立に行ったのですが、席が無く、立ったまま観戦していたのが懐かしいです。

藤枝東の古豪復活を期待する空気がスタンドにはありました。

試合が始まると、流経柏の中盤へのプレスと激しいマークが印象的。

藤枝東の中盤は、のちにエスパルスで活躍する河井陽介が何もさせてもらえない。

パスが全く繋がらない。

寄せられてはミス、パスを出した先で失うことが繰り返されていました。

まさに流経柏が、藤枝東を大きな渦の中に巻き込んでしまったのです。

ちなみに、高校3冠を勝ち取った流経柏には、同じくエスパルスなどで活躍している大前元紀がいました。








 時代や、スタジアムが変わっても、高校選手権は引き継がれている。

それが源になり、100回の歴史を刻んだのでしょう。

次の冬も、さらにその次も、選手権が続いていますように。

第150回大会の観戦に行きたいものです!
posted by プロコーチ at 01:40| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月03日

可能性はある。

 オリンピック男子サッカー。
いよいよ、準決勝のスペイン戦です。
国際タイトルへのファイナリストがかかった大きな試合を体験出来る。
しかも、相手はスペイン。
それだけでも、日本サッカーにとって、意義のある試合だと思います。

 相手は超強豪のスペイン。
勝ち目はあるのでしょうか。
そもそも森保監督は、真剣にメダルを取るためのメンバーを選んでいます。
強い相手、主導権を握られ押し込まれる展開を想定しています。

・オーバーエイジ枠の全てを最終ラインで使用。
もし圧倒して勝ちたいならば、FWの大迫や攻撃的な南野を招集していたでしょう。
吉田、冨安、酒井宏樹を並べたことで、後ろが安定し、締まった試合展開が可能になっています。
そして、押し込まれたとしても、崩壊することなく、粘り強く耐えられるでしょう。

・上田綺世、前田大然、三笘薫。
相手が攻めてくれば攻めてくるほど、彼らの力が発揮されるでしょう。
ボールを奪う、相手の背後のスペース。
カウンターアタックの局面では、彼らが輝きます。
つまり、ボールを保持しながら攻めてくるであろうスペインとの相性は、抜群です。



 これらの武器を活かすための条件としては、早い時間帯で先制点を与えないこと。
少なくとも前半は失点をしない。
ロースコアの展開を続けながら、カウンターのチャンスをうかがう。
セットプレーで失点をしない。
そうすれば、勝利の可能性は高まると思います。

 そして、日本開催の恩恵が受けられるます。
戦い慣れたスタジアム。
高温多湿への適応。
コンディション調整のアドバンテージ。
何よりも、我々の声ならぬ気持ち。
テレビ観戦ですが、信じて熱く楽しみましょう!
posted by プロコーチ at 16:09| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月30日

ロングスロー問題

 サッカー高校選手権。

なんとか、全日程を終わらせることができましたね。

関係者の皆さんの英断と頑張りに、心から感謝したいです。

20年ほど、毎年のようにスタンドで観戦していたので、少し寂しい気持ちもあります。

来年こそ、当たり前のように、スタンドから観たいものです。






 今回、なぜかロングスローが、敵視されていました。

今に始まった事ではないのに。

あれは、サッカーではないのではないか?

観ていてつまらない、好きではないと言う意見を述べるのは自由です。

でも、ルールによって定められた範囲内で、正々堂々と行っているプレーですからね。

文句を言われる筋合いは、ないはずです。








 中田英寿や財前がいた時のU17ワールドカップ。

30年近く前の、世代別の世界大会。

あの時、キックインが導入されました。

スムーズな展開を期待して、試験的に運用されたようです。

結局、その後、正式には採用されませんでしたね。

日本代表もそうでしたが、時間をとって、ロングボールを放り込むチームがいた。

その結果、リスタートに余計に時間はかかるわ、展開はつまらなくなるわで不採用。

そんな流れだったかと思います。

このキックインからのロングボールにしても、ルールに準じて実行しています。

その中で工夫をして、勝率を高めるために何をすべきか?しているだけなのですがね。









 ロングボールはしばしば、槍玉に上がります。

ボールの蹴り合いになると、展開が大雑把になり、面白くない。

選手の技術、判断する力の向上を阻害するという観点も、育成年代では問題に挙がります。

バーモントカップと呼ばれる、小学生年代のフットサル全国大会。

ここでは、GKのキックやスローに制限がかかります。

ノーバウンドで、ハーフウェーラインを超えたら、反則。

相手ボールの間接フリーキックで再開となるルールは、かなり浸透していますね。

リスクを恐れたチームが、ボールを前方に蹴飛ばすことを繰り返す。

それでは、ボールを受ける動きや、パス、ドリブルの判断、相手のプレッシャーを見極める力などが育たない。

だから、運任せとも言える、ロングボールを減らす意味合いで、このルールが導入されている。



ただし、このルールの範囲内で、ロングボールを蹴るチームが出てきます。

GKのそばでトスを受けたフィールドプレーヤーが、ボレーキックで相手陣地に蹴り込むのです。

これなら、GKから直接超えていないので、当然反則にはなりません。

ルールを採用した意図など関係ないのでしょう。

タイトルのかかった一発勝負のトーナメントですから、負けたくない気持ちが勝っているのでしょう。









 高校年代までは、ロングスローは、選手の成長を阻害する。

だから、ロングスローを投げられないように、特別ルールを適用する!

と、仮になっても、その裏をかいて、ルールの抜け道を探すプレーが生まれるでしょう。

結局のところ、ロングスローが問題なのではなく、高校年代の注目されすぎるトーナメント戦が問題なのではないか。

まだまだ高校選手権での宣伝効果は、相当大きいものがあるでしょう。

ここで好成績を収め、注目を集めれば、学校経営にもプラスになる。

特に私学にとっては、死活問題でしょうから、キレイゴトだけでは済ませられない。









 しばらく、毎回、ロングスローは無くならないでしょう。

今回も、上位進出校は、ロングスローを投げられる選手を起用し、試合の中で活用していました。

それならば、ロングスローをピンチにさせないように、GKやDFの能力を高めること。

自らも、ロングスローを織り交ぜながら、攻撃を組み立てる。

ロングスローはあるものとして、チームを構成して行く必要に迫られている。
posted by プロコーチ at 00:40| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月10日

共通するもの

 選手権。

この季節に選手権と言えば、全国高校サッカー選手権大会ですよね。

98回もの歴史を刻んでいます。

アマチュアの高校年代の大会に、たくさんの観客が詰めかける。

そして、新聞やネットのニュースで取り上げられ、全国でテレビ放送される。

注目度や、観客動員数はJ2の試合すら超えているのではないでしょうか。











 選手権には、問題が浮かんで来ていますが、その影響力は絶大です。

4000もの参加高を有する選手権があるから、この年代の子供たちが、プレーできている。

選手権の引力により、彼らの情熱が引き付けれている。

もちろん、強豪校における、補欠の問題や、トーナメント方式による弊害はあります。

それを差し引いても、選手権には、フットボール文化を盛り上げている貢献度はあまりに高い。

私も、4試合ほど、スタンドで観戦しました。

ピッチからの熱が伝わってきて、心地いいですね。













 試合を観ていて、二つのトレンドを感じました。

・ボールを足元にピタッと止めるボールコンロール(トラップ)が主流。

・相手を遅らせ、スペースを埋める守備が目立つ。

この二つにより、ボールを大切に自らで組み立てながら、失点を減らす試合が成り立っている。

以前のように、運任せに長いボールを、お互い蹴り続ける試合展開が減ったと思います。

昔のように、1人、2人のスターがいれば、躍進できる。

みんなで守って、限られた個人の才能に頼る方法では、勝てなくなってきている。

高校サッカー、日本サッカーの進歩と言えるのではないでしょうか。














 その一方で、その二つのトレンドの弊害も見られます。

まず、ボールを足元に止めることで、スピードアップができない。

一度足元に入れてから、プレーが始まる。

スペースに持ち出すのも、一度足元に止めて、2タッチ目で持ち出す。

そのため、スピードが上がらない。

相手DFの外で回している間はいいのですが、いざ崩しの局面になった時には、どうでしょう。

相手が頑張って対応する時間を与えてしまっている。

なおかつ、パススピードも上がって来ないので、守れてしまいます。













 さらに、もう一つのトレンドである、遅らせる守備。

スペースは埋めているけど、ボールへのチャレンジが弱い。

1stDFが寄せ切ってボールを奪うシーンがとても少ないのです。

守備には行っているが、迫力を感じない。

(唯一、青森山田の強度は別格で、強くチャレンジしていました。)

相手のミスを待っているようにも感じます。

もっと、自分たちで意図的にボールを奪うシーンを見たいです。












 この二つが両チームで起こるのです。

予定調和でゲームが進みます。

スピードを上げないポゼッションと寄せない守備。

「どこでボールを奪いたいの?」

「いつゴールを目指すの?」「どのように崩したいの?」

スタンドで観戦しながら、ぶつぶつ独り言が漏れていました。










 そして、昨日、あることに気が付きました。

その二つのトレンドは、U23の日本代表でも見て取れたのです。

攻撃でボールは持っているが、スピードが上がらない。

相手にとっては、あまり怖くない攻撃だったのではないか。

そして、当たらない守備。

いつまでたっても、ボールに寄せない。

抜かれないこと、スペースを埋めることを優先させている?

選手権との違いは、相手は予定調和ではないこと。

サウジの選手は、多少強引にでも、ゴールに目指してきました。

ズルズルと下がって、何度もピンチを迎えます。

この問題は、高校選手権と共通していました。












 日本国内だけでプレーしている時は、今のままでいいのかもしれません。

でも、今のままでは、成長は止まってしまいそうです。

今のトレンドに上積みするものを、見てみたい。

残るは、準決勝と、決勝。

さて、違うものを見せてくれるのでしょうか。

楽しみに待ちましょう。








 




posted by プロコーチ at 13:05| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月19日

本質の確認…攻撃

 盛り上がっていますね。

ラグビーワールドカップ。

私も何とかチケットを購入し、観戦してきました。

ラグビーのルール分かるの?などと聞かれます。

子供のころから、実はテレビで観ていました。

松尾、平尾、堀越、今泉、吉田。

新日鉄釜石、神戸製鋼、早稲田対明治は記憶にあります。











 でも、変わりましたね。

一番は、ゲームのテンポ。

もっと、ボールの周辺で、ぶつかり合い、もみ合いが長かった。

だからこそ、ミスターラグビー平尾さんの、あのステップがより輝いて見えました。

今は、どの選手も、走れる、闘える、ぶつかれる。

バックスの選手が大きくたくましく、フォワードの選手は素早くなっています。

それは、日本のラグビーが成長した証であるでしょうし、ラグビーという競技そのものの進歩。

我々のフットボールと同じで、より高いレベルのフィジカルが求められている。

より速く、よりたくましく、でも高いテクニックと判断は大切に。













 私が観戦したのは、熊谷の競技場です。

ラグビー専門の競技場だけあって、選手が近い!

柏や三ツ沢、昔の神戸中央で観ているような臨場感。

横国だと、テレビ映えはするのでしょうが、あの熱はないでしょうね。

それも、我々と同じでした。

フィジカルコンタクトが繰り返される分、さらに熱さが伝わって来ました。











 ラグビーは、前方向に進むことが難しい。

手でのパスは自分の横、後ろのみ。

前に進む方法は、キックか、ボールを持って突進の2択。

ボールを横に動かすのは、そこまで難しくない。

相手DFも、ルールで定められているので、ボールより後ろで待っていますから。

でも、横に動かすだけでは、すぐに詰まってしまう。

追い詰められて、前方に逃げ出すようなキック。

相手にボールを奪われて、攻撃のチャンスを失ってしまいます。














 フットボール的な考えしか出来ませんが、大切なことが見えました。

それは、ゴールに向かって進むこと。

ゴールに向かって突っ込んでいく。

すると、相手DFがそこに集まってくる。

ボール周辺にサポートをして、すぐに新たな展開をする。

相手を集結させておいて、展開する。

相手の反応、我々で言うところのスライドが遅れたら、さらに前に進んでいく。

この前に進む、つまりゴールに向かうことがキーポイントではないか。











 パスが目的になってしまう。

そんな攻撃は怖くない。

ボールを失わずに、前に進む。

ボールホルダーは、まずゴールに向かう。

それ以外の14人は、サポートをする。

ボール近くは、次の受け手に。

ボールの遠くの選手は、広がって幅を作る。

先にポジションを取ることで、相手DFに反応させる。

この繰り返しで、攻撃のベースが成り立っている印象。














 これは、フットボールにも通じる本質です。

まず、ゴールに向かう。

だから、相手選手がゴールを守ろうと集結してくる。

だから、他が空いてくる。

忘れてはならない本質を教えてもらいました。



posted by プロコーチ at 12:18| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月20日

南米のサッカーて、そうなんだ…1

 コパアメリカ。

堪能出来ましたか?

南米のサッカーが、ここまで話題に上がる時期は、ここ最近無かったのではないでしょうか。

近年、世界のフットボールシーンと言えば、ヨーロッパ。

チャンピオンズリーグ好試合、クラシコ、各国のダービーマッチ。

誰が活躍して、どのような戦術で、審判のジャッジが、応援が。

世界のスタンダードは、ヨーロッパにこそある!

それが、世界も、日本も当たり前の価値観のようですね。







 旧トヨタカップ、現クラブワールドカップ。

一昔前は、ヨーロッパと南米、どちらが勝つのか!?

手に汗を握る熱戦が繰り広げられていました。

まさに、クラブ世界一決定戦の名前にふさわしい、戦いでした。

戦績を見てみます。

80年代は、南米7勝、ヨーロッパ3勝。

90年代に逆転、南米3勝、ヨーロッパ7勝。

2000年代は、南米2勝、ヨーロッパ3勝。

ここまでは、ヨーロッパ有利になりつつある趨勢の中でも、南米勢が意地を見せる展開でした。

ここ最近は、クラブワールドカップと名前が変わり、レギュレーションも変わりました。

それ以降は、南米4勝、ヨーロッパ10勝。

ここ6大会は、ヨーロッパのクラブが連勝中。

圧倒的なクラブの力の差を、ヨーロッパ勢が見せつけています。












 そのヨーロッパのクラブで、南米の選手がたくさん活躍しています。

アタッカーだけに限らず、DF、GKまでも。

今回のコパアメリカでも、各国のエース級や、主力のほとんどはヨーロッパのクラブに在籍していましたね。

その彼らが、見せてもくれたし、魅せてもくれました。

我々日本代表にいい経験の場を与えてくれました。

そして、ヨーロッパのフットボールか、Jリーグが基準の日本人サポーター。

ここに向けて、素晴らしい授業をしてくれた。

今回のコパアメリカは、そのように感じています。

正直、まだ力の差がありましたね。

20年前のコパアメリカでは、1分け2敗、勝ち点1しか取れず、グループリーグ敗退。

今回のコパアメリカでは、2分け1敗、勝ち点2で、同じくグループリーグ敗退。

20年で我々は、進歩したつもりでいました。

ワールドカップ常連国、たくさんの選手がヨーロッパで活躍している。

でも、増えた勝ち点は、たったの1。

実質U23代表だったとは言え、悔しさが残ります。










 南米サッカーを観て、・・・・なんですね。

たくさんの感想や疑問を聞かせてもらいました。

その中から、幾つかを取り上げて、少しだけ解説していきたいと思います。



posted by プロコーチ at 02:27| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月14日

もっとこだわれ!

 ワールドカップが開幕ですね。

フランスで開催されている、女子ワールドカップ。

我らがなでしこジャパンは、強豪国の1つに数えられていますよね。

2011年の優勝、2015年は準優勝。

その前は3大会連続でグループリーグ敗退ですから、この10数年の躍進は素晴らしいことですね。


初戦、アルゼンチン代表との戦いは、0対0の引き分け。

試合後、歓喜にあふれるアルゼンチンの選手とベンチ、スタッフ。

その一方で落ち込む、日本側。

そのコントラストは、対照的でした。

もし男子なら、開幕戦でアルゼンチンと引き分けれたら、逆の気味で大ニュースになりますよね。













 さて、このアルゼンチン戦での引き分けで、「なでしこ、大丈夫か?!」

このような論調であふれています。

試合を観ていても、チーム力の差は歴然としていました。

グループとして、ボールを動かす能力は、日本が上。

常にボールを保持しながら、試合を進めて行きます。

アルゼンチンもそれを分かっていて、高い位置からボールを奪いには来ない。

ハーフウェーラインよりも後ろに撤退して、閉じこもる。

特に中央を固めようとしている。

入ってきたら、厳しく、激しく、プレッシャーをかけてきました。

日本は、ボールを回すものの、大きなチャンスにはならない。

相手の中に入っていくことが、出来ない。

上手いのですが、怖くない、それがなでしこの攻撃になってしまっていまいした。














 アルゼンチンの選手たちは、個人としての戦う能力に優れていました。

男子と同じですね。

骨太の選手たちが、体ごと、ボールに寄せてくる。

至近距離だと、ガシガシ、ゴリゴリとぶつかってきます。

攻撃だと、体を使ってボールをキープする選手。

特に、お尻や背中を、先に相手にぶつけてきます。

ドシッ、ガン、と相手に先にコンタクトしてから、ボールをキープをしてくる。

90分を通して、柔道の乱取りや、相撲のぶつかりげいこをしているかのよう。












 日本の選手は、気後れしているように見えました。

その証拠に、縦パスを受けた選手のアクションです。

高い位置でボールを保持しよう、そこでポイントになろうとすると、ぶつかられてしまう。

奪われる可能性が高い、プレッシャーが厳しいと感じたのでしょう。

縦パスを受けた選手が、逃げるように、ゴールから遠ざかりながら、離れていく。

そして、パスの出し手も、奪われるの恐れているのか、パスのずれが多く見られました。

アタッキングサードでのボールロストが多い。

結果、その周辺でのパス回しになってしまう。











 統計を見ると、アルゼンチンのタックルの回数が、50回近くと多い。

そして、そのタックルを受けた日本の選手は、74%の確率でロストしてしまう。

つまり、4回に3回もボールを失っているのです。

FWでプレーした、菅沢選手は7回中6回のボールロスト。

横山選手は、6回中5回のボールロスト。

アタッキングサードでのパス成功率は、60%台。

中央の高い位置で、ボールが全くおさまらない。

そして、パスがつながらなっていない。

ボールを握っているのは日本でしたが、試合の主導権を実質握っていたのは、アルゼンチンでした。











 これを観て、どう思うのか?

あのプレッシャーでは厳しいから、そこを避けて、試合を進めるのか?

それは、違うはずです。

日本の女子選手は、高いレベルでボールを動かすことを目標に、プレーを続けています。

相手のプレッシャーがあっても、タックルが厳しくても。

逃げるのではなく、その中でもブレない技術を磨いてきているはずです。

相手につかまらないように動きながら。

仲間とタイミングを合わしてパスを出す、ボールを受ける。

動きながら受けたボールを、さらに動かしてボールを止める。

相手に後手に対応させ、常に日本が先手を取るのが、日本のポゼッション、崩しのはずです。














 これが出来なかったは、なぜでしょうか?

考えられるのは、経験不足からくる、修正能力の低さは否定できないでしょう。

緊張するワールドカップ開幕戦。

初めてのワールドカップの舞台。

そこで、思うようなプレーが出来ないのは、ある意味仕方のないこと。

澤、宮間といった、レジェンドプレーヤーがいない。

「大丈夫、落ち着いて」「いつも通りのプレーをするの」

言葉や、プレーで見せてくれる頼れる先輩がいれば、変わったのかもしれませんね。

今大会は、若いなでしこにとっては、つらい戦いが続くでしょう。

その中で、真剣勝負を繰り返すことが、選手の成長に必ずつながるはずです。

もっと、いつもの戦いに、身に付けている日本人らしい戦いに、こだわれ!
posted by プロコーチ at 18:10| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月03日

これからもダイブして欲しい

 ワールドカップが終わり、何となく力が抜けています。

そろそろ戻って来ないと。

それだけ、4年に1度の祭典には、力があるのでしょうね。









 大会を振り返ると、多くのサプライズがありました。

優勝候補に挙げられた国々の不甲斐なさ、、。

スペイン、ドイツの敗退は、あまりに早すぎました。

そして、南米勢の不振。

ヨーロッパ開催では、力を発揮できませんね。

と言うよりも、ヨーロッパ開催だと、ヨーロッパがいつも以上の力を出してくる。

すると、チーム力の高さで、南米勢がかなわないように見えました。










 エムバペの活躍。

スピード、テクニック、アイデア。

そして何より、あの若さ。

ペレが、17歳でワールドカップを獲得した大会を思い起こさせてくれます。

スウェーデン大会で、ペレが母国ブラジルに初優勝をもたらしました。

ペレは17歳にして、大会で6得点。

エムバペは、同じく優勝したものの4得点。

今後はどうなるのでしょうね。

これは、前にも書きましたが、彼の活躍。

フランスというチームの好調のおかげが大きいです。

センターラインと言う軸が、パシッと決まっている。

ヨリス、バラン、ウミティティ、カンテ、グリーズマン、ジルー。

不動のメンバーが、安定のパフォーマンスをしてくれる。

だから、枝となる選手は、伸び伸びとプレーできていた。

エムバペも、すごいシュートを決めたパバールも。

今回は、ポグバも枝でしたね。

エムバペの真価が問われるのは、自分が幹になった時。

チームを勝たせ、自分も力を発揮できるのかどうか。

その時に初めて、彼の評価が決まるのだと思います。












 私としては、ブラジルが早期に負けたのが残念でたまりません。

ベルギーのシステムチェンジに対応出来なかったのが敗因。

などと、解説も耳にします。

それは、半分しか当たっていない。

敗退の最大の原因は、カゼミロの不在。

中盤の守備を一手に担っていたカゼミロ。

彼が、ファールトラブルで欠場したことが、ベルギー戦の敗因。

彼がいれば、ベルギーが奇策に打ってきていたとしても、対処していたでしょう。

代わりに出場したフェルナンジーニョは、とてもいい選手です。

でも、ブラジルの組織、特に中盤の組織。

これは、カゼミロがいてこそ、成り立つ組織になっていた。

その当人が不在では、誰であっても、代わりは務まらない。

この、特定の人に依存した組織の構築が、南米の組織の特徴であります。

強みを発揮することもあれば、弱さを露呈することもある。

弱さを発揮してしまったのが、今回のベスト8でのベルギー戦ですね。













 ネイマールがシミュレーションしているのではないか?

ネイマールのダイブが、見るに堪えない。

ネイマールチャレンジなる言葉も生まれたようです。

このような批判が、かなり話題になりました。

イングランドなどでは特に、芝に寝そべる行為は、みっともないとされている。

そのように聞いたこともあります。

だから、あのようにファール欲しさに転がっている。

ダイバーのように飛び込んでいる選手。

フェアプレーではない。








 知ったような顔で、ネイマールが転んで、痛がっている姿を批判する人々。

その人たちは、本気で削られたことがあるのでしょうかね。

ネイマールは、自分から転びに行ってはいませんよ。

彼のスピードあふれるドリブル、変幻自在でどこに、いつ行くか分からないドリブル。

それを止めるために、足ごと削りに行っている。

腕を振り回して、服をつかみ、体を抱えている。

ネイマールは、大きな選手ではありません。

175センチ68キロ。

軽い選手がスピードに乗っている時に削られる、無理やり止められる。

そこで耐えると、大きな衝撃が本人の体を襲います。

彼は、小さい頃から、削られ続けているでしょう。

ブラジルのDFは、足の骨ごと刈り取ってくる選手も多いです。

それを避けるために、柳のように、忍者のように受け流す必要があります。

踏ん張ると、大ケガにつながります。

わざと飛んでいるように見えるのも、負傷を避けるために飛んでいる部分も大きいはずです。












 文句を言うなら、ファールで止めようとするDFに、まず言うべきではないでしょうか。

そして彼は、4年前に選手生命の危機に遭っていることを忘れてはならない。

コロンビアのスニガに、飛び膝蹴りを故意に入れられた。

背骨を折る大けがで、ワールドカップを棒に振ったネイマール。

もう怪我をしたくない!

心の叫びが、彼の痛がり方から、聞こえてくるような気もします。

もし、ネイマールが直すとするなら、飛んだ後、痛くない時は、速やかに立ち上がることですね。













 私はこれからも、ネイマールにはダイブして欲しい。

これからも、果敢なドリブル突破を見せ続けて欲しい。

そして、二度と大きなケガを負わされて欲しくない。

だから、批判にめげずに。遠慮なく飛んでください。

何もない時は、サッと立ち上がることも、覚えてください。
posted by プロコーチ at 23:20| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月07日

どちらから始めるか?

 WーUPの見どころは、たくさんあります。

どれくらいの長さするのか?

何に重きを置くのか?

限られた時間の中で、取捨選択。

この取捨選択こそが、監督の腕の見せ所。

実際には、現場に監督は出てこずに、コーチが担当していますが。

例えば、ブラジルは、あまりピッチでたっぷりするイメージはありません。

スタジアム内にある、室内のスペースで体を動かしておく。

狭くても、そのスペースでボールを使うメニューも実施します。

「試合に向けて真面目やってるの?」と思うかもしれませんが、実はこっそりと。











 例えば、21時キックオフなら、選手たちが出てくるのが、20時15分。

大体、どのチームもキックオフの45分前くらいですね。

それより前に出てくるのが、GKチーム。

GKコーチと、3人のGKが一番にピッチに入場します。

ペナルティエリア内を、ジョッグ。

腕を回したり、サイドステップ、バックステップなど、体をほぐします。











 その後、何を始めるのか?

ここで、2タイプに分かれます。

昔ながらのやり方は、軽いキャッチボール。

正しい構えから、キャッチング。

投げてもらったボールをキャッチ。

軽く蹴ってもらったボールをキャッチ。

キックするボールを徐々に強くしていく。。

そして、コースも狙ってシュートストップ、クロスボールの対応など。

GKとしてのスペシャルなトレーニングを続けていく。











 もう一つのやり方は、足でのプレーから始める。

対面で短いボールをコントロール、パス。

浮き球を足で処理する。

胸でコントロールして、パス。

など、手を使わずにボールを処理するトレーニングから始めるチームも増えてきています。

そして、その時間も、少しずつ長くなっている印象があります。









 イングランドのGKのアップ。

彼らが足でのトレーニングに割く時間が、一番長かったです。

イングランドは、長いボールを蹴飛ばす印象があるかと思いますが、それは一昔前。

GKコーチと、2人の控えGKが、トレーニングパートナーです。

彼らが取り組んでいたのが、コントロールして角度を変える。

そして、正確なパス。

10Mほどの距離から、少しずつ距離を伸ばしていきます。

最後は50Mまで距離を伸ばしました。

距離が長くなると、パスもブレていきます。

何度も繰り返すうちに、キックの精度が上がり、コントロールが正確になっていきます。

この時間で、彼らが上達しているのではありません。

元々持っているものを、チューニングして使える状態に持っていっているイメージ。












 試合でも、GKも活用しながら、後方からビルドアップ。

GK、3人のセンターバック、アンカーの1人。

5人が、ユニットを組んで、パスを回して、組み立てます。

そして特徴的なのが、センターバックがボールを保持した時に、センターバック同士が斜め後ろに入らないこと。

ほぼ、横一直線に並んだままで、組み立てます。

相手FWが前からプレッシャーをかけてきたら、危ないようにも感じます。

でも、ここで積極的にGKを使います。

後ろで待つGKをボールサーバーの様に使うのです。

センターバック同士の中途半端な横パスを奪われると、一気に失点の大ピンチ。

そうならないように、お互い斜め後ろに入って、助け合うのが、旧来のやり方。

でも彼らは、斜め後ろに入って助けようとしない。

後ろはGKに完全に任せる。

その分、一つ前で出て行ったり、サイドに開く。

前進するための、積極的なポジションを取るのです。











 試合でも、5人でのユニットが、機能していました。

その最後方でカギとなるのが、GKピックフォードでした。

相手をドリブルでかわすようなトリッキーなプレーをするわけではありません。

彼が、正確にコントロール、そして精度の高いキックを繰り返す。

この約束を遂行するための、イングランドGK陣のアップだったのです。

試合でも、何度もパス&サポート。

様々な正確なパスを、手堅く通していきます。

センターバックも、何度も後ろにパス。

彼らのピックフォードへの信頼を感じます。

GKを活用することで、数的有利を作る。

現代のGKに求められている、大切なプレーの一つですよね。












 私がブラジルで観たリーグ戦でも、同じ光景がありました。

クルゼイロのGKのW-UP。

とことん、足を使ったプレーを繰り返していました。

グラウンダーだけでなく、浮き球の処理も、確認。

本当に長い時間を、足でのプレーにあてていました。

アップに費やした時間は、手を使ったプレーよりも、足でのプレーの方が長かったのです。

パスをつないで試合を作るスタイルのクルゼイロ。

GKも、もちろんフィールドプレーヤーレベルの足元が求められる。












 このように、何を、どのように、どれだけ時間を使っているのか?

それは、フィールドプレーヤーはもちろん、GKもです。

チームとして、何をしていきたいのか?

各プレーヤーに、どのような役割を持たせるのか?

我々は、試合前のミーティングを聞くことが出来ません。

でも、アップに大きなヒントがあります。

試合1時間前から始まっている戦いにも、注目してください。

posted by プロコーチ at 01:14| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする