2013年12月04日

ドリブルのトレーニング

 日本の子供たちが、必ずするトレーニングの一つ。

早ければ、3歳4歳から始めます。

そして、中学・高校年代になっても繰り返しトレーニングをしている。

ドリブルのトレーニングである、ジグザグドリブルです。

マーカードリブルと言ったり、シャドードリブルと言ったり。

言い方は様々ですが、やることは同じです。

並べられたコーンやマーカーの間をドリブルですり抜けていく。








 定番とも言えるメニューなので、サッカー経験者は必ず体験しているメニューでしょう。

単純ではあるものの、奥が深いメニューです。

数限りない、バリエーションが考えられます。

ボールタッチの組み合わせ、右足、左足。

コーン・マーカーの数、一つ一つの幅。

均等に置くのか、ランダムに並べるのか。

スピードを上げるのか、丁寧にゆっくりで進むのか。

この組み合わせが、様々な指導者のこだわり。

ドリルトレーニングの長所といえる、動作を習得するには最適な一つです。







 障害物として置いてあるコーン、マーカーをどのように意識させるのか。

ボールを運ぶ、コンドゥクシオンをイメージさせるのか。

それとも、相手を突破する、ドリブル・レガテを意識させるのか。

それによっても、全く異なってきます。

次のプレーを実行するためのつなぎとして運ぶ。

目の前の相手を突破するために、仕掛けていく。

それぞれは、異なるものです。









 例えば、相手を突破するプレーをイメージする。

それならば、目の前のコーンは、相手DFとなる。

どこまで、相手として強くリアリティを持ってイメージできるか?

動かずに、表情も変えないコーン。

だからこそ、実行する選手に、強いイメージを抱きながらトレーニングさせていきたい。

単純にボールを運ぶだけのトレーニングにならないように。

ボールをチョコチョコ動かすのが得意なだけの選手を育ててしまわないように。










 ここでイメージするのは、コーンのどこを、どのように通るのか。

ボールを運んでいく軌道が、大切になってきます。

例えば、ボールを、コーンをダブルタッチで突破する。

それならば、一つ目のタッチでは、相手の足に近づかないような軌道を通りたい。

ここで相手側に近づくと、相手の足に引っかかってしまう。

相手側に運んだほうが楽なのですが、

少なくとも、コーンと平行に、出来るならマイナス方向にずらしていく。

一つ目のタッチで道を作り、次のタッチで突破する。

二つ目は強く前に押し出していく。









 または、ねちっこく付いてくるDFを突破するドリブル。

斜め前にボールを運ぶ。

コーン(相手DF)を超えるまで、奥側までボールを運ぶ。

そして相手に食いつかせておいて、そこから引き戻すようにボールを切り返していく。

足裏でも、インサイドカットでも。

これが、マーカーの手前だと、効果が薄れてしまう。

相手の目の前でチョコチョコ動かしても、相手DFは対応が簡単になる。

グッと奥まで、自分を超えるところまでボールを運んでくるから、対応せざるを得ない。

食いつかしておいて、引き戻して、さらに逆に突破していく。











 判断の要素が少ないから、ドリルトレーニングは控えよう。

反対に、とにかくドリルを繰り返し、基礎技術を身につけさせよう。

極端に針が振れがちです。

ドリルトレーニングは、使い方次第で、良い効果を発揮します。

その一つの工夫として、相手を試合を意識させ続けることが大切になるはずです。

ボールの運び方の工夫一つで、トレーニング効果が全く異なってきます。

単純にコーンを並べて、ドリブルさせているだけ?!

それとも、、。
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2013年09月20日

試合とトレーニングとをつなぐもの

 トレーニングの目的とは何か?

今の課題を克服するために。

得意な武器をさらに磨くために。

現状のレベルを維持、確認するために。

試合に向けて、次の対戦相手対策をすることもあるでしょう。

個人やグループ、チームのパフォーマンスを高めるためにトレーニングは行われます。

試合で活躍するために、日々のトレーニングがあるはずです。










 最近、頭を悩ませていることがあります。

トレーニングの時間は、限られている。

その限られた時間の中で、個人の技術レベルを高めるトレーニングをどこまで入れるのか?

向かい合ってボールを蹴る。

マーカーに向かってドリブルをする。

いわゆる、ドリルトレーニング。

ドリルトレーニングは、個々の選手の動作を改善してくれます。

試合や、実戦形式で行うよりも、間違いなくその効果は高い。

ただし、永遠の課題として、試合とはかけ離れている。

リアリティが無い、低い。








 トレーニングの動画を見て、研究をしています。

スペインの指導者講習会で、教えてもらった動画がメインです。

スペイン本国のトレーニング風景。

プロのトレーニング。

プロクラブの育成のトレーニング風景。

惜しむことなく、見せてくれます。

これを見ていると、スペインのレベルの高さに、改めて驚かされます。

ポジショニングの良さ、戦術理解の高さ。










 そしてもちろん、実行する技術レベルの高さ。

日本の技術は通用すると言いますが、本当にそうか?!と思ってしまいます。

ワンタッチで、パスをする技術。

どんなに無理な体勢でも、ワンタッチでパスを出せる。

ワンタッチのパスの種類が豊富。

フェイントを入れながら、相手の逆をとりながら、ワンタッチでパスを出せる。

このワンタッチのパスだけを見ても、技術レベルの高さは凄まじい。









 ここに追いつき、追い越すためには、どのようなトレーニングをすればいいのか?

全く同じメニューをすれば、それが可能なのかといえば、そうではないはず。

日本人と、スペイン人とでは、もちろん多くの違いがあるからです。

生まれ持った、肉体的特徴。

それを取り巻く、生活環境。

フットボールへの関わり方。

歴史風土が違う中で、同じ取り組みが、同じ成果を出してくれる保障はありません。









 では、ワンタッチのパスだけを抜き出す。

ドリルトレーニングで、そればかりを行う。

そして、技術レベルが高まったところで、同じメニューを行う。

そうすれば、ある程度は、こなすことは出来るでしょう。

では、その集団、個人が試合で、スペイン人のようなプレーをすることが出来るのか?

そもそも、その必要性があるのか?









 忘れてはならないのは、目の前の集団を、どのように導いて行けばいいのか?

そこを外してはならない。

とは言っても、、、。

私の悩みは、尽きません。

さらに、研究しながら、取り組んでいきたいと思います。
posted by プロコーチ at 08:42| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月02日

積み重ねの成果

 5000回 VS 300.000回の差が現れた。

今回のコンフェデレーションズカップを見た、感想の一つです。

1回よりも、100回。

100回よりも、1000回。

繰り返し、その場面を体験している方が、成功率は上がってくるでしょう。

我々日本人で言えば、お箸の持ち方を、今更間違えない。

もしかすると、パスタの巻き方は、ぎこちない瞬間があるかもしれない。

その違いは、繰り返しの回数の差に、他ならない。








 プレッシャーがマックスになる、ゴール前のチャンスの瞬間。

相手DFは、必死の形相で、追いすがってくる。

GKは、大きな体で押し寄せてくる、待ち構えている。

味方の信頼に応えたい、心理的なプレッシャーも感じる。

その状況下で、冷静に技術を発揮することができる選手。

冷徹な殺し屋のように、一発で、確実に仕留める。

状況を見極め、どの技術を用いるべきなのか?

その瞬間の決断にも、間違いがない。










 これが、ブラジル代表の選手たちでした。

特に、センターFWを務めた、フレッジ選手(フルミネンセ所属)。

彼の決定力は、際立っていました。

ポストプレーをこなし、周りの選手が押し上げる時間を作る仕事もこなす。

彼が、体を張って、ボールをキープすることが、ブラジルの攻撃を分厚いものにしてくれました。

それだけでなく、コンスタントにゴールを重ね5試合で5得点。

見事、得点王に輝きました。









 彼のゴールは、ネイマール選手のような派手なシュートではありません。

華麗な!という形容は、おおよそ似合わないゴールです。

ただし、間違いなく、殺し屋の能力は研ぎ澄ませています。

決勝戦の先制点となったゴール。

右サイドから飛んできたクロスボール。

ジャンプしながら胸?でコントロールしようとしたが、2人のDFに挟まれ、転倒してしまう。

目の前には、GKカーシージャスが、体を広げ、壁のように迫ってくる。

フレッジは、寝転がったまま、ボールをインステップで捉えます。

しかも、GKの体の分だけ、ボールを浮かせるようにシュート。

最初は、偶然か?!とも疑いました。

ところが、蹴り足の足首は、きっちり固定されています。

さらに、フレッジは、一度もまばたきをせず、目をまん丸に開いたままです。

その局面の勝負を制するために、一瞬の油断もなく、仕留める。








 準決勝、ウルグアイ戦のゴール。

ネイマールが浮き玉のパスに抜け出し、胸トラップからシュート。

こぼれ球に素早く、反応し、走り込んできました。

ゴールの左側に、GKがずれたままポジショニング。

ゴールカバーのために、ウルグアイDFが2人張り付いています。

ここで、どんな選択をすべきなのか?

強いシュートを思い切り打ち込んで、運を天に任せる?

フレッジは、ジャンプしながら、ボレーシュートを打ちました。

右のアウトに薄く当て、ボレーシュート。

さほど強いシュートではありませんでしたが、サイドネットに吸い込まれて行きました。

どこまで狙ったのか、正直わかりませんが、明らかな意図は感じました。








 サッカー王国にブラジルに見る「決定力」育成法、APマリーニョ監修、東邦出版

最初に紹介した、5000回 VS 300.000回という数字です。

この本によると、7歳から14歳までの間の8年間。

ブラジルの子供は、120(1日)×365(毎日)×8(年)=300000回以上。

毎日4時間ミニゲームで遊び、2分に1回、ゴール前のシーンが訪れる。

日本の子供は、5(1日)×104(週2回)×8(年)=5000回未満。

この回数の差が、ゴール前での落ち着きの差となって、現れている。









 気持ちよく、打ち込むシュート練習。

フリーの、試合ではなかなか出てこない状況で、シュート。

これだと、ただのキック練習にしかなっていないのではないか。

真剣なゴール前の攻防を繰り返した経験。

その経験が、冷静な殺し屋のような、ストライカーを育ててくれる。

元々、才能をもった選手が、30万回の経験を踏むからこそ、フレッジのような選手が出てくる。

いつまでたっても、子供に11対11をさせている日本。

フットサルやスモールサイドゲームを育成年代で取り組んでいるかどうか。

フレッジが日本に生まれ落ちたとしても、あのような選手になれるのかどうか。

一度、真剣に考えなくてはならない問題ではないでしょうか。
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2013年06月28日

インステップキック習得のために

 ネイマールのボレーシュート。

コンフェデレーションズカップの鮮やかな幕開けとなった、あのボレーシュートです。

「おおっ!!」

思わず声を上げてしまった、美しいシュート。

彼らは、すごい。

緊張するであろう、ホームでの開幕戦の開始数分で、あのプレーを平然と行う。

技術、メンタルの高い次元での融合を感じます。








 数日後、ピンクの新聞に、瞬間を切り取った写真が掲載されていました。

今、まさにボレーを打たんとする、その瞬間。

何とも、教科書通りの美しいフォームがそこにはありました。

上半身を軸側に倒して、蹴り足を高く上げる。

両腕を広げ、胸を張って、体のバランスをギリギリに保つ。

ボールに、ギュッと焦点を絞り、ミートを心掛ける。

つま先は伸ばされ、インステップは固定されています。

美しい弾道を思い起こさせる、美しいフォームでした。








 あのボレーシュート。

難しくて出来ない、と諦めては、もったいない。

あれほど美しいボレーシュートを決めることは簡単ではない。

でも、あのボレーのフォームに取り組むことには価値があります。

なぜなら、インステップキックの習得を助けてくれるからです。

さらに、インステップで、バックスピンを掛けるキックにもつながっていきます。

あのシュートも、緩やかなバックスピンが掛かっていましたね。









 インステップキックを蹴れない選手が苦労するポイントがいくつもあります。

なかなか、このキックは簡単ではない。

特に、出来ないことがあります。

・体の軸を軸足側に倒し、斜めに傾けること

これが出来ないばかりに、キックの精度が低くなってしまう。

多く目にする現象です。









 ネイマールが見せてくれた、ボレーキック。

このフォームを習得することが、体の使い方のヒントになってくれる。

すべての選手に当てはまるわけではありませんが、有効な手段の一つです。

体の軸を、思い切って傾けながらも、ギリギリのところでバランスを保つ。

そのままでいると、倒れてしまうかのような傾きです。

この感覚を、身につけるヒントが、このボレーには隠れています。

GKがするように、自分でボールを投げ上げ、そのまま、ボレーでキック。

最初は、蹴り足だけを高く上げようとして、失敗してしまう。

上半身を思い切って傾け、軸足に体重を乗せていく。

すると、自然に足が高く上がり、ボレーが簡単に当たるようになるのです。









 インステップキックが、イマイチ当たらない。

ボールの回転が斜めで、弾道がきれいでない。

その改善のために、一度試してみては、どうでしょうか。
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2013年05月21日

戦術の指導を開始する。

 何歳から戦術の指導をするのか?

コーチ同士での会話でしばしば出てくる話題です。

サッカークリニックなどの指導者向けの専門誌でも、よく取り上げられています。







 小学生の間は、ドリブルだけでいい!!

パスは禁止で試合を行うことも。

マンチェスターユナイテッドで活躍する香川選手。

彼が育った、宮城の街クラブは、そう言ったこだわりを持ったチームのようです。

自信満々にボールを持って、試合を進める選手の育成を目指しているのでしょう。

香川選手は、こういった育成の最たる例と言えるでしょう。







 チャビの世代を始めとして、FCバルセロナで育成に携わったコーチ。

「サッカーサービス」という、指導者の集団を立ち上げて、様々な発信をしています。

それによると9歳が、一つの基準となっているようです。

この年代になると、フットボールに対する理解度が高まってくる。

それ以前のエゴイスティックさが、徐々に少なくなっていく。

「集団」の意識が備わってくる。

状況に合わせ、パスをしようと考え出す年代であり、パスの指導を開始すべきタイミングである。








 実際、どうでしょうか?

先日、教え子の出場する運動会がありました。

高学年リレーの選手になった彼は、得意げな顔をしていました。

ところが、直前に「リレーはどうだ?」と状態を聞いたら、不満げな表情を浮かべます。

「いつもビリだよ。」

「あとちょっとに縮めるけど、抜かせない。」

何でも、彼にバトンを渡す子供が遅いらしいのです。

それ以外の選手は遅くはないのですが、前半のマイナスを取り返せないまま、最下位・・。









 私は、悩みの相談に乗り、秘密の作戦を授けました。

ポイントは、バトンゾーンを活かして、走る距離を調整すること。

遅い選手の走る距離は短く。

速い選手の走る距離は、その分、長く走る。

チームとしての特長を活かす、とも言い換えれるでしょうか。

とてもシンプルな戦略です。

彼はこの作戦を遂行し、成功したそうです。

ビリでバトンを受け取ったのですが、渡した時は、同点1位!

そのままの流れで、リレー自体も、練習の時より順位を上げたようです。








 サッカーサービス社の理論は、日本人にも当てはまる部分があるようです。

9歳〜14歳が、戦術を学び始める年代である。

このように書かれています。

「エゴと集団の中間である年代」

リレーというもう少し単純な競技ではあるものの、戦略的に戦うことが出来る。

個人のエゴだけで進めるのではなく、より良い状況を作るためのアクションを起こせる。










 日本の子供たちは、ボール扱いの巧さは素晴らしい。

だが、個人戦術の理解が低い、フットボール全体の理解が低い。

海外の指導者が、判を押したように語っています。

日本人だから劣っているのではないのかもしれない。

指導を受けていないから知らない・出来ていない。

それだけなのかもしれません。
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2013年04月30日

バルサになれない?

「ピッチは穴だらけだった。この手の試合にはふさわしくない」

0対2でチャンピオンズリーグの決勝ラウンド1回戦1STレグを敗退した、バルセロナ。

ミラン戦を指揮したバルセロナのロウラ助監督は、クレームをつけています。

バルセロナのホーム、カンプノウでは、芝を短く刈り込んでいます。

そして、試合前・ハーフタイムには水浸しになるくらい水をまいています。

パススピードを上げ、グラウンダーのパスを通りやすくするため。

短い芝と、大量の水が、パスをつなぐバルサのスタイルの助けになっています。








 今回、2年ぶりにバルサキャンプが開催されました。

以前までは、関東地区はみなとみらいで、夏休み期間に開催。

ピッチは、ロングパイルの人工芝でした。

ボールが、面白いように走る、綺麗なピッチでの開催だったのです。

今回のグラウンドは、天然芝。

以前に使用したこともあるのですが、そこまで整備されていないピッチでした。

キャンプ当日、芝は緑になっていましたが、中身はボコボコ。

平ではありませんし、芝も短く仮揃ってはいませんでした。

ロウラコーチの言葉を借りれば、「イモ畑のようだ」








 その日のテーマは、フィニッシュ。

中学年以上は、パスを数本つないで、シュート。

もちろんパスは、グラウンダー。

5年生、6年生の設定は、一本のパスが、10Mと20Mのパスが求められるものでした。

イメージでは、横パス、縦パス、斜めのパスをリズムよくつないで、シュート!

パスは、2タッチ。

シュートは、1タッチが約束でした。









 ところが、なかなか、いい形でシュートまで持ち込めない。

パスにリズムが出ない。

シュートも、ふかしてしまう。

コーチが、大きな声でコーチングします。

「強いパス!」

「グラウンダーだよ!」

「シュートは、抑えて!!」

「そのパスは、バルサじゃないよ(コントロールが浮いたり、弱いパスになったら)」








 バルサキャンプ関係者の方と、最後にお話をさせてもらいました。

ピッチコンディションが、・・・。

と辛そうな表情で、お話をしてくれました。

ダニエウ・アウヴェスもサンシーロの芝について、コメントしています。

「あのようなピッチでプレーするのが大変だったことは事実だ。あのピッチ状態だとかなりタフだ」

ブラジル代表の選手でさえ、ピッチコンディションが悪いと、苦労してしまう。

バルサの、いつものスタイルは難しい。

ダニアウベスは、「言い訳にはならない」とプライドを見せました。









 日本の選手が、アジアの戦いで苦労しています。

その一つの要因が、アジアの劣悪な環境に挙げられています。

Jの下部組織で子供の頃からプレーしていると、フラットなピッチが当たり前。

ぼこぼこの芝や、土のグラウンドで試合をした経験が少ない?!

だから、ピッチコンディションが悪いと対応に苦労している。

それは、バルサも同じようです。

日本の子供たちにとっては、どうなのでしょう。









 だからといって、フットボールは、体育館競技ではない。

様々な環境に適応し、共生することが求められます。

綺麗なピッチで、自分を磨くことも大切。

ボコボコのピッチに適応する能力を身につけることも大切。

今回のバルサキャンプ。

3日間の短期キャンプとするならば、綺麗なピッチでさせてあげたかったですけどね。
posted by プロコーチ at 16:13| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月19日

トレーニングをしないチームを強くする方法

心地いい気候になってきました。

まさに、フットボール日和。

平日の朝に、早起きして試合に向かいます。

週1度か、2週に1回のペースで、試合を楽しめています。

よくも、平日の朝9時に、集まれるものだと感心してしまいます。









 少しずつ、チーム力が高まって来ています。

なんと、今年に入って、負けが1度もありません。

昨年の夏に顔を出し始めた時には、勝ったことがない状態。

「初勝利!!」と喜んでいた、面影はいまではありません。

一つは、単純に戦力が良くなっている。

昨年は、未経験者が混じることも多かったのですが、今では皆無。

サッカー好きの芸人さんが何人も遊びに来ていたのが、懐かしい思い出になりつつあります。

今では、元プロ選手が、常にピッチにいる状態です。

活動量もあり、技術のしっかりした若手も増えてきているのも、後押ししてくれています。











 さらには、同じメンバーで固まりつつあるため、意思疎通がスムーズになっている。

フットボールの攻守における基本原則を確認し合う。

守備で言えば、OFFのポジショニングが改善されたのが、大きな変化だと感じてます。

攻撃は、ポゼッションしながら、少しずつ前進するスタイルが浸透している。

サイドに振って、スピードアップ。

もしくは、一発のロングボールに頼る。

このような形は、数える程に減少しています。

まだまだ、改善点はたくさんあります。

でも、少しずつ改善し、向上していく雰囲気を感じます。










 一切トレーニングなどせずグラウンドを借りている時間は、ひたすらゲームしかしません。

改善のためにしていることといえば、コミュニケーションをとり続けること。

試合中のコーチングは、草サッカーチームでは、珍しいくらいに声が上がります。

そして、プレーに意思の相違が出た時に、伝え合う努力。

さらには休憩時間に、気づいたことを話していく。

冗談を言い合いながらも、要求も織り交ぜいていく。

それぞれお互いが、考える頭と、聞く耳を持っている。

このように、お互いのプレーのすり合わせが進んでいるのは、本当に良い変化ではないでしょうか。









 このベースになっているのは何か?考えてみます。

オープンマインドで接することができている。

それがあるから、意見を発し、受け入れることが出来ているのではないか。

本当に、気持ちのいい仲間です。

このような機会を作ってくれている皆に感謝し、さらに楽しみたい。
posted by プロコーチ at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月21日

世界王者のW-UP

 じっくりと、W-upを見れました。

ここに、各チームが意図するものや、試合で出したいものが反映されているものです。

コリンチャンスの行ったW-UPを紹介します。




・試合開始45分前にピッチに登場。

各自がフリーでランニング。

ブラジル体操のいくつかをする選手、ゆっくりジョッグをする選手。

サイドステップを繰り返す選手もいれば、止まって太ももの裏を伸ばす選手。

思い思いに、体を動かし始めます。







・40分前、フィジコのもとに集まる

輪になってストレッチ。(下肢が中心、腿裏・ふくらはぎなど)

大股で、一歩ずつ、前後にステップを繰り返す(10秒ほど)

股関節周りをほぐす、ブラジル体操(10回ずつ、2種目)

また、前後のステップ(10秒ほど)








・35分前、ボールを使った種目に。

二人組で対面パス(15M〜20M)


これはブラジルチーム(代表、サントス)によく見られます。

出来て当然の、シンプルかつ単純なメニューをW-UPに入れてきます。

全員が整然と並んで、対面パスや基礎練をするのです。

まるで、部活サッカーを見ているかのよう。

止める・蹴るができないと、試合にならないよ!と声が聞こえてきそう。

このメニューは、ヨーロッパ系のチームではあまり目にしません。



対面パス

・1タッチ(インサイド)

・インサイドパスを出して2〜3M前にダッシュして、バックペダルで戻る

基礎練

・インサイドボレー

・インサイドボレー、くるりとその場で回転、インサイドボレー、繰り返し

・リフティングパス


パートナーとストレッチ(腿裏)

再び対面パス(20Mグラウンダーの1タッチ)

ジャンプヘッド(その場で半身になって両足ジャンプ)

パートナーとストレッチ(腿前)




これらを10分かけずに行います。

目まぐるしく種目が変わるのですが、コーチの指示に従って整然と行われます。







・30分前、中央付近に集合

5対5でポゼッション(25M×30Mの長方形グリッド)

2分×2set


ちなみにチェルシーは、20Mという、一回り狭いグリッドでポゼッション。

ただし、4対4に2人フリーマンを加えて行いました。











・2十数分前、ホームスタンド前に集合

2人ずつ、ステップ・ダッシュを行います。

距離は10M弱くらい。

・バウンディング

・ダッシュ

・DFのステップで下がる(左右の向きを変えながら)

・もも上げをして、ダッシュ






チェルシーのステップが面白かった。

・5Mダッシュして、ストップ、サイドステップで戻る

・同じく5Mダッシュして、ストップ、DFのステップで戻る。




・20分前にならないくらいに、両チームともにロッカールームに引き上げ。




GKがキック、スローインの確認をするため、ピッチに残る。

ツェフのキックは、60M先にピンポイント!!

さらに、スローもすごい。

左手なら、軽々とハーフウェイを越えて、矢のようなスピードです。

右手で投げても、ハーフウェイを超えてきます。





 W-upで印象に残ったのは、テンポの良さです。

1分弱で、どんどん次のメニューに入っていく。

長くても2分間。

だらける瞬間など、ありません。

改めて書いて驚いたのですが、かなりの種類のメニューを行っています。

それを、たった25分で行っていること。

テンポよく行うことで、緊張感を程よく高める効果もありそうです。

メニューそのものよりも、このテンポは、参考にしたいポイントでした。
posted by プロコーチ at 10:39| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月30日

拡がる。

 ボールには引力がある。

フットボールを始めて日が浅い、全体の理解が低い選手。

彼らは、ボールがとにかく大好き。

体も、心も、目も、すべてがボールに向かっている。

ボールから、離れて受けようとする。

これは、発達段階が、少し進まないと出来ないことのようです。

子供たちが繰り広げる「団子サッカー」は、ボールの引力に引き付けられている?!








 
 


 拡がりを作る。

意図的に近づかない意識すら、必要かもしれない。

幅を作り、奥行を作り、ピボットに入る。

ボールを持った人間の選択肢を増やしてくれる。

お互いが、ポジショニングを意識し合うことで、さらなる拡がりが生まれる。

少しずつでも、ピッチ(コート)全体をイメージする。

このイメージが、拡がりを作る助けになってくれるでしょう。







 どうすれば、ピッチの中で、拡がりを作れるのか?

様々な角度から、アプローチをしていく。

例えば、トレーニングなら?

10〜20Mほどのグリッドを組み、フリーでドリブルをするメニュー。

ボールは一人一つ、人数は10人でも20人でも。

まずは、自由にドリブルをさせてみる。

その中で、少しずつ顔を上げる(ボールだけを見ない)ことをコーチングする。

ぶつかりたくない選手は、顔を上げるようになるでしょう。

顔を上げ、直接視野と関節視野とを使い分けドリブルを始めている選手。

スムーズにドリブルを行えるようになっていくでしょう。

技術レベルが低いなら、体からボールを離さないことも意識させたいところ。










 それだけでは、拡がりを持ったポジショニングは、まだ作れていない。

その瞬間、「ピッ!!ストップ」とフリーズをかける。

固まっていることを、選手全員に確認させる。

他の選手がどこにいて、スペースがどこにあるのかをです。

ここで、一言、強くメッセージを伝える。

「全員で、バランスよく散らばれるようにしよう!」

「一人一人が、バランスを取ってみよう!」

すると、全体にバランスよく散らばった選手たちの姿が観れるはずです。









 ただ、これでは、限られたグリッドの中だけで、拡がれただけ。

試合の中で、拡がりを意識したポジションをとるのは、なかなかに難しい。

全体をと、目の前の局面と見る意識を持たせたい。

カメラの絞りを、グーーッと拡げたり、ギューと絞ったり。

これを自在に繰り返す作業でしょうか。

どうすれば、目まぐるしく展開される試合の中で、この作業ができるのか?








 そのためには、オンザピッチの取り組みだけでは足りない。

レベルの高い試合をたくさん見る。

しかも、フットボールを知っている人間と語り合いながら。

映像でもいいと思います。

一人で観るのではなく、意見を交わしながら試合を観たい。

すると、頭の中にも映像が映し出され始める。

そこには、拡がりを持ったポジショニングから攻撃が展開されているでしょう。

この脳内の映像が、自分のプレーを助けてくれるはずです。

試合やトレーニングの中で、全体を見る目が養われていく助けになっていく。

ボールの引力に負けない選手に。
posted by プロコーチ at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月28日

連続写真

 ゴルフ、テニスは先に行っている。

私が、サッカー・フットサルで、技術の指導をするたびに感じることです。

特に、ゴルフの指導の細かさ、種類の多さ、工夫の多さには恐れ入ります。

クラブの種類、打ちたい球筋、風、地面の傾斜・コンディション。

そして、個人の力量。

それらを組み合わせ、一つ一つのショットの指導をしていく。

雑誌をめくると、多種多様さに驚かされます。

この細やかさは、他のスポーツの追随を許さないではないでしょうか。








 その指導に度々用いられているのが、連続写真です。

一つのショットを、何十枚モノ連続写真で収める。

1秒間に、カシャカシャカシャ、と連続でシャッターを押す機能。

それを見ると、自分の出来ていること、出来ていないことが露わになります。

自分の体の感覚、つまり頭で想像していること。

それと、実際の体の動きとの間には、大きなギャップがある。

見る目を持ったコーチでないと、何が起こっているかに気づけない。

連続した写真を見ることで、誰でも分かるようになるのです。







 ただし、この連続写真の使用にも問題があると思っています。

はっきりとしたビジュアルがあるため、それが全てになってしまうのです。

たった、一瞬を切り取ったに過ぎない、一つの写真。

一つ一つの動きにとらわれすぎてはならない。

副作用として、動きがギクシャクしてしまう。

欠点を直したつもりが、直す前よりも、動作が悪くなってしまう。

一つのことに力点を置きすぎてしまったために、他の部分が崩れてしまった。

フォームで重要なことは、一つ一つの積み重ねだけではない。

何よりも、全体のリズムだったり、流れが、重要になる。

そのことを、間違えてはならないのです。









 今回、実験的に、キックの指導に、連続写真の分析を取り入れることにしました。

同時に、ハイスピードで撮影し、切れ目のないスロー映像も撮りたいと思っています。

これをうまく活用することができればいいのですが。

選手自身が、自分のフォームを振り返るには最適なはずです。

私自身は、カメラを使うにあたって、課題があります。

ツールに頼ったり、とらわれるのではなく。

指導のために、活用してみたい。

さて、その試みやいかに。
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2012年07月10日

2つのことを同時に。

 何かをしながら、同時に行動をする。

例えば、携帯電話で話しながら、クルマの運転をする。

テレビを観ながら、ご飯を食べる。

このような、2つの課題を同時にこなすことをデュアルタスクと呼ぶそうです。

すると、思った以上に、簡単なことでも失敗をしてしまう。









 まるで、フットボールにおけるミスに酷似しています。

周りを観ようとしすぎて、ボールコントロールのミスをする。

相手をブロックしようとして、ボールのコントロールをミスする。

試合中は、様々なことが起きる。

同時に何かをしようとして、失敗する。

特に、相手DFに強く寄せられた瞬間に、思いがけないミスが起きる。

この原因に、デュアルタスクへの対応が出来ていないと、考えることが出来ないか。
 







 スキルの高い選手は、幾つものタスクを当たり前のように、こなしている。

予め周囲を見渡して、シンプルにプレーをする。

次に行きたい方向や、DFを外すために、気の利いたファーストタッチ。

観ること、ボールを扱うこと、相手を感じることなどを同時に対応している。

その一方、ボールコントロールに自信が無い選手。

相手との駆け引きが得意でない選手。

そんな選手は、1つのことに精一杯になってしまう。

彼らにとっては、デュアルタスクへの対応は、簡単ではありません。
 








 そして、特に歳を重ね、高齢化が進むと、デュアルタスクに対応する能力が低下していく。

道を歩いていて転ぶ、1つの原因にもなっているようなのです。

歩いているときに、他所に注意を向ける余裕が無い。

ちょっとしたくぼみ等で、転んだりしてしまう。

歩きながら、周囲の状況、少し先の状況を観る余裕がなくなってしまう。

目の前の移動場所しかイメージが出来ず、判断ミスが多い。

ほんの、足元の50センチ先しか観ていないのだそうです。









 転倒を防止する訓練方法が紹介されています。

赤・青・黄の3色のポイントがマークされた、10mの道を歩く。

その時に、色を指定され、決められた色だけを踏んで歩く。

歩くことと、マークを見ながら判断することとのデュアルタスクになっている。

この簡単に思える訓練を半年間すると、劇的な向上が望めるそうです。

(訓練しないグループに比べ、1年間で転倒する割合が3分の1に減少)








 転ばないために、デュアルタスクを与える。

この訓練をサッカー・フットサルに応用することは出来ないか?

3種類のマーカー(色分け、数字をふる)をランダムに並べる。

3色のビブスを並べても代用できるでしょう。

色を指定して、決められた色だけをジグザグドリブルをする。

観ながら、判断を下し、ドリブルのコースを進んでいく。








 ボールコントロールのトレーニングならば、どうだろう。

自分の周りに、3色のビブスやマーカーを並べておく。

指定された色に向かって、ボールコントロールをする。

意図のあるファーストタッチ。

次に行きたい場所に方向付ける、コントロールのトレーニングの1つ。








 私が良くやる定番メニューがあります。

気に入っているメニューで、必ずどこかの段階で導入するものです。

三角パスのアレンジメニューで、設定自体はシンプルです。

それは、ボールコントロールの方向と、タッチ数とを、指定しあう。

次のパートナーの行動を観て、判断して、実行する。

たった3人、ボール1つで出来るメニューなのですが、なかなか難しい。

何度も何度も繰り返さないと、プレーの精度が落ちてしまう。

今考えると、デュアルタスクを求めていました。

複数の事象への対応能力が備わっていなかったのですね。






 
 転んでしまうのは、足元だけしか見ていない。

先が見えていないから、状況判断のミスを犯してしまう。

コントロールミスをするのは、足元だけしか見ていない。

遠くまで視線を向け、先読みをしていく訓練をするとミスが減少する。

デュアルタスクへの対応能力を高める。
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2012年06月08日

自らアクションを。

 守備のトレーニングをしました。

守備のイメージと言うと、地味、しんどい、気が重い・・・。

ポジティブな気持ちを持って、トレーニングに臨むことすら厳しい?!

そのイメージを形成するものは何か?

失敗した時の、責任感の大きさでしょうか。

9回成功しても、最後の1回をミスすれば、戦犯のように叩かれてしまう。

10本シュートチャンスを外しても、たった1度の成功でスターになれるアタッカー。

その差は大きい。

成功しても当たり前、なかなかスポットライトを当ててもらえないのが現実。







 しかも、相手の攻撃に喰らいつくだけ。

相手の動きに、ボールに合わせて、リアクションを繰り返す。

相手のスピードやパワー、トリッキーな動きに翻弄される。

もしこれだけなら、守備は面白くないですよね。

その価値は誰もが分かっている。

ボールを奪わなければ、大好きな攻撃は出来ない。

いくら攻めても、守備をおろそかにし、失点を繰り返せば、勝つことは難しい。

それは分かっているのですが、DFはあまり人気が無いですよね。

子供に聞いても、大人に聞いても、心からDFをしたい!という答えは少数派です。







 この認識を少しでも変えたい。

守備は、本当は面白いんだよ。

粘り強くリアクションするだけではない、守り方を身につける。

結果、守っている側が、主導権を握り、ボールを意図的に奪い取る。

そのコンセプトを持って、トレーニングに臨みました。








 まず取り組んだのが、アプローチの改善です。

アプローチがおざなりだと、攻撃陣がいい状態でボールを持ててしまう。

いいアプローチをすることで、相手の選択肢や自由、時間を奪う。

ファーストタッチを見極め、次のボールの場所に対して2回目のアプローチ。

これだけで、技術レベルの低い相手なら、簡単に奪えてしまうこともあるでしょう。

いいポジションから、適切にアプローチ【複数回】することを最初の一歩にしました。








 ただし、ある程度の技術レベルの選手を相手にすると、そう上手くは行きません。

目の前にDFが立っていようが、お構いなし。

ボールをほとんど見ずに、こちらの動きを観察し、逆をとってくる。

見られている!と思えば、それ以上寄せづらい。

仮に、体をピッタリ付けれたとしても、逆にそれを利用して突破することもあります。

アプローチはかけるのですが、結局そこからはリアクションに。

ボールを注視し、相手にプレッシャーをかけなければならないのですが。

ミスを待つのが精一杯。

そんなDFは怖くないですよね。

かさにかかって、仕掛けてくる相手FWも多いでしょう。








 ここで、何か、相手にプレッシャーをかける手段はないか。

簡単に飛び込むだけでは、奪えることもあれば、奪えないこともある。

そんな一か八かのDFは、信頼をされない。

そこで、取り組んだのが、守備者側からの仕掛けです。

守備者側からフェイントを出して、相手にプレッシャーを掛ける。

例えば、いくぞ!と体を揺らして、本当は行かない、右(左)から行くフリ。

そんなボディフェイント。

他には、足を出して、ボールを奪うように見せかける。

立つ位置を少しだけずらして、ほんの数10センチですが、空いてるように見せかける。

これら全てに共通するのは、前後左右に動ける体のバランスは保ったまま行うこと。

フェイントをかけたつもりで、相手の動きに反応できなくては、本末転倒ですから。







 フェイントを出して、相手の出方を観察する。

こちらが奪うフリで、足を入れると、危険を察知して、苦し紛れに突破。

その瞬間を逃さずに、ボールを奪う。

来るタイミングは、分かってますからね。

どんどんプレッシャーをかけると、相手ボールホルダーが、リアクションを始める。

ボールを持ってる選手が主導権を握っていたはずなのにです。

まるで、攻撃の選手が、守備の選手の動きにおびえているかのようです。

気がつけば、ボールを持たれているはずの守備者側が主導権を握る局面に変化している。

ボールを持っていないのに、その局面を支配できる。

この瞬間を、意図的に作り出したい!

まさに、守備の楽しさの一つ。








 トレーニングの終盤には、このような局面が少しずつ出てきました。

ゴールを守りながら、積極的にボールを奪う姿が見えました。

参加した選手は、少しでも守備の楽しさを感じ取ってくれたのではないか。

ほんのちょっとでも、ポジティブな気持ちをもって、守備に臨んでくれたら、うれしいですね。

選手の満足そうな表情が見えたのが、私にとっても大きな成果でした。
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2012年02月28日

パスを受ける

 特訓をしました。

「スルーパスを受けれるようになりたい!」

ある選手のリクエストから、特訓が始まりました。





 スルーパスを受けるための要素は、幾つもあると思います。

その中でも、目の前の選手が、何が出来ていないのかを考えました。

選手は、スピードがあるのですが、活かしきれていない。

スルーパスを受けようとするのですが、試合で成功しない。

タイミングが合わない、オフサイドになってしまう。

DFラインの近くでノッキングしながら、我慢できずにオフサイド・・・。








 2人で、話し合うことにしました。

選手が何を考えていて、何に苦しんでいるかを知るためです。

そして、一つの結論に至りました。

『パスの出し手を観察すること』

今までタイミングが合わなかったのは、この観察が足りなかったようでした。

自分のイメージだけが、膨らんでいたのでしょうか?

それとも、味方に合わせようとしすぎたのでしょうか?

結果、色々考えすぎて、体が固まったり、早く動きすぎてしまっていたのです。

もっと、パスを受けることを、シンプルに考えるように導いていきました。









 言い換えると、『出し手がパスを出せる状況かどうか?』を観察すること。

パスの出し手が、パスを出せない状況で動き出しても、パスは来ない。

仮に最高の動き出しをしたとしても、可能性は限りなく0に近いでしょう。

極端に言えば、出し手の元にボールが届いていないのに、パスは出ない。

当たり前のことですが、意外と出来ていない。

受け手側が、急ぎすぎることもあれば、逆に遅すぎることもある。

1タッチ、2タッチ、ドリブルから。

色々の状況があるでしょう。

そのいずれのタイミングだとしても、パスを出せる状態かどうかを観ること!

足元からボールが離れていては、パスは出ない。

出し手は、ボールを蹴れる状態なのか?それとも?








 このパスを出せるタイミングと、受け手のマークを外すタイミング。

パスを出せるタイミングと、相手の背後を取るタイミング。

これを合わせる作業をしていくこと。

「もっと早く」

「もう少しタメテ」

出し手と受け手との間で、すり合わせをし続けることです。

ただし、その瞬間に、伝え合うこと!

関係を熟成すれば、パスが通る可能性は高まっていくでしょう。







 

 受け手側から言えば、この観察をすることが第一歩かもしれません。

マークを外すために、様々な動きがあります。

チェックの動きをいれて、

プルアウェイの動きで、

ダイアゴナルに走って、

相手の視野を観て死角に、

オフ・ザ・ボールの動きと呼ばれるものです。

これは、受け手自身がしておくべき動きです。

いくらマークを外しても、タイミングが合わなければ、パスは受けれない。

本当に無駄な走りになってしまう。

自分の動きと、ボールが出てくる瞬間とを合わせる作業。

そして、相手DFとの心理的駆け引き。

全てがドンピシャにはまった時、スルーパスを受けることが出来るはずです。









 特訓が終わった後、選手は満足そうな表情を浮かべていました。

これを始まりとして、繰り返しトレーニングをしてくれれば、試合で裏に抜け出してゴール!!

いつか、その瞬間を見せてくれるのでしょう。

出し手の状態を観察することが、自然になった時に。


posted by プロコーチ at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月17日

視野を広げるために

 顔を上げ周りを観る・・・ルック・アラウンド。

前もって考えること・・・シンク・ビフォア。

デットマール・クラマーさんの大切な教えです。

50年たっても、その重要性は変わりません。








 ただ、いくらそれを取り組んでいても、なかなか、状況を把握できない

見ている?見えている?観ている?観ていない?

適当に、ボールを蹴飛ばしてしまう。

まるで、観る・判断・決断し・実行するサイクルが欠如しているかのように。

いきなり、実行、実行です。

そんな選手が、出てきます。

私の指導が未熟なせいでしょう。

繰り返し、繰り返し伝え続けることが、私の仕事。

そう信じ、続けてきました。








 そんな中、面白い考え方が紹介されていました。

視野を広げる方法です。

「目の前の状況と、自分の近くの状況。2つの状況を合わせること」

・・・例えば、目の前の状況が1対1、自分の隣りでもう一つ1対1なら、2対2の状況である。

複数の状況を、一度に観られるようになれば、それだけ解決策は増える。

一気に多くを観ようとするのではなく、少しずつ拡げていくこと。

味方の人数も、ストレスやプレッシャーになってしまう要因の一つ。

まずは、目の前、そして隣り、ステップバイステップ。







 キングとも呼ばれる、三浦知良選手。

彼が局面と大局について、話していました。

http://futebol.seesaa.net/article/111807496.html

1対1の局面。

そこでの良いプレーは分かる。

対峙した相手との「駆け引き」。

ところが、大局をつかんで、流れを読むのが苦手である。







 トップレベルの選手であっても、このような得手・不得手がある。

まず、簡単な状況を解決できるようにする。

それは、1対1であり、2対2である。

そこから、徐々にレベルアップして、難易度の高い連携を身に付けていく。

1人でも状況を考えていない選手がいれば、試合も練習も壊れてしまう・・。

まずは、自分の目の前、そしてその隣り、さらに隣りと増やしていく。

これが視野を広げ、複雑な場面でも、適切にプレーできる選手になるステップ。
posted by プロコーチ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月31日

ドリルトレーニングの価値とは。

 トレーニングメニューを組み立てる時に考慮すべきことは、幾つもあります。

選手の技術レベル、戦術理解度、体力、年齢、シーズンの期分けなどなど。

何を獲得させたいか、に応じてトレーニングのメニューを構築していきます。

W−UP,TR−1,TR−2,GAMEの流れが、よくあるパターンです。









 その中で、ドリルをどのように組み込むか?!は大きな問題の一つなのです。

チームの苦手な部分(特に技術的な側面)を取り上げて、集中的に取り組む。

そのためには、ドリルは大きな力を発揮してくれます。

ドリルの中でも、壁に向かい合ってボールを蹴る「壁打ち」

2人で向かい合って、ボールを投げ、特定の部分で返す「基礎練(基本)」

これらが、古典的なドリルのメニューでしょう。








 最近、よく見られるのが、「パス&コントロール」

予め定められた場所に散らばり、ボールをコントロールして、パス、そして走るを繰り返す。

対面、三角、四角、ポジションを意識した配置などがありますよね。

人数を工夫すれば、全身持久力を高めるトレーニングを兼ねることも出来ます。

これらのメニューを、W−UPで取り入れる。

ボールを受けるタイミング、観ること、ボールのコントロール、パスの精度。

テーマをギュッと絞り込んで伝えることが出来る。

繰り返し、同じシーンを再現することが出来る。

これらのメリットを享受するために、これらのドリルを導入するのでしょう。









 ところが、このドリルを否定する発言も多くあります。

中でも、フットサル日本代表監督、ミゲル・ロドリゴコーチ。

彼は、はっきりとドリルトレーニングを否定しています。

「試合で対面パスの状況は無い」

「週に数時間しかないトレーニング時間で、ドリルトレーニングをすることは無駄」

「リハビリ期、超初心者くらいしか、ドリルは必要ではない」

彼の用いる、インテグラルトレーニング理論は、ドリルを否定します。

試合でのリアルな状況、試合に似た状況でトレーニングさせなくてはならない。

(分析的、限定的なトレーニングが日本では多い。

 それは、下半身だけを鍛えている。)







 私は、彼の講習会を2回、受講しました。

彼のインテグラルトレーニングは、衝撃的で、本当に面白いものです。

そして、彼の理論は論理的に構築されており、素晴らしいものなのです。

そのたびに、ドリルトレーニングをどう扱うべきか?

強く、問題提起を突きつけられている気持ちになります。

今、これからさせようとしているトレーニングに、本当に価値はあるのだろうか?!

ミゲルコーチが言うように、ドリルではない方法で働きかけた方がいいのではないか?









 先日、フットサルの初心者クラスのトレーニングをしました。

ボールコントロールが、少しずつ出来るようになった、それくらいのレベルです。

1時間30分、徹底的にドリルトレーニングをしました。

足裏を使って、ボールを前後に動かす、左右に動かす。

足裏を使って、ボールを左に、右に方向付けする。

パートナーの指示(腕のサイン)に従い、ボールを動かしていく。

(ようやく、観て決断を伴うプレーが入りました)

こつこつ、こつこつ、地味にボールを動かして行きます。

丁寧に、でも顔を上げて、思ったところにコントロール。







 そして、最後に数十分のゲームをしました。

コーチにとっては、うれしい結果が出ました。

ボールを思ったところにコントロールする瞬間があったのです。

相手を観て、次のプレーを考えることもありました。

その日のトレーニングの成果が、何度も何度も出てきます。

1時間30分のトレーニングが無駄ではなかった証と言えるでしょう。









 結局、ドリルトレーニングは必要なのでしょうか?

ドリルトレーニングは、行う価値がないものなのでしょうか?

私の中での結論は、いつまで経っても出そうにありません。 

その価値や、配分は、常に慎重に考え続けなければならないことは間違いない。
posted by プロコーチ at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月24日

福原愛の公式

 卓球の福原愛選手、出場13回目にして、ようやく国内初優勝を勝ち取りました。

初、と言うのが意外なほど、有名な選手です。

ジュニアのカテゴリーでは、何度も優勝を重ねています。

また、国外での活躍は、他の日本人選手を圧倒しています。

レベルの高い、中国のリーグで戦ったり、世界選手権などでも好成績を残しています。

彼女の国際試合での強さ、団体戦での強さは、なぜなのでしょうね。

国内では、ベスト16やベスト4で、あっけなく負けてしまう。

海外の強豪を相手にすると、堂々と、好成績を残していく。

国内でも、海外でも、同じ力を発揮する能力こそが、彼女の一番の能力かもしれません。








 彼女を語る上で欠かせないのが、幼い頃から、猛練習を積み重ねていること。

幼い時から、天才少女愛ちゃんとして、テレビなどでも取り上げられていました。

顔よりも大きく見えるラケットを手にトレーニングをする姿。

上手く行かなかったり、ミスが続くと、涙を流して駄々をこねる姿。

何度も、テレビで目にしました。

あれが、4歳の時のようです。

そして、5歳にして、小2以下の全国大会で優勝。

天才少女の名を、より強く印象付けました。









 彼女を観ていると、ある法則が思い浮かべます。

それは、1万時間ルールと呼ばれるものです。

様々な領域(スポーツだけでなく、文化、学術)のエキスパートになるには条件がある。

上達するためには、1万時間以上練習を蓄積している。

そして、ただの練習ではなく、指導者による指導を伴う質の高い練習を必要とする。

これが、1万時間ルールと呼ばれるものです。

彼女は、3歳の時から、1日4~5時間の練習を積み重ねていた。

兄とともに、中国人コーチの指導を受けながらの、練習です。

仮に、1日3時間だったとしても、9年で1万時間に達します。

12~3歳で国際レベルの技能に達する、エキスパートになる条件を満たしているのです。

通常、15~17歳で、1万時間を越えるのが、多いとの統計もあります。







 そして、もう一つ上達するためのルールがあります。

それは、10年ルール。

10年間以上にわたり、質の高い練習をし続けなければならない。

それが、エキスパートになるための、もう一つの条件です。

短期間、数年間爆発的にトレーニングするだけでは、身に付かない。

長期間にわたり、時間をかけ、質の高い練習を続け、育成すること。

つまり、上達するための公式は、こう表せるのでしょうか。


質の高い練習×1万時間(10年以上継続)=国際レベルのエキスパート








 練習の価値を、彼女自身も強く認識しているようです。

「どうしたらうまくなれますか?」と、質問を受けて、こう答えています。

・・・実際にボールに触る時間を増やしたり、

「試合のビデオを見たり卓球とふれあう機会を増やすことだと思います。

あとは、もちろんうまくなりたい!という気持ちも大切ですが、楽しむことが1番だと思います

私もうまくいかなかったり、昨日できたことができなくなってたりすることがあります。

どうしてできないんだろうって悩むこともたくさんあります。」


「でも結局練習しかないんだと思います。

練習してもうまくなるか試合で勝てるか分からない。

でも練習しなかったら確実にうまくならないし試合でも勝てません。

これをしたら絶対にうまくなる!っていうのはないですが、

1日1日の積み重ねが大きな形になると思いますよ。」




そして、こうも答えています。

・・・皆はあなたのことを天才だと思っていますね。素質があるスポーツ選手だと。

「いいえ。違います。

私は小さい頃から卓球始めています。

もし他の子供、4、5才の子供が一時間練習するなら、私は3才から始めたのですが、

母は4時間練習させた。他の人よりも練習時間が多いから進歩も大きいんです。

だから小さいときは簡単に勝つことができ、皆は天才と呼んだんです。

でも、実際、そんなことはまったくありません。」






 同じように練習を積み重ねても、結果の出ていない選手も、多くいるでしょう。

燃えつきてしまった選手も、いるかもしれません。

福原愛選手にとっては、この1万時間ルール&10年ルールは当てはまるようです。








 さて、フットボールの世界では、どうなのでしょうか?

団体競技で、1万時間ルール&10年ルールを達成するのは、簡単なことではありません。

卓球と違って、フットボールでは、コーチが付きっ切りでトレーニングするのは難しい。

毎日1日2時間、小1から続けて、13年間かかります。

小学生では1日2時間、中学に入って1日3時間に増やすと、11年で達成します。

つまり、17歳から19歳でようやく、エキスパートになれるはずです。

ただ、コーチとともに、仲間と共に練習をするのが団体競技です。

やはり、1万時間を達成するのは、簡単ではありません。

いかに、質の高い自主トレをするのか?も大事になりそうです。


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2011年09月30日

難易度の高いキック…インステップ�A

 前回に引き続き、インステップキックについて。

http://futebol.seesaa.net/article/227840758.html

合う合わないは、個人差が大きい。

今回挙げた方法が、全ての選手に当てはまるとは思っていません。

もし、何か習得のヒントになれば、幸いです。










 まずは、足首の固定について。

これは、どこでも紹介されているので、簡単に。

イメージとしては、ボールを蹴り終えても、足首を固める。

それくらい、つま先まで神経が通っていると、足首はぐらつかない。

止まっているボールは、止まり続けようとする力が働きます。

足首の固定が出来ていないと、その力に負けてしまい、インステップの面が崩れてしまう。

もちろん、足首を柔軟に使う蹴り方もあるのでしょうが、それは上級者のお話。

まずは、蹴り終えても、足首を固定するくらいの感覚で。



 固定の方法としては、幾つかあります。

・つま先を伸ばす

・じゃんけんのグーにする

・靴のインソールを指の腹でつかむ

どれか、ピタッとハマる方法を探してみてください。










 今回強く意識させたのは、蹴り足の角度です。

つま先が真っ直ぐ下(地面と垂直)を向いたインステップだと、当たりが浅くなりやすい。

地球を蹴ってしまうのを恐れる、もしくは、すでに痛い思いをしているから?

つま先を真下に向けたスイングでは、指の付け根か、足の甲の先端でミートしてしまいがち。

本来、もっと深い場所で、ボールをミートしたい。

靴ヒモの結び目や、その周辺。

足首に近い辺りだと、ボールに力を加えやすい。

靴を寝かせて行き、地面に垂直の状態から、平行に近づけるように傾けて行きます。

そうすれば、インステップの中心と、ボールの中心とを合わせやすくなります。









 この形を作るためのドリルを考えました。

それは、横向きに寝そべり、ボールを蹴ることです。

軸足側が地面に向けられています。

(右足で蹴るなら、左側を下に寝転がります)

蹴り足のひざを後ろに引きながら折りたたんで、ひざを伸ばした時にボールをヒットします。

この時、親指の外の側面が、地面を擦る、地面を擦り続ける。

まるで、靴で地面をはらうかのように、ひざを伸ばしていきます。

親指を擦り続ける体の使い方が、インステップの角度につながっていくことが、狙いです。

この時、左肩から、右ひざにかけて、弓なりのアーチを意識します。

(このアーチがないと、立った時にいいフォームになりづらいようです。)

股関節が使えていない人は、このアーチを作るのに窮屈になりがちでした。








 重心の位置。

足首を固定する。

親指の下の外側をはらうように、ボールをミートする。

この2つの動作を習得するために、現場では、もう幾つかのドリルに取り組みました。

そして、いざボールを蹴るのですが、まだ、インステップが垂直になる選手もいます。

観ていると、2本足で立っているのです。

軸足を踏み込み、片足、一本足で立つ。

しかも、軸足の外側に体重を掛ける。







 プロ選手が蹴る、キックの分解写真をたくさん観て研究しました。

彼らは、カカトから、そしてかなり外側から地面に、軸足を踏み込んでいる。

中には、捻挫してしまいそうなくらい、アウト側から地面に接地しているものすらあります。

それくらい、軸足の外側に体重が掛かっている写真すらありました。

つまり、体重を両足均等に掛けている普段の状態ではない。

軸足側に、そしてアウト側に重心を移動させる、体の使い方が求められるのです。









 インステップでミートするための、3つのポイント。

・足首の固定(インステップの面を作る)

・親指の外の側面で地面をはらう(靴を地面に平行に近づける)

・重心を軸足の外側にずらしていく(軸足を中心としたバランスの獲得)





これらに取り組むことが、インステップでボールをミートするヒントになるのではないか。

ボールの威力を増すことや、回転数や高さをコントロールすることは、考慮から外しています。









 インステップにボールが当たって、気持ちいい感覚があった。

ボールが真っ直ぐ、きれいな縦回転で飛んで行った。

ボールが思いのほか伸びて行った。

いいイメージを少しでも持てれば、習得のモチベーションも高まるはず。

私も、皆とボールを蹴っていて、気持ちよくなってしまい、ついボールを蹴りすぎてしまいました。

繰り返し、ボールを蹴って、蹴って、きれいなインステップの習得を!!
posted by プロコーチ at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月02日

決定力を上げる。

「シュート練習、しなきゃダメだね。」

同僚のコーチが、ぼそっと、つぶやきます。

彼は、FWとして、何年もプロのピッチで戦っていた元選手です。

仕事の合間に出場した社会人リーグ、数回、決定機を外したようです。

外したとは言え、今回も、1試合に2得点奪ったそうなのです。

今シーズン、7試合で6得点。

1部リーグ得点王争いをしているのですが、納得のいかない様子。








「3年前、優勝しなきゃならない大会に向けて、毎週シュー練していた。」

(同僚は抜群の決定力を見せつけ、大会で見事優勝!に導きました。)

「やっぱり、大事だよ。」

何度も、シュート練習の大切さを、口にしていました。

聞けば、試合が追いつかれて、3対3の引き分け。

自分が決めていれば!の感が強かったのでしょう。

静かな口調でしたが、悔しそうな表情を浮かべていました。








 シュート練習を繰り返せば、彼は、さらに決定力が増すでしょう。

ただし、おそらく彼がシュート練習を繰り返しても、技術が格段に向上するわけではない。

すでに、高い技術を習得しているのです。

右足でも、左足でも、強烈なシュートでも、GKの逆を突くコントロールショットでも。

キックが優れているだけではありません。

シュートとしての技術、GK・DFとの駆け引き、ゴール前での落ち着きが素晴らしい。

ブラジルで、FWとして何シーズンも戦って来た実力は、看板だけではない。

おそらく、努力を積み重ね、身につけたものなのでしょう。

彼の技術は、高いレベルで完成されています。









 では、彼がシュート練習をするのはなぜか?

チューニング…調整をするため、というのが大きいのではないか。

35歳を迎えた、同僚。

20代の時とは、体が変化している。

自分では気が付かない小さな変化が起きている。

スピード、筋力、足の振り、上半身の押さえ、バランスが変化していることを意味します。

ゴール前で相手が迫ってくる、余裕がない、その瞬間!!

小さな変化が、ズレとなって表れてしまう。

シュートは思ったところに飛ばず、外れる、止められる。

この変化を体で理解し、ズレを修正するためのチューニングが必要になる。

1本1本シュートを積み重ね、技術を確かめていく。

それが彼の言う、シュート練習の必要性なのではないか。









 技術を完成されていない選手は、どのようにシュート練習に取り組めばいいのか。

「四隅(よすみ)の狙った場所にシュートを打てるようにすること。」

「相手GK・DFをよく観ること」

キーワードは、この2つ。





 まずは、自分とボールと関係を作り、いい位置にボールを置く。

同じ体勢で四隅に打てる場所、それが、いい位置。

相手GK・DFを観て、四隅の、その空いている場所にボールを飛ばす。

そのためには、軸足の踏み込み位置、上半身のバランス、腕の使い方、が必要になる。






 ゴールにパスをすると言う表現があります。

それを具体的に表現したと言えるのが、この2つのキーワードです。

このことに注意しながら、シュート練習を積み重ねること。

継続は力なり。

間違いなく技術が高まり、決定力の向上につながるはずです。
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2011年08月12日

デモンストレーションの力

 引き続き、ボカジャパンスキルアップクリニックからです。

連日、見学させてもらっていて、気づくことが幾つもあります。

子供だけでなく、我々指導者も、気づきをもらえるこのクリニック。

少なくともわたしにとっては、有意義なものです。







 こういった、海外の指導者を招いて開催するクリニックには、弱点があります。

それは語学です。

選手は、言葉が分からない。

コーチが説明し、通訳が日本語に翻訳し、説明する。

このワンクッションがあるため、どうしてもミーティングや、設定の説明が長くなってしまう。

今回も、説明の時間が長く、子供たちの耳に、心に、どこまで届いているのか?

ただ、今回の通訳の方は、サッカーを良く知っている。

そして、アルゼンチンのことも分かっている。

何より、難しい言葉を、極力使わないようにされている。

その面で、子供たちのストレスは、かなり緩和されているような印象です。









 ミーティングを聞いていると、かなり詳細に説明をして、トレーニングに入る。

コーチのスタイルなのでしょうか。

トレーニングの順序、人の動き、安全面の配慮など、丁寧に説明します。

ところが、技術面に関しては、そこまで細かい説明はなされていないようです。

もちろん、腕の使い方、顔を上げるなど、キーになる部分は伝えています。









 例えば、昨日はキックをテーマにトレーニングが進められました。

ボールへの入り方、パスのタイミングなどは、説明し、厳しく求めていきます。

シュートの瞬間、GKは何を考えているか、そしてどこを狙うべきなのか?

ゴールとの距離による、狙いの変化など、意図は細かく伝えています。

ただ、実際にどのようにボールを蹴るのか、については、ほとんど伝えません。

ワンポイントのアドバイスを送る程度です。










 その代わり、コーチが必ず、デモンストレーションを繰り返し、見せてくれます。

また、そのコーチ(メディーナコーチ)のデモンストレーション能力が素晴らしく、高い。

説明をし、このようにするんだよ、と言ったその次には、デモを見せてくれます。

そのデモンストレーションは、1度もミスがありません。

しかも、強いボールを、狙ったところに、ヘディングでもキックでも。

ドリブルでも、正確なボールタッチ、フェイントも自在です。

例えば、左サイドからドリブルして、中にカットインして、ファーに巻いて上隅にシュート。

技術的には、簡単なものではありません。

説明ポイントを変えながら、全部で5回ほどデモを見せました。

全て、強烈なシュートが、ファーの上隅に突き刺さります。









 「さあ、やろう。」

選手たちは、最初はなかなかコーチのデモのようには、上手く行きません。

それでも、あまり細かい、技術的な指導はありません。

ボールに入るタイミングや、狙いどころを繰り返すだけです。

とにかく、たくさん、数を繰り返させます。

何度も、何度も。

そして、グループを2つに分け、得点を数え、競争をあおります。

コーチのテンションは、どんどん高まります。

選手も、それにつられているようです。

すると、素晴らしいゴールが、どんどん決まり始めるのです。

トレーニングの最初と、最後とでは、別人のような子供すら出てきます。









 デモンストレーションの効果と言うものを見せ付けられました。

指導対象にもよるのでしょうが、いいデモを見せ、プレーを繰り返す。

そして、コーチが、その場の高いテンションを保つ。

やはり、育成年代では、このスタイルでしょうか。

技術面での細かい説明よりも、効果があるようです。

それにしても、100発100中のあのデモンストレーション能力!!

あのメンタル、技術の高さは、どのように身につけたのでしょうか?

ここにも、我々が見習うべき「ない」ものを感じました。









 追記

デモンストレーションを見せるコーチは、いつもトレーニングの前にピッチで汗を流していました。

何度も確かめるように、ボールを蹴っていました。

自分の技術のチューニングをしているかのように見えました。

選手たちが来る頃には、リラックスした表情で、笑顔で選手を迎えています。

隠れた取り組みがあったことも、追記しておきます。

posted by プロコーチ at 12:54| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月08日

持ってる。持っていない。

 「持ってる。」

アジアカップ優勝の際に、選手の口からも出ていました。

流行語だからでしょうか。

本田選手は、この言葉を好んで使っていますね。

彼のキャラクターによく似合うように思います。






 ただ、こんな選手もいるのです。

「持ってる」と言う言葉は、最近よく使われるけど、嫌いな言葉である。

これを、話していたのは、三浦知良選手です。

私は、この話しを聞いて、一瞬耳を疑いました。

もし、彼が最も活躍していた時代に、このフレーズが流行っていたら、言われていたはずです。

「カズは、持ってる」と。

誰もが、ここで、この試合で点を獲って欲しい。

その思いに応えてくれていたのが、カズさんでした。

彼の存在が、日本のサッカーを引き上げてくれ、新たなステージに導いてくれている。

当時、そう感じていました。

その活躍は、まさに「持ってる」と言う言葉が相応しい選手ではなかったか。







 本人も、自身のことを「スーパースター」だと自負しているようです。

兄である、三浦ヤスの自著で、触れています。

カズさん本人が、「スーパースター」だと認めている。

一度だけの活躍ではなく、歩んできた歴史そのもで評価される。

そんな「スーパースター」であると。








 それでも、カズさん自身は、「持ってる」と言う言葉を好きでない。

なぜか?

人生に偶然は無く、「持ってる」から成功するのではない。

運命や偶然ではなく、必然であり、努力の積み重ねである。

そう信じているから、「持ってる」「持っていない」で済ませたくないのでしょう。







 先シーズンの最終戦、大分トリニータ戦で、先発を飾り、ゴールも奪った。

夏の一番暑い時期に、ボールを受けてシュートする形を、繰り返しトレーニングした。

一年を通して、試合に出る準備をし続けた。

調整と思って臨んだトレーニングは無く、本番の公式戦のようにトレーニングに行っていた。

それが、最後に最高の90分間をもたらしてくれた。






 持ってる、持っていないではなく。

人生には偶然は無い。

全ては、必然である。

1998年のフランスワールドカップに行けなかったことも意味があり、偶然ではない。

自身に力が無かったからだ。






 
 ここまでの考えにたどり着くために、カズさんはどれだけの時間を積み重ねたのだろう。

そのスーパースターたる振る舞いを続けることは、どれほどの力を必要とするのでしょう。

若い時には、もっと鼻に付くようなことも、話していたのを憶えています。

25年間!プロとして戦い続ける中で、たどり着いた、現在の姿。

それを「持ってる」の一言で片付けるには失礼に感じる。

人生に偶然はない。

そう信じれれば、我々の心も救われませんか?



posted by プロコーチ at 23:11| Comment(1) | TrackBack(0) | トレーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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