2020年01月10日

共通するもの

 選手権。

この季節に選手権と言えば、全国高校サッカー選手権大会ですよね。

98回もの歴史を刻んでいます。

アマチュアの高校年代の大会に、たくさんの観客が詰めかける。

そして、新聞やネットのニュースで取り上げられ、全国でテレビ放送される。

注目度や、観客動員数はJ2の試合すら超えているのではないでしょうか。











 選手権には、問題が浮かんで来ていますが、その影響力は絶大です。

4000もの参加高を有する選手権があるから、この年代の子供たちが、プレーできている。

選手権の引力により、彼らの情熱が引き付けれている。

もちろん、強豪校における、補欠の問題や、トーナメント方式による弊害はあります。

それを差し引いても、選手権には、フットボール文化を盛り上げている貢献度はあまりに高い。

私も、4試合ほど、スタンドで観戦しました。

ピッチからの熱が伝わってきて、心地いいですね。













 試合を観ていて、二つのトレンドを感じました。

・ボールを足元にピタッと止めるボールコンロール(トラップ)が主流。

・相手を遅らせ、スペースを埋める守備が目立つ。

この二つにより、ボールを大切に自らで組み立てながら、失点を減らす試合が成り立っている。

以前のように、運任せに長いボールを、お互い蹴り続ける試合展開が減ったと思います。

昔のように、1人、2人のスターがいれば、躍進できる。

みんなで守って、限られた個人の才能に頼る方法では、勝てなくなってきている。

高校サッカー、日本サッカーの進歩と言えるのではないでしょうか。














 その一方で、その二つのトレンドの弊害も見られます。

まず、ボールを足元に止めることで、スピードアップができない。

一度足元に入れてから、プレーが始まる。

スペースに持ち出すのも、一度足元に止めて、2タッチ目で持ち出す。

そのため、スピードが上がらない。

相手DFの外で回している間はいいのですが、いざ崩しの局面になった時には、どうでしょう。

相手が頑張って対応する時間を与えてしまっている。

なおかつ、パススピードも上がって来ないので、守れてしまいます。













 さらに、もう一つのトレンドである、遅らせる守備。

スペースは埋めているけど、ボールへのチャレンジが弱い。

1stDFが寄せ切ってボールを奪うシーンがとても少ないのです。

守備には行っているが、迫力を感じない。

(唯一、青森山田の強度は別格で、強くチャレンジしていました。)

相手のミスを待っているようにも感じます。

もっと、自分たちで意図的にボールを奪うシーンを見たいです。












 この二つが両チームで起こるのです。

予定調和でゲームが進みます。

スピードを上げないポゼッションと寄せない守備。

「どこでボールを奪いたいの?」

「いつゴールを目指すの?」「どのように崩したいの?」

スタンドで観戦しながら、ぶつぶつ独り言が漏れていました。










 そして、昨日、あることに気が付きました。

その二つのトレンドは、U23の日本代表でも見て取れたのです。

攻撃でボールは持っているが、スピードが上がらない。

相手にとっては、あまり怖くない攻撃だったのではないか。

そして、当たらない守備。

いつまでたっても、ボールに寄せない。

抜かれないこと、スペースを埋めることを優先させている?

選手権との違いは、相手は予定調和ではないこと。

サウジの選手は、多少強引にでも、ゴールに目指してきました。

ズルズルと下がって、何度もピンチを迎えます。

この問題は、高校選手権と共通していました。












 日本国内だけでプレーしている時は、今のままでいいのかもしれません。

でも、今のままでは、成長は止まってしまいそうです。

今のトレンドに上積みするものを、見てみたい。

残るは、準決勝と、決勝。

さて、違うものを見せてくれるのでしょうか。

楽しみに待ちましょう。








 




posted by プロコーチ at 13:05| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月02日

2020年もよろしくお願いいたします。

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

何と言っても今年はオリンピックが東京で開催されます。

日本に世界中からたくさんの人々が訪れてくるでしょう。

今年は、日本中がワンチームでしたが、来年は世界ともワンチームになりたいですね。










 そのオリンピックを契機に、実は大きな変化がありますよね。

「体育の日」が「スポーツの日」に変わるのです。

「体育の日」は1964年の東京オリンピックの開会式の行われた10月10日でした。

そこから、2020年の東京オリンピックからは「スポーツの日」に。

体育は、先生や教官に教わる。

主に学校で、指示に従い、体を鍛える。

楽しむと言うよりは、体を鍛えるための行動でした。

それがスポーツとなると、自発的な行動であり、強制されるものではない。

学校に限らず、地域や仲間と、自らでアクションを起こし、人生を豊かにするもの。

ヨーロッパやブラジルでは、街に総合型のスポーツクラブをたくさん目にしました。

体育は、学校を卒業すると、関りが薄くなってしまう。

でもスポーツなら、生涯を通じて、楽しむことができる。

それが日本でも当たり前になるといいですね。












 同じように、日本では我々のスポーツをサッカーと呼びます。

何しろ、日本サッカー協会ですから。

でも日本サッカー協会はJFA、日本、フットボール、協会のはずです。

世界で考えると、フットボールに近い言葉を使っている国や地域が多いです。

フッボウ、フッチボウ、フスバルなどなど。

サッカーの呼び名は、日本・米国くらいでしょうか。

イタリアのようにカルチョなど独自の呼び方をする国もありますね。

日本は、独自のフットボール文化が進化しているのでしょうか?

それとも取り残されているだけ?

次のワールドカップが開かれる数10年先に、フットボールに呼称が変わるのかもしれません。












 日々のフットボールライフをめいいっぱい楽しむ。

そして、世界とつながり、世界からも学んでいく。

さらに国際交流につながれば、もっと豊かになっていくでしょう。

スポーツもフットボールも世界とつながっている。

それを感じられる一年になりそうです。

そのお手伝いが出来れば、幸せです。

今年も一年、よろしくお願いいたします。



posted by プロコーチ at 01:04| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月31日

試合で起こった課題から

 今年も、指導者講習会(リフレッシュ講習会)に参加してきました。

ナショナルトレセン女子U14。

この活動を見て、参加して、学んで行きます。

女子のナショナルトレセンから、たくさんのなでしこジャパンのメンバーが巣立っています。

たくさんと言うよりも、ほとんど全員と言っても、過言ではないでしょう。

未来のなでしこ達が、全国から集まって、トレーニングに取り組む。

そのハツラツと、懸命な姿は、観ていて心地いいです。













 なでしこの良さとして、個人個人がハードワークしながらも、グループとして戦っていく。

特定の個人に頼るのではなく、全員がプレーに関わり続ける。

これは世界的に見ても、大きな特長となっています。

では、今年度の取り組みは?

トレーニングそのものは、あまり変化の無いように見えます。

ですが、ナショトレコーチの解説によると、少し変化しているようです。

例えば、「ゴールを奪う」というセッション。

ゴール前のトレーニングです。

いかに、ゴールを目指し、決めるのか?













 グループとして連動し、崩し切る?

その良さは残しながらも、そこに留まっていてはならない。

より、個人としてゴールを決めきる力を育てたい。

ペナルティエリアの外からでも、ミドルシュートを決めれる選手に。

常にゴールを意識して、相手の一瞬のスキをも逃さない。

一つ一つのメニューや、そこでの声がけも、そこを強調するものになっていました。

安易な横パスや、コンビネーションに逃げない。

ドリブル突破も交えながら、積極的にゴールに迫ろう!













 ナショトレの発信は、少しずつ広がっていくはずです。

選手や、コーチ、を通して、浸透していくでしょう。

根気よく続けていき、選手の育成に役立てていきます。

これらの発信は、何を根拠にしているのか?

目の前の選手のために!という取り組みなのですが、根拠はそこではありません。

女子のワールドカップや、年代別の世界大会に、アジアの大会。

ここに、テクニカルスタディグループを派遣しています。

そして、大会を観察し、世界的なトレンド、日本の戦いを分析し、レポートを作成します。

もちろんこれは、男子も女子も同じです。

このレポートをもとにして、指導指針やトレーニングを組み立てて行っています。















 その取り組みは、ずっと続いているものです。

我々も、もっとこのようなアクションをしなければなりませんよね。

様々な大会や試合を観る。

そしてそこから、日々のトレーニングに落とし込む。

目の前の選手の未来を想像しながら。

試合で起こった課題を見る。

それを日々の活動にフィードバックしていく。

当たり前のことを、もう一度丁寧に。

年の最後に、いい勉強をさせてもらいました。

今年も、ありがとうございました
posted by プロコーチ at 15:20| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月13日

運動には公式がある。

 新しい勉強を始めました。

有名な言葉を引用するまでもなく、指導者は勉強し続けることが必要ですからね。

(もちろん選手も、同じく向上心が求められるでしょうから、同じですよね。)

それは、体をスムーズに動かすためのヒントを求めてです。











 運動が得意な人、運動が不得意な人。

その差はどこにあるのか?

子供の頃から、何となく感じていました。

フットボールでも、野球でも、バスケでも、ドッジボールでも。

単純に、走るだけの運動会でも。

活躍している仲間は、カッコいい。

顔ではないですよ。

動きそのものが、躍動感があり、スピーディーであり、軽やかであり。

その一方で、苦手な仲間の動きは、何か、もっさりと言うか。













 もう一つ。

日本の体育会でしばしば見られるブラジル体操が嫌いでした。

「1・2・3、2・2・3」

整然と揃って、威圧的ですらあります。

運動会や、軍隊の行進のようです。

名前こそブラジル体操となっていますが、ブラジル的ではありません。

完全に日本製。

ブラジル風日本体操ですね。










 この2つが、先日の講習会でつながりました。

その講習会とは、音楽に合わせ、リズムに乗って、体を動かしていく。

少し高さのある、線上の障害物を越えて行きます。

ここに、今までの悩みを解決してくれるヒントを求めて、飛び込みました。

そこでの学びは、まさに私が求めていたことでした。

座学で学び、実技で体を動かす。

インストラクター役の先生も話してくれました。

「音楽に乗って体を動かすと、楽しくなりますよ。」

「自然と笑顔が増えてきますよ。」











 そこで、学んだ公式があります。

「運動=形×リズム」

丁寧な体の動作。

ここに日本は、重きを置き過ぎている傾向にある。

もっと、リズムの感度を高めることも必要ですよ。

さあ、リズムの感度を高めて行きましょう。

でも私は、自然と笑顔が出るほどの余裕はありませんでした。

まだまだ、形にとらわれているようです。

もっと、リズムを感じられるように。

今後の指導にも取り入れて行きたいです。
posted by プロコーチ at 12:04| Comment(0) | フィジカル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月06日

自分でやるぞ

 少し前になりますが、日本代表の親善試合。

何とも、消化不良でした。

五輪世代の試合も同じく。

全く通用しないわけではないのです。

ただ、何かが足りない。

負けているのにも関わらず。

自分がレギュラーを保証されていない立ち位置だと、分かっているはずなのにも関わらず。

淡々と、自分の役割をこなすように見えてしまいます。








 その一つの答えを、目の当たりにしました。

先日、仲間と試合を楽しみました。

もう6〜7年でしょうか。

月に数回、真剣に楽しんでいます。

まだ現役大学体育会の選手や、元プロの選手が何人も混じるレベルの高さ。

刺激はあるのですが、気を抜いている暇がない。

体を張って守備をして、味方につなぐのが精いっぱい。

ここでプレーを認められているかが、分かりやすい指標になっています。












 そこに、外国人の選手が混じっていました。

初めて見る顔。

誰かが、誘って連れてきてくれたようです。

イタリアのクラブのユニフォームを着ていたので、イタリア人かなと思いました。

試合が始まると、その彼が何とも目立つのです。

ボールを持てば、前に、ゴールに。

ドリブルやパスで、前進しようと試みます。

前が詰まったら、思い切りよくサイドチェンジ。

キックはパワフルで、気持ちよく伸びて行きます。

ボールを奪われたら、ダッシュで切り替え。

奪い返すまで、しつこくボールに食らいつきます。











 そう、とにかく、自分でやるぞ!

プレーの意欲に満ち溢れていました。

ボールタッチは、正確ですが、繊細さやリズミカルのものはありません。

フェイントもほとんどしない。

日本人的な、上手いプレーは出来ないのか?見せないのか?

でも、常に前を向こうとする。

そして、前に進もうとする。

シュートも、積極的に、打っていきます。

ちなみに、私見ですが、誰かに似ていました。

酒井高徳の若いころのプレーにそっくり。













 
 外国人の彼のプレーも、酒井高徳も、日本の平均的な選手とは全く違いました。

双方、上手さは感じないのですが、とにかく目立ちます。

失敗を恐れず、積極的に、プレーに関わり続ける。

自分がボールに触りたい。

自分でゴールに向かう。

そして、自分でボールを奪う。

フットボールの目的を、根っこの部分で、理解し、表現できている。

よく見る日本の上手いと呼ばれる選手たち。

ボールをうまいことつないで行けば、いいよね。

コースを切って、中央に通させなければいいよね。

その違いは、一目瞭然。














 ちなみに彼は、スペイン人でした。

しかも、かなり有名なスクールのコーチとして、来日していました。

そのスクールは、賢くプレーさせることで有名なのですが、彼のプレーは、ちょっと雰囲気が違いました。

私も、違う機会に、そのスクールを、

何度も見させていただいのですが、あまり強度が高いトレーニングは行っていませんでした。

そのイメージがあったので、彼の仕事を聞いて、再び驚きました。

根っこの深いところで、フットボールの目的を理解している選手が、

賢くプレーするならば、相手にとっては脅威の存在になるのでしょうね。














 さあ、自分の目の前の選手は、自分でやる意欲にあふれているのでしょうか?

賢さや上手さばかりを求めていても、ダメでしょうね。

自分でやるぞ!

そんな選手を育てるサポートをしていかなくては。
posted by プロコーチ at 16:05| Comment(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月16日

突き抜けろ。

 日本の希望の星となっている。

久保建英。

バルサの育成組織で少年時代を過ごし、Jリーグに帰還。

それだけでも漫画のようなストーリーでした。

さらに、世界中の選手の憧れのクラブである、レアルマドリードと契約。

弱冠18歳。

この若武者の未来を、誰もが期待しているでしょう。











 実は、私は、そこまでの期待を持てていません。

特に現在のプレーを観ると。

彼の特徴は何か?

それは、賢さと技術の高さ。

賢さの特徴は、DFとDFとの間でのプレー。

ライン間も、横の人と人との間も。

そこに入り込み、ボールを受ける。

技術の特徴は、細かいボールタッチ。

顔を上げて、ボールを見ないで、細かいタッチを繰り返し、DFの先手を取る。

あれをされると、守っている方は困りますよね。












 とても洗練されている選手です。

まるで、10年以上のプロのキャリアのある、中堅〜ベテラン選手のようです。

それを18歳で平然とこなすのですから、未来が楽しみになるのでしょう。

本当に、素晴らしい選手だと思います。

でも、天才と言う形容は、当てはまらない。

なぜなら、彼のプレーを観ていて、ビックリしたことが無いからです。

「そんな所を見てたの?!」

「そのタイミングでパス!!」

と言う、発想やプレーの創造性を感じ、驚かされることがない。

今のままでは、5年後も10年後も同じプレーをしているようなイメージが浮かびます。














 今、彼は、レンタルで所属しているマジョルカで苦労している。

そこは、バルサやレアルのように、主導権を握って試合を進めるチームでは無い。

攻撃の選手に、気の利いたパスを求めてはいない。

求められるのは、ゴールに直結したプレー。

シュートを決める、アシストをする、相手をドリブルで突破する。

守備なら、体をぶつけて、自分の力で奪い取る選手が必要とされる。

コースを切って、追い込む守備では物足りない。

長い距離を走って、味方の穴を埋め、激しく相手に寄せて、寄せきるブレーです。











 この攻守において求められているプレーは、今まで彼が見せていたプレーとは、少し違いますね。

とてもいい経験になると思います。

マジョルカで、求められているプレーを発揮できれば、グンと成長できるでしょう。

上手いだけでなく、怖い選手に。

気の利いたプレーに加え、試合を決めれる選手に。

能力の高く、賢く、メンタルの強い彼だからこそ、期待しています。

突き抜けろ!

昔、あんな選手がいたよね、みたいに振り返りたくはありません。
posted by プロコーチ at 00:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月19日

本質の確認…攻撃

 盛り上がっていますね。

ラグビーワールドカップ。

私も何とかチケットを購入し、観戦してきました。

ラグビーのルール分かるの?などと聞かれます。

子供のころから、実はテレビで観ていました。

松尾、平尾、堀越、今泉、吉田。

新日鉄釜石、神戸製鋼、早稲田対明治は記憶にあります。











 でも、変わりましたね。

一番は、ゲームのテンポ。

もっと、ボールの周辺で、ぶつかり合い、もみ合いが長かった。

だからこそ、ミスターラグビー平尾さんの、あのステップがより輝いて見えました。

今は、どの選手も、走れる、闘える、ぶつかれる。

バックスの選手が大きくたくましく、フォワードの選手は素早くなっています。

それは、日本のラグビーが成長した証であるでしょうし、ラグビーという競技そのものの進歩。

我々のフットボールと同じで、より高いレベルのフィジカルが求められている。

より速く、よりたくましく、でも高いテクニックと判断は大切に。













 私が観戦したのは、熊谷の競技場です。

ラグビー専門の競技場だけあって、選手が近い!

柏や三ツ沢、昔の神戸中央で観ているような臨場感。

横国だと、テレビ映えはするのでしょうが、あの熱はないでしょうね。

それも、我々と同じでした。

フィジカルコンタクトが繰り返される分、さらに熱さが伝わって来ました。











 ラグビーは、前方向に進むことが難しい。

手でのパスは自分の横、後ろのみ。

前に進む方法は、キックか、ボールを持って突進の2択。

ボールを横に動かすのは、そこまで難しくない。

相手DFも、ルールで定められているので、ボールより後ろで待っていますから。

でも、横に動かすだけでは、すぐに詰まってしまう。

追い詰められて、前方に逃げ出すようなキック。

相手にボールを奪われて、攻撃のチャンスを失ってしまいます。














 フットボール的な考えしか出来ませんが、大切なことが見えました。

それは、ゴールに向かって進むこと。

ゴールに向かって突っ込んでいく。

すると、相手DFがそこに集まってくる。

ボール周辺にサポートをして、すぐに新たな展開をする。

相手を集結させておいて、展開する。

相手の反応、我々で言うところのスライドが遅れたら、さらに前に進んでいく。

この前に進む、つまりゴールに向かうことがキーポイントではないか。











 パスが目的になってしまう。

そんな攻撃は怖くない。

ボールを失わずに、前に進む。

ボールホルダーは、まずゴールに向かう。

それ以外の14人は、サポートをする。

ボール近くは、次の受け手に。

ボールの遠くの選手は、広がって幅を作る。

先にポジションを取ることで、相手DFに反応させる。

この繰り返しで、攻撃のベースが成り立っている印象。














 これは、フットボールにも通じる本質です。

まず、ゴールに向かう。

だから、相手選手がゴールを守ろうと集結してくる。

だから、他が空いてくる。

忘れてはならない本質を教えてもらいました。



posted by プロコーチ at 12:18| Comment(0) | 観戦 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月23日

テクニックの引き出しを増やす

 テクニック。

試合中に、観て、考え、判断した結果を、実行に移す手段です。

どんなにいいアイデアが浮かんだとしても、実行する能力が無ければ、絵に描いた餅に過ぎない。

少し極端ですが、ボールが30m飛ばすのが精いっぱいの選手が、ロングシュートを決めることは不可能。

そうなると、自分の持っている解決方法をよく分かっていることも、いい選手の条件と言えますね。

この種類の武器を持っているのだから、この局面では、この解決方法がいいのでは?

もちろん、特別な解決方法を持っていることは、いい選手の大切な条件であることも、間違いありません。

つまり、素晴らしい武器と、その武器を素早く的確に選ぶ能力が揃えば、本当に素晴らしい選手ですね。












 日本の若武者が、たくさんヨーロッパの舞台に挑戦しています。

ここ数年、一気に増えて来ていますね。

厳しい競争の世界に飛び込んで、勝負していくことは、レベルアップの大きなチャンスですよね。

その一人である、オランダ・トゥエンテでプレーする中村 敬斗。

世代別代表でも活躍を見せてくれた、素晴らしい選手。

ボールを運べ、パスも出せ、決定力もある。

宝石のような、攻撃的な選手です。













 彼が、先日のオランダリーグで見せたあるプレーが、少し話題になりました。

点も奪い、大活躍していた中村敬斗。

試合の前半の終了間際、相手選手に対するスライディングタックルが、危険と判断され、一発レッドで退場していしまいました。

VARによる判定で、レッドカードが示されました。

その瞬間、信じられないと、中村敬斗は驚きの表情を浮かべていました。

様々な意見もあるようですが、私は、退場も仕方のないジャッジだと思いました。

なぜなら、ボールを保持している選手に向かって、スピードに乗って、足裏を見せたままスライディング。

ボール方向には行って、ボールにも当たっていますが、相手の足に、スライディングした足裏が強く接触。

衝撃を逃がすためもあったでしょうが、相手選手は数Mほど吹き飛びました。

試合を裁いた主審は、「「スパイクの裏を見せており、典型的な足を壊しにいくプレー」

「スピードがなかったり、足が伸びていなかったらで議論が起きることは分かるが、残念ながらこの場合はレッドカードだ」

とインタビューに答えています。














 このスライディングタックル。

そもそも、スライディングの種類が適切ではなかったのです。

彼が見せたスライディングは、現在、主流となっているもの。

最近の若い選手が行うスライディングは、この種類しか出来ない選手が多数派の印象です。

野球のスライディングに似ている、あれです。

軸足を内側に折り畳み、スライディングする足を伸ばして、すべっていく。

この方法のメリットは、滑った後、立ち上がるのが速いのです。

このスライディングで、シュートブロックやクロスに対してブロックに行く。

もしくは、こぼれたボールを巻き込むようにして自分のものにする。

汎用性が高いのも、主流になっている理由だと考えられます。

広まり始めた当初は、クイックスライディングと呼ばれることもありました。

2000年以降だと記憶しています。















 このクイックスライディングには、デメリットもあります。

ボールを持っている選手に対して、チャレンジする。

いわゆるスライディングタックルには、不向きなのです。

そのポイント向かってに直線的に、足裏を向けて、素早く滑るのがこのスライディング。

ボールを足元に保持している選手にそのプレーをしたら、当然危険ですよね。

シュートブロックなどの、ボールのコースに入るには最適です。

ですので、スライディングタックルが許されていなかったフットサルでは、昔からよく目にしていたのが、これです。

つまり、中村選手が選んだ技術の選択そのものが、適切ではなかったのです。














 ボールを保持している選手に、スライディングで奪いにいくなら、違うタイプのスライディングがおすすめです。

軸足を外側に折り曲げる。

ハードルの足のような形にして滑るスライディング。

昔は、この形が主流でした。

この形で、ボールを奪いに行く。

奪いに行き、ボールに接触するのは、自分の足(スパイク)ではなく、自分の太ももの付け根。

足先で行くのではなく、深いタックルで、ボールを奪いに行く。

これでも、真正面から行くとしばしばファールになってしまいます。

斜め、真横からなら、ファールには、なりにくいです。

もちろん、深く行くと言っても、まずはボールに的確にヒットしなければなりません。

今や、少数派になってしまった、このスライディングですが、身に付けたい技術の一つではないでしょうか。












 他にも、アウトで外に弾き出すスライディングもあります。

スライディングも、一つではないのです。

キックやドリブルに、様々な種類があり、それを状況で使い分けるように。

スライディングも、状況に合わせて使い分けることが求められるのです。

テクニックの引き出しを増やすことで、様々な状況で、最適な技術を選択することが可能になる。

これしかない!というのではなく、テクニックの引き出しを増やしたい。

そして、スライディングもテクニックの一つ。
posted by プロコーチ at 03:29| Comment(0) | 技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月06日

日本とブラジルの違いを

 日本は、海外の優れたものを学び、それを力に変えてきました。

政治、経済、モノづくり、文化、そしてスポーツ。

オリジナルを生み出すというよりも、アレンジしてきたものの方が、多いように思います。

それが良い、悪いと言いたいわけではありません。

我々のフットボールにおいても、同じことが言えるでしょう。

イングランドから学び、ドイツから学び、ブラジルから学びました。

今は、ヨーロッパに再び回帰していますね。

フランスやスペイン、そしてドイツなどから学び、力に変えようとしています。














 私は、最先端のフットボールシーンであるヨーロッパから学ぶことは、当然のようにたくさんあります。

でも、まだまだ、ブラジルを始めとした南米から学ぶことも考えています。

ただ、学ぶにおいても、そのままオリジナルを導入することは反対です。

なぜなら、ここは日本であり、その学んでいる国ではないからです。

トレーニングを受ける対象である選手は、日本人。

それならば、日本と言う環境に適した伝え方をするべきです。

日本で、日本の家族に育てられ、日本の環境で育った選手たち。

ヨーロッパや、南米の選手とは価値観や文化が、そもそも異なっていますよね。














 それを改めて感じる瞬間がありました。

ブラジルのクラブで、日本人とブラジル人の子供たちで、合同トレーニングをしている時でした。

当日のテーマは、守備の改善。

W-UPから、簡単なトレーニング、徐々に難しく、応用的になっていきます。

少し複雑なトレーニングになっていったので、戸惑っている子供もいました。

トレーニングが、一区切り。

トレーニングが進んで行き、残すは、ゲーム形式のみ。

そこで、コーチが選手全員を集めて、ピッチ上でミーティングが始まりました。















 コーチが質問を投げかけました。

「ヘイ、*+‘>。今日はどんなトレーニングをしたの?」

ある選手を指名して、優しく問いかけたのです。

すると、一斉に、声が上がりました。

「今日は、守備だよ。」「相手からボールを奪ったよ。」「2対2をしたよ。」

指名されていない選手が、当てられてもいないのに、発言を始めたのです。

コーチが、片腕を水平に伸ばして、発言を制しました。

「私は*+‘>に、聞いているんだよ。」

すると、子供たちは静かになりました。

でも、指名された選手が、あまり理解できていないような解答をするやいなや、

「ハイ!」「俺、俺!」

またもや、周りの選手が手を挙げて、意見を出そうとしたのです。

そして、元々指名されていた子が、答えるのを、周りで助けるようにして、何人もの選手で回答を導き出しました。













 次に、日本の子供が当てられました。

「では、あなたは今日のトレーニングをして、どう感じた?」

私が、子供に日本語に訳して、伝えてあげました。

当てられた子供は、なかなか発言できません。

「間違ってもいいから、自分で感じたことを日本語で答えてごらん。」

と、私が助け船を出しました。

すると、か細い声ながらも、ゆっくりと、自分の考えを発しました。

その間、周りの日本人の子供たちは、じっと黙って待っていました。

私は、このくっきりとしたコントラストが、とても興味深く感じ、じっくりと観察していました。














ブラジルの子供たち

・間違っていても、意見を発する。

・自分の順番は、自分で勝ち取る。

・仲間と共に、良い方向に進んでいこうとする。

(この3番目の仲間と共にと言うのは、このクラブがエリート集団ゆえに出来たことかもしれません、、。)

日本の子供たち

・間違いをおそれて、発言を控える。

・順番は待っていれば、自分の番が来ると信じ、待っている。

・仲間の成功を見守る。











 これだけ、違う子供たち。

そこに、同じ手法で指導をしても、上手くいくわけがありませんよね。

その違いを理解して、伝えること。

それが出来なければ、せっかくブラジルで学んだことも、役に立たないでしょう。

ヨーロッパが!ブラジルが!と学ぶことは大切。

でも、目的地は同じでも、そこへ進んでいく手法は、違う。

なぜなら、出発地そのものが違うから。

posted by プロコーチ at 17:34| Comment(0) | コーチング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月07日

南米って、そうなんだ...4

 日本人が、得意なプレーは増えました。

特に、繊細で速いボールタッチ。

これは、ブラジルの高いレベルと比べても、遜色ありません。

ボールタッチの種類、繊細さ、スピード。

そして、左右差の少なさ。

日本人選手、指導者の日々の成果でしょう。








 ちなみに、ブラジルの選手。

中でもドリブルを武器にしている選手。

子供の頃から、感覚の違いを感じます。

少し、表現が難しいのですが…。

独特と言えばいいのでしょうか。

ボールタッチは、複雑なことはしません。

リズムが急に変わる。

スピードが変わる。

そこにボディフェイントが混じる。

何よりも、DFとの間合いを制している。

あの感覚は、指導で身につけられるのか?!

永遠の課題の1つです。











 とは言え、これはブラジルでも全員が出来るわけでは無いようです。

では、何が我々に足りないのか?!

その1つが、トカボーラ。

これが出来るのが、ブラジルのほとんどの選手。

日本の多くの子供たちは、出来ていません。

自ら、ボールに向かってプレーすること。

競り合い、浮き球、ルーズボール。

完璧にコントロールされていないボール。

日本の子供たちは、自分のところに来るのを待っています。

苦手な子は、腰が引けるような姿勢で、ボールを処理しようとしている。








 ブラジルでは、全く違います。

子供の頃から、ボールに自ら向かっていきます。

体ごと、ボールに近づいていきます。

ボールが浮いているなら、空を飛びながらでも。

そこに相手がいても、遠慮はありません。

身を守りながら、体ごとボールに向かいます。

このような強さを小学生年代からでも出来るのです。

このボールは俺のだ!

誰にも譲らないぞ!

強い意思を、全身から感じます。










 フットボールが、生活にある。

さらにその生活をよくするために、フットボールを。

ボールと共に人生を過ごしている。

その強さを持った選手の中で、何が出来るのか?

遊びで上手いプレーを見せるだけなのか。

それとも激しい寄せの中でも、テクニックを発揮出来るのか?

日常に、トカボーラがあるか無いか。

ブラジルとの差を埋める、大きなヒント。
posted by プロコーチ at 10:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする